ゲームの感想:ANIMAL WELL

PS5

井戸で生まれたみなさんこんばんは!

いつまで底にいるつもり?ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。

azarashiX
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アイコンはどう見えても犬だがazarashiX。略してX。
ゲームは思い出づくりと語るおじいちゃん。気圧の変化に弱い。
クリエイターのこだわりが感じられる作品が好き。
基本的に文句が多いが、本人は楽しんでいるらしい。

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はじめに

「ANIMAL WELL」は、不思議な井戸の中の世界を冒険する探索型サイドビューアクションゲームです。なお、アクションゲームのカテゴリとしては、パズル要素が強めの作品になります。

みなさん、ちゃんとゲームで遊んでますか。僕はというと、積みゲーが罪レベルの多さに達しているのを横目に、ついつい新作に手を出してしまいました。というわけで、本作ですが、軽そうでいいかなーという気持ちで始めてみたら、意外と重かったです。実際にプレイしてみると、アクション要求、謎解きなどの難易度は高めで、コアゲーマーをターゲットにしているのだろうなあという印象を受けました。本作の感想を一言で表すなら、精巧なゲームという感じです。ファーストインプレッションは正直あまりよくなかったけれど、遊んでいるうちに見えてくる作り込みの深さは納得の出来栄えです。ゲームシステムもこういうのが好きなプレイヤーにはすごく刺さるような気がします。ただ、個人的にはそこまで夢中になれるほどではなかったかなー。あとは、一緒に遊んでくれる仲間がいたら、こういう評価も変わるのかもしれないなあということは思いました。

どんなゲーム

やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。

本作は日本語に対応しています。ただ、セリフやメッセージなどはほぼないので、字が出てくるのはUIテキストぐらいです。極端な話、文字が読めなくても遊べる気がします。その反面、親切な説明などもないので、例えば、手に入れたアイテムは手探りで使い方を覚える必要があるといった感じのゲームデザインです。

ちなみに、明確なストーリーはないのだと思います。僕は2つ目のエンディングが流れるまで遊んだし、全実績も解除したのだけど、未だに自分の操作するキャラクターが何者であり、何をしようとしているのかすらわからない。誰と電話をしているのか、なぜ宝箱にたまごが入っているのか、動物たちは何かのメタファーなのか、理解しようとすればするほど謎は深まるばかり。おそらく諸々の採用理由はゲーム性や雰囲気を重視した結果なのだと思います。こういうのをナラティブと言うのかなーと思いました。

グラフィックはドット絵とポストエフェクトを組み合わせたような感じ、BGMはアンビエント系です。ぱっと見は地味でチマチマしていますが、遊んでいるうちにいろいろなこだわりが伺え、なんというか渋みがあります。

セーブスロットは3つまでで、難易度選択などはありません。セーブデータは、ロードメニューからコピーや削除が行えます。

探索など

攻略の自由度は高めですが、ひとまずマイルストーンを整理しておきます。ゲーム開始地点のエリアを抜けると、マップ中央に到着します。そこから、上下左右の組み合わせでざっくり4つのエリアに分岐します。さらに言えば、それぞれのエリアは、途中にある「アイテム」の入手と、ボスを突破して「炎」を入手する2段階に分けられます。基本的には、各エリアで入手できるアイテムを使用しないと先に進めなくなるので、炎を入手するための攻略は、4つのアイテムが揃ってからになります。なので、ある程度は行ったり来たりしながら進めていくような感じです。4つの炎が揃うと、最後のエリアへ進む入口が開きます。

マップの構成は、固定画面の部屋が組み合わさっているタイプで、場所によっては複雑に入り組んでいます。各部屋には大体何らかのギミックが用意されていて、ジャンプアクションや、手に入れたアイテムを使って攻略していきます。通行止めの扉や壁は、ボタンやレバースイッチで解除し、ほかには隠し通路もたくさんあります。アイテムは、シャボン玉、ヨーヨー、バネバネ(スリンキー)、爆竹、フライングディスクなどのどこか懐かしい玩具が登場します。ギミックの解法は程々の難易度で、ピタゴラ装置みたいなからくりもあったりしてバリエーションは豊富です。対して、アクション操作の要求は案外シビアです。失敗によるやり直しの区間も長かったりするので、慣れないうちはややじれったいかもしれません。

