どうもPちゃんと聞いてポンキッキーズじゃなくてピロウズのギターが浮かぶ、拗らせガチャピンフェイスことおもたろうです。
今回もやってきました一周遅れの死にゲーハント
フロムのパクリと揶揄されてもSwing god gun, I need it low demon Brakeなんて踏まない
安くなりそうで安くない少し高いでお馴染み
それがLies of Pだ!
Lies of Pってなに?
童話でお馴染みのピノキオをベースにしたダークファンタジーアクションゲーム
このダークなソウルライクゲームの原作は、まさかの「ピノッキオの冒険」。
カルロ・コッローディの名作を残酷なコンセプトで再構築した本作。主人公のピノキオは、ゼペット爺さんを探す冒険へと旅立つ。冒険の舞台はベルエポック時代をモチーフにした街「クラット」。そこは、狂気と殺人人形に支配されていた。
ピノキオはさまざまな武器や、特別なアビリティを持つ切り替え可能な義手(Legion Arm)を駆使して生き延びなければならない。敵以外のキャラクターとの出会いも待っている。人間になるという夢を叶えるため、嘘をついてピノキオを導こう。
(PSstoreより)
ダークなソウルライクゲームはもうそれダークソウルなんよ。
何やかんやソウル煽りしましたが意表をついて、プレイフィールはダークソウルよりもSEKIROとBlood Bornを彷彿とさせます。そうご存じBlood Shadows Born twitce(Thymesia)の再来 つまりBlood Shadows Born twitce 2nd IGNITIONです。
『この「人形」は「フロム」から生まれた。「Blood Shadows Born twitce」新章、始動。』
制作は韓国のNEOWIZ 私はSkul: The Hero Slayerだけプレイしたことありました。こちらもお勧めです。オリジナリティは少ないですが、ジャンルの解釈と再構築が巧い制作陣な気がしますね。
私はPS5でプレイしました。1週目のクリアは30時間程度、全ED見るには3週必要なので50時間程度はかかると思います。難易度はクリアだけを前提とするならば易しい寄りです。ただ後述しますが、個人の美学によって難易度が結構上下します。
良かったところ
プレイスタイルの許容
プレイ開始30分ジャスガゲーと思っていた私は随分と挑戦的なゲームだと感じました。しかし5時間、10時間と新たな要素が解禁されていくうちにその認識は覆されることになりました。このゲームは単なるセキロフォロワーのジャスガゲーではない、実に多くのプレイスタイルが許容されているのです。
まず敵の攻撃への対処がジャスガだけじゃないということに気づくことから始まります。ジャスガでしか防げないと思いがちなフューリーアタックも離れればいいのです。カット率の高い武器を使ったガードリゲイン重視の戦略、意外と無敵判定の長いステップ回避、リターンの大きい敵に張り付いての軸避け、ハイリスクハイリターンの武器パリィ等、相手のモーションを理解することで適切なディフェンスが変わります。
攻撃の方法も武器だけではありません。本作はアイテム使うことで非常に有利に戦闘を運べます。例えば投擲アイテムは自分のステ振りに合ったものを使えば立派なダメージソースになりますし、フェーブルカタリストを使えば大量にアーツを使うことが出来ます。リージョンマガジンとリージョンアームを使えば、盾チクや遠距離攻撃による引き撃ちみたいなこともできます。ここに特殊砥石やキューブを使えばより多くの搦め手を有効に出来ます。どうしても勝てない人は助霊を使えば大幅に難易度が低下しますしね。
そうした多様な戦略を後押しするのがP機関(スキル獲得)で、正攻法的にジャスガや攻撃性能を上げるものがあれば、放電状態というピンチに真価を発揮するもの、アイテムの効果や使用回数を増やすものがあるなど、特化すると立派に効果が実感できる作りになっています。
意固地になって全てをジャスガするのも、殴り合いながらアーツでゴリ押しするのも、搦め手を使って戦略的に戦うのも、どれもLies of P
この攻略の懐の深さはセキロでもブラボでも感じ得なかったものです。
世界観の構築、ディテールが他のソウルライクと一線を画す
ソウルの雰囲気だけを模した無味乾燥で記号的な設定を取ってつけたフォロワーが溢れる中、本作の世界観へのの気合の入れ具合とクオリティは一線を画すものがあります。
暴走した機械人形と人体実験の成れの果ての怪物、街に内包された狂気と致死量の嘘、血と鉄が織りなすビジュアルとテキストに確かな説得力があります。
ひとまず武器の説明文を見てくれ これです、こういう含蓄に弱いんです。
ディズニー版のピノキオすら見たことない私が思わず原作を買ってしまう訴求力。ハマる人にはハマる魅力を携えています。
ささやかでも積み重ねたブラシュアップ
ほんとにささやかですけども、細かいホスピタリティが目立ちました。ざっくり一例を列挙してみます。
ゲーム開始時から無限骨片(ファストトラベル)、ボスで死んでも部屋の前にソウルが落ちる、拠点にパリィやジャスガの練習ができるダミー、待機イベントをファストトラベル候補に表示、アイテムスロットの二段分け、拾ったテキストをインベントリに飛ばなくても参照できる。
無くてもそんな困らないけども、あると嬉しい、これの積み重ねでジャンルは前に進むんだなとしみじみ思うのでした。
ソウルフォロワーの急先鋒
