新入社員のみなさんこんばんは!
いいこにしてるといいことある?ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。
はじめに
「救国のスネジンカ」は、銃を持った女の子たちががんばって働くステージクリア型サイドビューシューティングです。以前感想を書いた「溶鉄のマルフーシャ」の続編で、内容も前作のブラッシュアップ版といった感じの作品です。
ところで、本作は、個人制作であるという事実が末恐ろしいですね。ゲーム制作のハードルは下がってきているとはいえ、ある意味限られたアイデアやリソースから一つの作品を具現化し、世の中に出すことが出来るというのは並大抵のことではないでしょう。特定の個人クリエイターを礼賛する主旨ではないのだけど、こういうゲームで遊んだ日には、どこへ足を向けて寝ればいいのかわからなくなります。
そんなことは、ゲームで遊ぶ側の我々からしたら知ったことではないと思うかもしれませんが、こういったクリエイターの方々の存在があって初めて僕らのようなプレイヤーが存在できるのですよ。その逆はない。そのことを忘れてはいけないよ。さあ、復唱してごらん。「ありがとう、ゲーム制作者の皆様、私たちは素晴らしいゲームで遊べて幸せです」
それに、ゲーマーであれば誰しも、女の子が銃で戦うゲームを作りたい!と思ったことがあるでしょう。えっ、そんなことは一度も考えたことがない?それはいかんなあ。再教育が必要だ。お偉いさん方の目につかないうちに、本作のようなゲームで遊んでインスピレーションを高めてくれたまえ。我々ゲーマー帝国の命運は、君たちのがんばりにかかっているのだから。日々研鑽を怠らないように。Over.

どんなゲーム
やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。
グラフィックはドット絵です。このサイズはドット絵とは呼ばないだろうとおっしゃりたい古参の方々もおられるとは思いますが、まあそういう細かいことはいいでしょう。そんなことよりも、3Dオブジェクトにドット絵を貼り付けて作られたような一風変わったビジュアルには味があります。テクスチャにドット絵が使われるのは、技術的には全く新しいことではないと思うのだけど、本作などの場合はよりドット絵寄りの表現がされているのがおもしろい。公式では2.5Dと謳われていて、ほかの作品でもたまに見る手法だけど、個人的には可能性を感じます。
BGMは前作にも増してアゲアゲな感じになっている気がします。世界観的には暗めで荘厳な音楽などをあててしまいそうなところだけど、そうしないところにシューティングゲームっぽさがあってよかったです。
ゲームモードは、前作同様に「メインモード」と「チャレンジモード」の2種類があります。そのほか「コレクション」から、各キャラクターや武器の設定資料、回収したエンディングやイベントシーンの見返しなどのアーカイブが閲覧できます。
基本的な流れなど
ゲームフローについては前作とほぼ同じです。シューティングのシーンで得られた僅かな収入を使って、カードを購入しキャラクターを強化しながらゲームを進めていきます。ステージをクリアするたび日数が経過し、一定のタイミングでイベントや社員寮のシーンが挟まります。このあたりの流れも同様です。なので、主に追加および変更点をピックアップして書いておこうと思います。
メインモードはデフォルトのノーマルに加えて、ハードとイージーの難易度が選べます。両者とも何度か遊んでいるといつの間にか追加されています。ハードはちゃんと難しいけれど、特典が得られるわけでもないと思うので、リプレイ性にはあまり貢献していない気がします。また、初回クリア以降は、到達したエンディングに応じて、スネジンカくんの性能を変更することができるようになります。チャレンジモードの各キャラクターと同じパッシブが選べる感じです。こちらは、ほかのエンディングを埋める際は、多少気分が変わるのでよかったかなあ。
テンポの良さは健在で、メインモードは1時間弱あればゲームクリアできてしまいます。とはいうものの、クリアまでの時間もあっという間に感じられるので、体験の質としては高いのだと思います。ずっと銃を撃っているゲームだったら途中でだるくなってしまうかもしれないけれど、複数のシーンを短期間で区切ってプレイすることで、いろいろやった気分になれて時間あたりの満足度が向上するのだと思う。この辺は相変わらず上手だなあと思います。