ゲームを進めてフルートを入手すると、各エリア直通のポータルが並ぶ部屋にアクセスできるようになります。また、特定の旋律を演奏することで、対応する部屋へワープができるようになるのでファストトラベル的な使い方ができます。

ゲーム開始直後に地図も手に入ります。地図を開いている間も時間は停止しないので注意です。また、暗闇では開くことが出来ません。到達した部屋が自動的に記録されていく方式で、地形表示はかなり正確です。外枠のドット欠けや、不自然に空いている個所などを注意深く観察することは、隠された部屋や宝箱を発見する助けになるでしょう。あとは、スタンプや鉛筆といったアイテムを入手すれば、アイコンでマーキングをしたり、フリーの書き込みが出来たりもします。

収集要素としては、「秘密のたまご」があります。全64種類で、様々な場所に隠された宝箱の中に入っています。集めたたまごは、クジャクのいる部屋に自動的に配置され、8、16、32、64個集めるごとに報酬のアイテムが手に入ります。収集したたまごの数はインベントリで確認できるほか、報酬が獲得できる個数に達すると入手時の音が変化します。なお、すべてのたまごの収集は、2つ目のエンディングの条件にもなっています。あとは、すごくどうでもいいのだけど、飾り羽があるということはこのクジャクはオスなんだろうなあみたいなことを考えてしまいます。

終盤になるにつれて、宝探しや謎解きの難易度も上がっていき、未解決のギミックや行っていない部屋が幾つか残って行き詰まってきます。地図とにらめっこをしたり、怪しそうな場所をぐるぐる回ってアイテムをしらみつぶしに試したりなど、ここが一番時間を使いました。思い直せば、僕が最後の最後まで迷っていたファクターはローソクを全部灯すやつでした。ローソクの場所は分かっているのだけど、マッチが足りなくて。で、どこにあったかというとスタート直後のエリアです。灯台下暗しというやつですね。ロウソクだけに。あとは、芋づる式に解決です。なかば疑心暗鬼になっていたので、やっとのことで先に進めた時は溜飲が下がりました。

アクションや戦闘など

基本のアクションは、移動とジャンプのみです。あとは、入手したアイテムを使うことで、できることが増えていきます。

ジャンプは高さ固定です。ギリギリのジャンプも結構あるので、早めに感覚を掴みましょう。アイテムの使い方も説明がないので、初めは気付きづらいテクニックがあったりします。特に、割と序盤に入手するであろう「バブルワンド」と「ディスク」です。バブルワンドは、足場にできる上昇する泡を生成するアイテムです。泡は同時に一つまでしか出せず、壁などに接触すると消滅します。泡の上に乗っているとゆっくり落下することができます。泡に乗っている時間制限はありませんが、ジャンプをすると消滅します。また、ジャンプと同時に泡を出し、そのまま泡の上に乗るという行動を繰り返すことで、高所に上ったり、ずっと空中にいたりできます。ディスクは、横方向に投げ、ボタンなどを押したりできるアイテムです。壁に当たると跳ね返りますが、ツタなどに当たった場合は跳ね返らずに落下します。また、飛んでいる状態のディスクにジャンプなどで乗り、空中を移動をすることができます。一度壁にぶつけて反転させてからがやりやすいけれど、実は上りジャンプ中にうまく出すと、即時で乗ることもできます。タイミングはかなりシビアで、僕は未だにコツが掴めていません。ただ、これらのテクニックを使用しないと解けなそうなパズルもあるので、意図された仕様なのだと思います。

所持しているアイテムはスライド式で切り換えができます。ただ、これも説明がなかったので、僕が気づいたのは1つ目のエンディングの後でしたが、インベントリを開けばポーズがかかり、落ち着いて変更ができます。こういうのは数が増えてくると煩瑣になるよなーみたいなことをずっと思っていました。そこまでインベントリのボタンを一度も押さなかったというのもどうなのという気はするけれど。

