司祭長のみなさんこんばんは!
月に代わってワンダータイフーン!ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。
はじめに
「Momodora: 月影のエンドロール」は、悪魔から村を救うためにモモくんががんばる探索型サイドビューアクションゲームです。以前感想を書いた「Minoria」を作った人たちの作品です。ゲームシステムや操作感も似たような感じです。というより、あちらがスピンオフで、本作のMomodoraの方がシリーズものなのだそうです。
簡単な感想としては、作りたいゲームを作っている感じがしてよかったです。ドット絵をがんばっているせいかもしれないけれど、なんだか作品全体に漂うハンドメイド感があって、応援したくなります。あとは、ボリュームがちょうどいいです。セミ・ライトゲーとでも言えばいいのか、ゲームプレイも短すぎず長すぎず、システムもシンプル過ぎず複雑すぎずといった塩梅に、まとまりの良さみたいなものを感じます。難易度も控えめ易しめで、いろいろなプレイヤー層へ配慮した結果なんだろうなーといった印象を受けます。まあ、このあたりは難しければいいというものではないからね。そして、ここは譲れないポイントなのだと思うのだけど、今作も女の子キャラクターが多めです。
というわけで、中身は遊びやすくてそれなりに満足感のある準ライトゲーム。側はドット絵女の子2Dアクションの急先鋒、といった出来だと思いました。これまた、月並みのプレイフィール。なお、もっと言ってしまえば、一昔前のよく出来た同人ゲームみたいな作品です。そういうのが好きだった方には特におすすめですよ。

どんなゲーム
やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。
本作は日本語に対応しています。翻訳の品質はばっちりだと思います。流し読みしているくらいなら、違和感のある箇所は見つかりませんでした。
グラフィックはドット絵です。アニメーションはかなり凝っていて、ここはこだわりポイントなのだと思う。細部まで描き込まれてパターンも多いです。やっぱりドット絵がヌルヌル動いているのは見ているだけでも気持ちいいよね。
BGMは、ピアノサウンドが印象的です。探索中はキラキラした感じ、ボス戦などの盛り上げるとこは盛り上げるという感じで、ゲームの雰囲気ともマッチしていました。
ゲーム開始時には、難易度選択があります。ライトとノーマルの2択です。デフォルトはライトで、僕は強がってノーマルで始めましたが、いつでも変更できるみたいです。キツくなったら下げようでもいいのかもしれませんね。




探索など
プロローグ&チュートリアルステージ完了後のスタート地点である「コホ村」からは、地続きで複数のエリアが存在しています。各エリアは、スクロールありの複数の部屋で構成されているタイプ。画面切り替えで上下左右に探索範囲を広げていきます。
エリア攻略順や探索の自由度は、中盤以降にちょっとある程度です。到達済みのエリアにはいつでも戻れますが、あまり行ったり来たりをする作りではない気がします。定点のファストトラベルが解放されるタイミングも中盤ぐらいです。
地図は常時表示されているミニマップのほか、トリガーで全体マップも開けます。表示が早いのは快適です。ただ、前作は移動しながらでも開けたけれど、今作では出来ないみたいですね。なお、全体マップ表示中はポーズは掛からないので、安全な場所で確認しましょう。インベントリのメニューではポーズされますが、マップ表示はできません。
部屋同士の接続は、程よく入り組んでいます。とはいうものの、すごく広いわけでもないので、記憶力に自信のある方は、見て歩きでルートを覚えてしまったほうが楽な気がします。そうでなくても、マップを見ながらまだ行っていない場所を目指していけば迷うことはないでしょう。
探索の障壁としては、主に敵との戦闘になるのだと思います。敵の攻撃に当たらないように進むゲームですね。中盤以降は、多少いやらしい敵配置があったりします。また、固定のポイントでデスマッチ式の連戦が発生します。
地形は、トラップやギミックなどは少なめ、ジャンプアクションも難しいものはありません。また、穴に落ちたり潰されたりなどの即死も道中には存在しません。高所からの落下も、ドッスン着地にはなりますがダメージはありません。ただ、後半は暗めのエリアが増えるので、そのあたりの好みは分かれそうな気がします。個人的には、もうちょっと照らされる範囲が広くてもよかったかなーと思いました。ちなみに「魔法の剣」系の紋章が発動すると少し明るくなります。
村などのエリアには、会話ができるNPCがいます。メインストーリー以外の、ちょっとしたおつかいなどのイベントが発生することもあります。重要な会話は赤色の吹き出しで表示されます。なお、セリフの完全なスキップはできないので、周回時などは若干だるいところではあります。まあこのあたりは程度問題なので、そもそもテキスト量がそこまで多くない本作について言うのは筋違いな気もしますが。あとは、キャラクターに重なって「話す」コマンドを実行するのは、なんだか旧態依然として形式的な感じがするし、会話が更新されているかいちいち確認するのはちょっと面倒なので、会話タイトルを吹き出しに出すとか、一度話したら吹き出しの色が変わるとか、近づいたら勝手に喋ってくれるとかのほうがよかったかなーと思いました。
収集要素としては、モモくんのステータスが強化される3種類の実と「天上のユリ」や、付け外しできるパッシブスキルである「紋章」「幻影の旅のお供」ほかには「月明かりのかけらのつぼみ」や「ルーメンの妖精」など、結構な種類があります。とはいえ、何らかの収集物が残っている部屋にはマップ上にはてなマークが表示されるので、コンプリートもそれほど大変ではありません。通れる壁や床抜け、地面の光っている穴がないか探してみよう。また、妖精のいる場所には音を出す虫みたいな敵が配置されています。後で来てねもほどほどにありますが、数は多くないので手間というほどではないでしょう。
そのほか、敵の出現中にもアイテムが取れてしまう箇所がいくつかあったりとか、遺物などの特定のアイテム取得時やイベント実行時に、ジングルでも流れるかのような長めのウェイトがあったりなど、些細な点が気になってしまいました。うーん、僕というやつは操作が効かなかったり待たされたりするのがよっぽど嫌なのかもしれない。あるいは、それだけ他の部分のテンポがよかったということなのかもしれません。
あとは、釣りもできます。これはもうお決まりみたいなものなのかな。動物を撫でるやつも。本作は猫推しなのだと思います。