防衛のシーンなど
画面左側の防衛対象を、右側から攻めてくる敵集団を撃破しながら守ります。ダメージを受けて防衛対象のゲージがなくなってしまうとゲームオーバーです。
操作キャラクターの移動は左右のみ。スティックで狙いをつけて、弾を撃とう。つい、引き撃ちしてしまうけれど、最終盤以外は操作キャラクターに当たり判定はないので、敵を通り越して後ろ向きに撃つこともできます。ただ、弾は銃口から出るので、キャラクターの位置からは少し離れている点には注意しよう。バレルの長い銃を使っている場合は、張り付きすぎても当たらないぞ。
弾は無限ですが、装備している銃ごとに装弾数があり、リロード中は弾が撃てません。リロード速度は、キャラクターステータスや銃の種類によって結構変わります。リロード中は、メーターみたいのを出してくれてもよかったかなーと思いました。
「構え」というアクションが追加されました。構えていないと移動速度が上がり、構えると集弾性が上がります。なので、基本的に撃つときは構えがセットになるような気がします。いわゆる腰撃ちは、連射力の高い銃で弾をばら撒いたり、ショットガンをワイドショット的に使ったりなど、アバウトに攻撃したいときに使い道があるのかもしれません。
青ガジェットは、クールタイム制になりました。一度取得すれば、使ってもなくなりません。それはそうと、使用ボタンは初期配置がちょっと良くないです。狙う必要のないものはいいけど、スティックを離すと照準が水平に戻るので、例えばロケットランチャーなどはうまく当てるのが難しい。メインメニューの「設定」から、ボタン配置をLRに変更できます。
緑ガジェットは使い切りですが、バリケードやタレットなどの置物は日を跨いでも残ります。購入時に枠は上書きされてしまうので、置けるやつはすぐに置いて枠をあけておいたほうがいいような気がします。また、ドローンなどのガジェット枠ではない置物も増えました。これらも弾を打ち切るまでは残るので、手数を増やすという意味では有効なのかもしれません。
メインモードの試用期間の終わる30日目には、ルート分岐があります。ステージ構成もお話の流れも変わります。北部ルートはトゥルーエンドで、東部ルートは仲間エンドという感じです。なお、北部ルートを出現させるためには、評価結果で正社員の判定をもらう必要があるようです。正社員の条件はおそらく完全防衛成功日数が30日であること。なので、防衛対象へのダメージを抑えて進められればいいだけです。ちなみに、今作ではステージが切り替わっても防衛対象の防御力がゼロに戻ることはなくなりました。
各ステージは、列車での高速スクロール面、戦車跨乗など、細かな演出のバリエーションが増えて楽しい感じになっています。やることはあまり変わらないのだけど、単調さはだいぶ軽減されますね。そして、トゥルールートのラスボスは、そんな気はしていたけど、これはもう王たちの化身ですね。前作からのファンにとってはアツい演出になっていたと思います。