敵として襲ってくる動物もいますが、プレイキャラクターは直接的な戦闘力を持っていません。なので、回避したり、アイテムや環境を利用して突破したりしていくことになります。敵もパズルの一部ということですね。

敵やトラップとの接触でダメージを受け、画面右下のハートがゼロになると死んでしまいます。ハートの初期値は4つで、マップ上に配置されているフルーツを取得することで回復ができます。たまに、上限を超えて回復できるものもあります。水に落下した場合は、ダメージは受けず、直前の地面からやり直しになります。なお、高所からの落下ダメージもありませんが、壁や障害物などに挟まれた場合は即死です。定点的に配置されている「電話」が、任意起動のセーブポイントとなっており、死んでしまった場合は最新のセーブ地点から復活します。セーブデータのロードではないので、進捗は死亡前のままです。

その他

エンドコンテンツなど

炎を4つ集めて開放されるエリアをクリアすると、1つ目のエンディングに到達します。初回プレイで大体5時間ぐらいでした。鳩時計の左側のリスから「ストップウォッチ」、動物の像が並んでいる部屋の右側の地面をコマで掘り、たまごっちの中に入ると「万歩計」が入手できます。これらは、リプレイ用のアイテムで、オプションメニューからHUDの有効化ができます。

ただまあ、解いていない謎は多いし、やっぱりなーという感じですが、ここからが本当のANIMAL WELLです。動物の像が並んでいる部屋の穴から落下すると、マップ中央に戻ってきます。そこからまた探索を再開するわけですが、詳細は書ききれないので端折るとして、秘密のたまごを64個集めると、報酬として「65番目のたまご」が手に入ります。それを最後エリアのボスと戦った左側の部屋に置くと、2匹目のラスボスが登場します。ランタンが有効なのは変わらずなので大したことはありません。手順を踏んで井戸の外へ脱出すれば、2つ目のエンディングに到達します。僕はここまでなんだかんだで20時間ぐらいかかりました。

なお、2つ目のエンディングまで進めた段階で、プラチナトロフィーは取れました。時限があるのは、リスから「ナッツ」を取るやつぐらいかなーと思います。これも、背後からゆっくり近づけばよいだけなので、新規で始めれば割とすぐに獲得できます。

ほかの遊び方としては、ノーデスクリアとスピードランがあります。これらは時限があるので、ニューゲームで始める必要があります。とはいえ、アクション操作の勝手と、ルートが分かっていれば、1周目とは比べ物にならないほどの早さでクリアできてしまいます。マップは初見で嫌になるほどぐるぐるしていると思うので、覚えているうちにやれば意外といけるんじゃないかな。

ノーデスは思いのほか簡単です。落ち着いてやればあまり死ぬポイントもないと思うので、注意すべきは即死ぐらいですかね。ラスボス戦の脇の部屋に、積まれているドクロの数は、死亡数とともに増えていきます。つまり、死亡数ゼロでこの部屋まで到達すれば、ドクロが存在しないので宝箱が開けられるという仕組みです。達成のリワードは「記念カップ」です。家に飾られるゲーム内トロフィーみたいなやつで、特別な効果はないと思います。また、取得状況は全セーブデータで共有されるようです。ほかのインテリア系アイテムも同様です。