アクションや戦闘など
基本アクションは、近距離攻撃、遠距離攻撃、ジャンプ、回避、回復です。
近接攻撃(聖なる葉)はコンボ攻撃です。大体2キャラ分ぐらいの射程があると思う。3段目は投擲で射程が伸び、連続ヒットします。
遠距離攻撃(コホの弓)の矢は無限です。スタミナが最大だと、消費して強い弾を撃ちます。矢が無効な敵もいますが、怯むやつには行動の阻止に挟むといいです。ちなみに、R1ボタンでも撃てます。
ジャンプはボタン長押しで高さが変わるやつです。空中にいるときは割と無防備なので、戦闘中は気をつけよう。
回避(ローリング)は一定距離を移動するやつです。スタミナを消費します。敵の当たり判定をすり抜けて背後に回ったりも出来ます。ジャスト回避もあり、成功すると消費したスタミナが回復し、無敵時間がつきます。判定はかなりゆるめ。なお、ローリングは空中ではだせないので気をつけよう。
回復(癒しの鐘)は、魔力を消費して体力を回復します。わずかな硬直があります。
各アクションや移動のスピードはそこまで速くありません。もっさりでは全然ないのだけど、滑らかに動くという感じ。どちらかといえば、正確な操作が要求されるタイプのデザインなのだと思います。
ゲームを進行させて遺物というアイテムを入手することで、ダッシュ、糸切り(壁破壊)、二段ジャンプ、壁蹴り、といったアクションが追加されます。ダッシュは派生モーションがいくつかあり、出だしは無敵みたいです。
終盤で解禁される「月光同調」は、ビーストモードみたいなものです。発動すると各モーションが強化されて、攻撃力が上がります。また「月の霧」というダメージエリアを通過できるようになります。スタミナが変換された赤いゲージが無くなると効果は切れます。
敵は画面切り替えで復活します。倒すメリットは「月明かりのかけら」というお金みたいなものがドロップするかどうかというだけなので、慣れてきたら無視して進むほうが、安全だし効率が良いのかもしれません。
ボス戦はたくさんあります。ボスは定められた行動パターンを繰り返すタイプ。モモくんの戦闘力はかなり高いので、適当にやっても割となんとかなると思います。装備している紋章の組み合わせによってはゴリ押し気味でもいけてしまいます。また、ボスに一定ダメージを与えると「魔力の煌めき」をドロップし、取得すると魔力が回復します。なので、あまりチャレンジングではないけれど、演出が凝っていたりするので探索のいいアクセントにはなっていると思います。
HP制ですが、防御力はありません。耐えられるのはせいぜい1〜2発程度です。被ダメージ時の無敵時間は短めなので連続ヒットが死因になります。また、状態異常も、出血、呪い、疲労、脆弱などの種類があります。ともあれ、時間経過以外に解除する術はないと思うので、やっぱり当たらないように戦うゲームですね。
定点的に配置されている「天与の鐘」というオブジェクトが、チェックポイントになっています。近接攻撃を当てて鳴らすことで、体力と魔力が全回復します。また、月明かりのかけらをお供えすることで「好調」というバフがかけられます。効果中は体力と魔力の時間回復が得られます。僕は存在を忘れていて使うことはなかったのだけど、月明かりのかけらは余りがちなので、こういうのもちゃんとやっておけば、より楽に進めたのかもしれません。
デスペナはチェックポイントの戻り復活だけだと思います。ただ、2回ぐらい死んで「続ける」を選択すると、難易度選択の画面になり、ゲームが最初からになってしまいます。もしかして、すごいシビアなゲームなのかもしれないとか思ってしまったけれど、なんだかちょっと不具合っぽい挙動ですね。死んでしまったら「タイトルに戻る」を選んで、セーブスロットから再開しましょう。