カード購入のシーンなど
防衛のシーンで1日生き残るたび、給与が支給され、お金を使ってカードを購入し、キャラクターの強化ができます。強化の内容は主に、ステータスアップ、武器やガジェットの購入、あとは仲間キャラクターの追加など。
カードはランダムで選ばれた3枚のうちから、1枚だけ購入できます。カードの種類もかなり増えました。そのためなのか、リロールはお金2に減額されています。あと、ちょっと思ったのは、引き直しと購入しないボタンは、LRボタンに対応してくれてもいいのかもしれない。
通常のカード購入とは別に、ボーナスカードというイベントが発生するようになりました。ローリスクローリターンとハイリスクハイリターンの択だけど、僕はハイリターンばかり選んでいました。そんなにハイリスクかなあと思ってしまう。確かにお金没収とかを引いてしまうと多少キツイけど、トータルで考えればリターンのほうがだいぶ大きいと思います。
キャラクターのステータスは6つのままですが、内容がちょっと変わりました。「弾丸速度」や「集弾性能」がなくなって「プッシュバックパワー」や「青ガジェットクールタイム」が増えています。とはいえ、火力に直結する「攻撃力」や「連射力」の優先度は依然として高めな気がします。また、成長限界というシステムが導入され、例えばキャラクターステータスであれば、数値の色がグレーになる15を超えた分については効果が減衰していくようです。見方を変えれば、カンストがなくなったとも言えます。ちなみに、ほかのアップグレードの成長限界ついては、防御レベルは5、仲間レベルは3です。このあたりは、ステータスと同じようにゲージやランプを表示したりして見た目でもわかるようにしてくれたほうがいいと思います。また、武器耐久力についても同じようなことを思います。
メインウェポンである銃の数も倍以上に増えている気がします。カテゴリとしては変わっていないと思うけど、上級の分類のほかに更にAやBなどの区分が付くようになりました。それぞれの銃の正式名称やカタログスペックは、ギャラリーモードで確認することができます。なお、重ね取りによる武器耐久力の回復は、名称が完全一致していないとダメです。カテゴリが同じでも区分が違えば上書きされてしまいます。絵を見て判断しよう。ただ、判別が難しいもの(上級機関銃など)もあるので、下の絵の横にAとかBを出してくれてもいいのかもしれません。
武器耐久力が1の状態で、次の日をクリアすると、装備していた銃はなくなり、ハンドガンになります。ハンドガンもA/B/Cの選択肢が増えたけれど、得意な武器の耐久力を維持し続けるというセオリーは変わっていないと思います。ただ、耐久力3からアラート音が鳴り始めるのは罠に近いですね。あと3日で3枚が3回引ける、リロールに必要なお金は2、残り3日で得られるお金は幾らなのかを計算しながらカードを選択しよう。
チャンスカードの効果の種類も増えました。チャレンジという種別も登場し、次の日で指定の条件を満たせば、報酬が得られます。何が出るかはランダムではあるのだけど、リスクリターンで考えれば、割とお得な気がします。引いてしまうと痛いものも、せいぜい「あんしん武器交換サービス」や「職場環境改善費」ぐらいで、何よりタダだからね。ところで、ボーナスカードもそうなのだけど、カードが抽選されたあとには妙に長いウェイトがあるのがちょっと気になるところ。ボタンを押したら次に進んでほしいなあと思います。
仲間のカードは、エンディング分岐にも関わるので、狙いの子を引けるように祈ったりリロールしたりしよう。社員寮では20日目から仲間のイベントが発生し、雇用に必要なお金は一般兵は10、上級兵は20です。それはそうと、仲間キャラクターは全員新規なのだけど、今作はカードイラストの髪色が同系色だったり、ポーズが似ているキャラクターが何人かいて、僕はよくレベルを上げようとして間違えて上書きしてしまっていました。スネちゃま、それは違う人ざます!まあ、自分の仲間の兵装ぐらい覚えておけよという感じなのかもしれないけれど…。仲間が入れ替えになる場合は、確認ダイアログみたいなのを出してくれた方がありがたいかもしれない。あるいは、装備中の項目を参照して、カードそのものに仲間レベルアップとか、耐久力+などのマークを表示してもらうとか。








社員寮のシーンなど
社員寮のシーンでは、各施設を利用して任意のステータスアップなどが行えます。利用できる施設は毎回1つのみなので、現在のステータスを参照してどれを使うか考えよう。あとは、仲間を雇用している場合は、相部屋になっていて、固有のセリフが聞けたり、ちょっとした会話イベントが発生したりします。一通り確認したら、ベッドで寝ることで次の日に進みます。
室内ではキャラクターの移動速度が上がったような気がします。あとは、ステータスの値が常に表示されるようになったり、このあたりの細かい改善はありがたい。施設はステータスアップのほか、副業でお金を得たりといった選択肢が増えました。チャレンジモードなどでは特に、副業を選ぶのが丸い気がします。
寮でのキャラクター同士の会話はゆるい感じで、ディストピア的なストーリーとの対比が際立ちます。今作においても、セリフやモーションは各キャラクターごとに細かくパターンが作られていて、こだわり具合もパワーアップしているように感じました。