スピードランは、新規ゲーム開始から鳩時計到達までの経過時間で評価されます。3段階のランクがあり、1つ目の時計は、300分、90分、30分以内での到達が条件になっています。扉の前に示される数値は、それぞれのタイムリミットから現在の経過時間を減算したものになっており、要するに余り時間が表示されています。オーバーしている場合は、000になります。また、ブラックライトで照らすことで、タイムリミットの数値が確認できます。ちなみに、インベントリを開いてポーズがかかっている間も時間はカウントされているので注意しましょう。僕は、たまご無視のルートで何度かチャレンジしてみたけれど、どうしても50分が切れませんでした。30分以内は結構キツイんじゃないかと思います。ギミックを普通に解いていたらまず間に合わないので、そのあたりをスキップするようなテクニックを使わないと無理なのだと思う。そのためには、おそらく笛ワープを駆使するのがポイントなんじゃないかと思っていて、たまごは8つ集めないとダメなのかもしれない。今のところ、マップ左下のポータルと、家の右側にワープするコマンドは分かったのだけど、ウサギが対になっている像はまだあるので、まだ発見できていないワープコマンドもありそう。などなど、いろいろ考えていたらちょっと面倒になってきたので諦めてしまいました。さらに、2つ目のエンディングまでのスピードランもありそうな感じで、これも相当キツそうですね。

あとは、「秘密のウサギ」という隠し要素もあります。難易度高めの謎解きや、高難度アスレチックを超えないと発見できないやつです。秘密のウサギを見つけた数はセーブデータにカウントされ、井戸の外には22体の像があります。僕には全部を集めるのは到底無理そうだなあと思ったので、これも諦めてしまいました。もしかしたら、まだ3つ目のエンディングみたいのが残っているのかなあ。

というわけで、本当のエンドコンテンツはインテリアと、秘密のウサギの収集なのだと思います。まだ解けていない謎は幾つか残っているのだけど、それらはおそらくどちらかに繋がるものなのでしょう。個人的には全実績を解除できた時点で、なんとなく満足してしまいました。なのでまあ、このあたりで一区切りとし、これから挑戦する方、飽くなき探究心を持つみなさまのご健闘をお祈りすることにします。最後に僕が解決できなかった謎解きをピックアップし紹介して終わりにします。

秘密のたまごの曲とオフィスの謎

集めた秘密のたまごをブラックライトで照らすと、0〜3本の線が浮かび上がります。また、フルートを入手した音階を示す図に、同じくブラックライトを当てると1、2、4の方向に線が浮かび上がります。これは3桁の2進数を表現していると思われ、要するに十進数で0〜7の8パターンを示し、それは各音階の8方向に対応しています。あとは、たまごの線を右倒しにして、計算していくことで演奏すべきメロディーが解読できます。例えば左上の一番目のたまごであれば、2進数で110なので、10進数に変換すると、4+2+0=6となり、6番目の方向は左上ということがわかります。これを64回分繰り返すわけです。うーん、面倒ですね。なお、注意しなければならないポイントとしては、線のない000は桁溢れで8(右上)として扱うことと、一つだけたまごの向きが逆さまのものがあるので、それを考慮して計算することです。64ノーツの入力はしんどいですが、正確なメロディーを奏でれば、右上に通路が開き、「オフィスキー」が入手できます。これで、ようやく家にある開かずの扉の部屋に入れるようになりますが、そこにはまた暗号が…。というわけで、僕の頭ではこのあたりまでが限界でした。いよいよ普通に楽しめるレベルではなくなってきたなーみたいなことも思い始めてきてしまう自分もいて、気力も尽きてしまったよ。

ウサギの壁画と謎のピース

マップ中央から右に進んだところにあるウサギのドット絵は、地面を掘ると出てくるコントロールパネルを使うと描き換えることができます。さらに掘って、下の部屋に進むと、ピースの一部と思われる絵が発見できます。4×4ドットで、外枠には座標と思われるドット数が示されています。たぶんこれは、正解のパターンの一部がランダムに公開されるようなやつなんじゃないかなー。すなわち、セーブデータや、プレイヤーごとに異なるパターンが表示され、それらを共有して正しい順番で組み合わせると、新しい絵が完成するのだと思う。元の絵は40×20ドットあるので、単純計算するとダブりなしで50ピース必要ということになります。これは、いわゆる何らかのコミュニティぐるみで挑まないと解けないようなパズルなのだと思います。自力攻略主義かつ、友人の少ない僕には厳しい謎解きです。仕方がないのでこの行き場のない悔しさを絵に変えて刻んでおきました。

さいごに

アクションパズルと謎解きが大好きな方におすすめです。

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