成長要素など
プレイヤー強化の要素は、探索との関連が強いです。経験値を稼いでレベルアップみたいなシステムはありません。そのため、ステータス関連については、探索の進行度と比例して上がっていくような感じになると思います。「紋章」は任意のものを複数選んで装備する形式なので、そちらにちょっとビルドっぽい要素があります。
「斑紋の実」は、体力の最大値を上昇させます。全部で24個あります。「ルンの実」は、魔力の最大値を上昇させます。全部で7個あります。「桃」は、スタミナ回復速度を上昇させます。全部で5個あります。「天上のユリ」は、攻撃力を上昇させます。全部で25個あります。
紋章は、全36種類。装備スロットは「ホコリまみれの魔導書」を入手することで、最大5つまで増えます。紋章は探索で入手できるほか、お供のセレザから購入ができます。組み合わせはいろいろ試してみるのが楽しいと思うけれど、一応おすすめをあげておくと、中盤あたりで入手できる「輝くイージス」は、癒やしの鐘(回復)を使用時に、あらゆるダメージを一度だけ無効化するバリアを張るというもの。時間で効果が切れたりもしないので、これがあるだけでかなり安定しますよ。さらに、無敵時間の付く「イフリヤの共鳴」や、魔力が時間回復する「真髄」などと組み合わせれば、ほぼ死ななくなります。
僕は、はじめのうちは「守銭奴」や「収集家」などをつけて、月明かりのかけらを稼いでいたのだけど、結局はそこまでする必要はなかったかなーと思いました。そもそも、ストックできる最大値は9,999個で、用途も、紋章の購入、実のなる地面に使う、あとは、釣りとかお供えぐらいなので、トータル3,000〜4,000ぐらいあれば足りてしまう気がします。そして、そのぐらいは普通にやっていたら手に入るんじゃないかなあ。
「旅のお供」は、ペットみたいなやつです。入手済みのものからひとつだけ選んで装備できます。「勇者」「探検家」「治療師」の種類があり、行動パターンが異なります。なお、ボス戦では無効です。効果はおまけ程度なのだと思うけれど、僕は攻撃系を付けていました。お供の攻撃でも「幻影の剣」などの紋章の効果が発動している気がする。あとは、地形に引っかかってしまったり、落下してワープを繰り返すのは若干紛らわしいので、浮いているやつのほうがいいような気がしました。




その他
安定性など
探索中の画面移動の際に、暗転のまま動かなくなってしまったことが一度だけありました。操作も効かず、アプリを再起動するしかありませんでした。オートセーブは頻繁にされているので、ダメージは軽めだと思います。
全体マップが開けなくなってしまったことも何度かありました。タイトル画面に戻って再開すれば解消されます。関係あるかはわかりませんが、この現象が発生したのはハードコアモードのときだけでした。
ストーリーなど
内容としては、割とシリアスなのかもしれないけれど、モモくんは常に平然としているように見えるし、各キャラクターも所々で妙に軽いノリだったりするのが何とも言えないゆるい雰囲気を醸し出しています。昔のRPGっぽいというか、この不思議なそれらしさは、ピクセルアート的な表現との親和性が高いからなのかもしれないということも考えます。
ちなみに、続き物みたいなのだけど、やることは全員倒すだけだぜなので、過去作をプレイしていなくても差し支えなかったです。