その他
ストーリーなど
作りたいゲーム作ってるなーという感じでよかったです。そして今作も基本的に救いはありませんね。言うならば、バッドエンドしかないということは、バッドエンドは存在しないのと同じことだよ。ちなみに、エンディングは8パターンあります。今作は埋めてみました。ストーリーシーンは紙芝居で、ボイスなどもついていないので、ボタンポンポンでテンポよく読めるのもよいです。
それぞれのお友達キャラクターは、理不尽や不条理によるトラウマだったり、辛い過去の経験を引きずったりしています。主人公のスネジンカくんと一緒に行動することで、偏りが矯正されていき、自身の出来事に冷静に向き合うことができそうになってきた矢先、窮地に立たされることとなり、同じ過ちは繰り返すまいとばかりに起こる感情の発露。といった展開をごく短時間のうちに目にすることになります。この流れをすごく乱暴に要約するなら、上げて落とす、となるのかな。
この作品のキャラクターという視点でいえば、お前さんとは30分前に初めましてしたばかりなのにという気持ちになってしまうかもしれないけど、僕らは目に見えるものだけ見ているわけではないんだ。いわば、彼女たちの振る舞いを通して僕らの記憶のトリガーが引かれた結果、何が出力されるかのほうが重要なのだ。というわけで、この類のお話は、それなりの感受性を培っていないと楽しめないのかもしれない。僕にはまだちょっと早いのかもしれないなあ。なお、本編のセリフでは語られていなかった部分は「コレクション」から「キャラクター」の2ページ目に書いてあります。
総じて、ストーリーではあえて全ては見せず、代わりにキャラクターや世界観の設定がたくさんありそう、といったつくりです。断片的な情報を組み合わせて想像したり考察したりするのが好きなプレイヤーには刺さるんじゃないかな。
なお、条件を満たすと「回想」から見ることができる「Epilogue」は、前作をプレイしていないとちょっとよくわからないかもしれないけど、これまた意味深ですね。第3部が制作されるなら応援しています。








エンドコンテンツなど
トロコンはとても簡単です。ほとんどのトロフィーは何度か遊んでいるうちに自然に埋まるでしょう。
メインメニューの「コレクション」「武器」から「射撃場」に入ることができます。好きな銃を持って、台の前に立ち、ボタンを押すとタイムアタックが始まります。デフォルトの成績トップである9.0秒を切ることができればトロフィーが獲得できます。ちなみに、その後のハイスコアもエクトルくんによって7秒台に更新されます。ついでなので、クソミジンコの実力をわからせてやろう。
あとは、チャレンジモードですね。防衛失敗までの日数を競う、エンドレスな遊び方です。また、今作では「門防衛」と「エネルギー施設防衛」という2種類のステージが選べるようになりました。
門防衛は前作と同じ、シンプルなステージです。お金は毎日4ずつしかもらえないので、大きめの出費である仲間の雇用や、武器の入れ替え、リロールに使う額を少しずつ貯めていこう。ステータスアップ系のカードは、お金に対しての上がり幅は変わらないので、お金2で刻んでいくほうがいいのだと思う。資金に余裕があればまとめて上げてしまったほうがいいのだろうけど、そんなことをしていて武器が買えなくなってしまったりしたら本末転倒だからね。
エネルギー施設防衛は、防衛対象の前にコンテナが積まれるステージです。コンテナは、敵からのダメージを一定量防ぎ、破壊された際には、お金や何らかのカードの効果を得ることができます。お金は毎日3しかもらえないけれど、コンテナから得られる分があるので、上手く回れば結構余裕ができます。コンテナ追加のカードは優先的に取ろう。ただし、コンテナを積めるのは3列までな点には注意しよう。
プレイアブルキャラクターは8種類。それぞれ、基礎ステータスや、得意武器や追加ルールなどのパッシブスキルで差別化されており、個々のロールを活かした戦略を考えるという面白さがあります。なお、今作では、キャラクターパッシブによって得意武器の補正が大幅にかかるので、それ以外の武器は基本的にはあまり使い物にならなくなった印象です。出たものでなんとかするというよりは、あらかじめ必要なものを見極めて取りに行くという方向での調整な気がします。
一通り触った感じ、どのキャラクターでも、100日くらいはいけそうですね。なんだかんだで、横並びに近いバランスになっていると思います。100日を超えるぐらいから敵の侵攻が目に見えて激しくなるので、あとは引きで頑張る感じになりそうです。一人では捌き切れなくなってくるのでガジェットでバリケードやタレット、ドローンなどを置きまくって耐え忍ぼう。あとは、カードの種類も増えたので、任意の枠をキープしておける仕組みがあっても面白いかもなーと思いました。




さいごに
かわいそうかわいい女の子が好きな方におすすめです。
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