そもそもパクリに対してユーザー側が忖度する意味はまるでない、パクリでしょで思考停止してしまうのは足引っ張りクソ虫でしかないと私は思います。
どうしてもパクられたくないならば知財の権利を確保するべきであるし、その権利を行使しない以上、公知の事実は発展に用いられるのは当然のことです。
シューティングがずっとインベイダーでいいのか、格ゲーがずっとストⅡでいいのか。初めは模倣でも、必ずしも万人に受け入れられる改善と言えなくても、誰かにとっては面白いものが出来ることでゲームが進歩してきたのではないでしょうか。そういった意味でlies of Pは一歩を踏み出しているゲームと思えます。
私の中のエルゴが囁く だから、あんた、やっておしまいよ 自分が面白いと思うゲームを、やればいいさね
気になったところ
己の矜持との葛藤 ジャスガの呪い
ジャスガ、正直言って難しいです。ディレイ多めなのもありますが一番は判定がシビアなためです。
某は苦難厄憑制覇の者で候であった私のプライドを完膚なきまで粉砕する本作。チャキチャキお願い弾きは甘えです。
何度も死んで見切れるにようになるとめちゃくちゃおれかっけー出来て楽しいんですけど、素直にそこに至るまでのハードルが高いです。
勝つのは容易い、しかし全てを弾かずに勝ったと言えるのか。プライドは一人前の癖に腕前が伴っていない人ほどこのジレンマに陥る事でしょう。
誉をどこまで浜に捨てるかの戦いです。私は一周目では勝てばよかろうなのだと人間賛歌を捨て、弦一郎よろしく卑怯だとは言うまいなしてしまいました。
ジャスガという戦闘でメインに推している(ように見える)システムが万人の気持ちさに繋がっていないのは損しているなと思いました。これはある意味不幸な錯覚です。先述したように本作は多様な攻略が許容されています。にもかかわらずジャスガに固執してしまう、何故ならそれが(成功できれば)一番カッコよくて強い行動だから。
制作側が推しているから誰もが出来ると思ってしまう。出来ないのを割り切れずに屈辱感を憶えてクソゲーの烙印を押そうとする人もいることでしょう。
Pのジャスガは上手い人がやるものでハイリスクハイリターンですよ、セキロとは違うんですよという導線が足りていないように思います。
あと本家もマリカ像を作っているようにボスの直前にリスポンポイント置いてください。面倒くさいがリトライの障壁になってしまうのはボスがもったいないです。
尻上がりな面白さ
Pはスロースターターなんです。どうしてもおもしろ曲線が指数関数的になります。
先述したような多彩な戦略が取れるのは早くても中盤以降、何なら戦闘面に関しては私は2週目以降の方が面白かったくらいです。
なのでするめを一口食べて捨ててしまうようなもったいない人もいると思います。双龍剣担いで味の向こう側にいきましょう。
見せてやる俺の最高のパリィを!
この一本道を進むのだ
オープンに見えてマップは一本道です。枝分かれしていても必ず主枝に戻ってきます。なので人によって攻略の順序が変わるみたいなことは起こりません。
作品単体で見た時は短所でもないのですが、どうしてもソウルシリーズと比較されると思います。攻略の自由度(冒険感とも換言できる)を重視する人には減点対象に映るかもしれません。
強要される嘘
嘘がつけるということが機械と人間の境界だというベースとなるコンセプトがあるため、選択肢において嘘がいつも正解になっています。
ここで言う正解とはプレイヤーに具体的にメリットが生じるといったことだけでなく、NPCがしょんぼりするかしないということも含みます。
真実を告げるとみんなしょんぼりします。残酷な現実から目を背けるための画一的な優しい嘘がいつも正解か?と思いモヤモヤしつつも利を取る。
一方にしかメリットがない選択肢はその実、選択肢として成立していないです。初めから答えの分かっているクイズをやらされても面白くないでしょう。
細々したオリジナリティ要素の不満
本作オリジナル要素であり、ブレードと柄を分解でき自由に組み合わせられる武器調合。私が数え間違えてなければ分解できる武器は29種類あり、合成できるパターンは800種類を超えます。ちょっとした発明じゃんと最初は唸りましたが、蓋を開けてみるとあまり面白さに寄与していないと感じました。
というのも総パターンが800あっても実際に有用なパターンが限られるためです。例えば属性武器のブレードは進化の補正がある柄と合わせなければ全く補正が乗りません。
そもそも柄の能力補正に格差がありその時点で柄の選択肢が限られます。ブレードも柄と同様に基礎攻撃力、リーチに格差があり、強さだけを重視するならば優秀なブレードと優秀な柄を組み合わせるという単純な図式になりがちです。
グラインダーは特殊砥石のチェックポイントで補給可能なバフというアイデアは好きなのですが、モンハンのような武器耐久度の必要性がよくわかりませんでした。
特に武器の差別化に繋がっているようにも思えないし、ガードのデメリットを設けているにしてはテンポが悪いし、武器のカット率で十分な気がします。
あまり道中で死亡する事はないので、実害はほとんどないのですが、死亡時に落としたエルゴを回収する前に敵から攻撃を受けると取り返さないと元本が減るみたいなシステム、あれも謎ですね。
概して味変で付け加えた要素が空振しているような印象を受けました。
まとめ
「嘘じゃないlies of Pは面白いんだ」おもたろうは声高に叫んだ。彼の鼻が伸びることはなかった。
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