エンドコンテンツなど
ラスボスは、イベント戦のような感じで派手でよかったのだけど、第3形態で落下死してしまってしょんぼりしました。賢明な諸君はそのようなことにはならないとは思うが、念のため気をつけてくれたまえ。
エンディング後はクリア後の世界で続けて遊べます。探索は引き続き自由にできるので、取り逃がしたアイテムを回収したりできるほか、追加のイベントがいくつかあります。
コホ村に出現するNPC「オルヴェリア」と会話すると「終焉の地」に移動ができて、ボスとの再戦ができます。再戦時は、モモくんの強化はそのままですが、ボスの体力も増加しています。「追憶」をリストの上から10個クリアすると追加の会話があり「幻の涙」という遺物がもらえました。また「悪夢」を上から5個クリアすると「運命の涙」がもらえました。細かい条件はちょっとわからないけれど、全部やらなくてもいいということなのかな。これらは収集物扱いなので、達成率を上げるためには必要なのだと思います。なお「悪夢」は、箱のようなダメージエリアが配置されていたり、飛んでいたりするちょっと難しめのモードです。とはいえ、ノーダメージクリアとかではないので、エンディングまで到達できているのであれば、そこまで苦労しない気がします。
同じく、終焉の地でオルヴェリアのイベントをある程度進めると「パタタ」というNPCが出現し「ワンダーラスト・イリュージョン」という名のボスラッシュに挑むことができるようになります。クリアすれば「MRブローチ」が入手できます。まあ、これもやるだけという感じですかね。未プレイのお友達とかにやらせてみるのも面白いのかもしれない。
あとは「ドラ」と戦うことが出来ます。裏ボス的な扱いで、こっちは慣れるまでは少し難しいかも。リトライはすぐにできるので、諦めずに挑戦しよう。初見殺しとしては、紫色のお札みたいな攻撃は、当たってしまうと呪い+魔力吸収なので必ず避けよう。ローリングでの回避はできなそうなので、ジャンプです。また、画面端にいると爆風に当たってしまうので気をつけよう。なお、シールドを張っておけば一度だけ無効化できます。そのあたりがわかれば、あとは自分のやりやすいパターンを詰めていくだけですね。勝利すれば「IDブローチ」が入手できます。
ゲーム内メニューで確認できる称号は、トロフィーと対応しています。ほとんどはコンプリート系なので、マップ等のアシスト機能に従って集めていけば大体埋まると思います。なお、達成率は111%が最大で、なんだか中途半端な感じ。そして日本人としては、そこは猫じゃないんかいとなってしまうよ。




残りは、新しいセーブスロットでのリプレイが必要です。エンディングが流れた段階で、新しいゲームモードが解放されています。ちなみに、ニューゲーム+とかはないみたいです。
「アレンジモード」は、エリアが左右反転し、敵配置が追加されたりしている遊び方です。あとは、モモくんの攻撃も若干変わっている気がする。まあ多少気分は変わるかなーという感じで、驚き満載という程ではありません。また、ストーリーや会話の内容も変わっていないと思います。難易度は少し上がるのかもしれないけど、概ね2周目をやるようなものですね。エンディングまで到達すれば「アレンジャー」の称号が獲得できます。
「ハードコアモード」は、一度死んだらセーブデータが削除されてしまう遊び方です。アレンジモードと同じタイミングで解放されていると思います。こういうゲームのお決まりのやつです。面白味という意味では正直あまりよくわからないのだけど、スリルとかそんな感じなのかなあ。エンディング到達で「ハードコア」の称号が獲得できるので、やりたい人はやろう。
なお、ゲームモードは難易度設定とは別になっていて、僕はライトでやってみたのだけど、それでも被ダメージが高めでした。あと、敵の追加配置はアレンジモードと変わらない気がします。それで、まあ当たらなければいいだけだからねーと調子に乗って突っ走っていたら「超巨大蜘蛛」ごときで死んでしまい、唖然としました。油断大敵ではあるのだけど「最後の祈り」の紋章ぐらいは装備しておくべきだったよ。そしてまた、最初からやり直しになるのはやっぱりなんだか釈然としない。自業自得なのかもしれないけれど、戒められているなあ。これはなかなか戒められている。ゲーマー道は険しいぜ。などと愚か者の話はさておき、集中してプレイすれば、そこまで苦行ではないと思います。いつもどおりやればいけるはず、無念無想の境地で挑みましょう。
というわけで、3.5周ぐらいしました。初見はコンプリートまでやって10時間程度。周回は覚えているうちにやれば、エンディングまで4~5時間程度といったところでしょうか。個人的はちょうどいいボリューム感でよかったです。




さいごに
ダークファンタジーな世界で女の子を動かして遊びたい方におすすめです。
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