博麗の巫女のみなさんこんばんは!
【音に合わせてボタンを押す程度の能力】を持つゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。
はじめに
「東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト」は、東方シリーズの二次創作音ゲーです。収録楽曲は東方のアレンジ・カバー曲と原曲のみで構成されています。
東方ねえ、まさかこんなにメジャーな存在になるとは思っていませんでした。草創期にはいくつかの作品を勧められて触れてはみたものの、あまりいい思い出はなく、なんとなくずっと食わず嫌いをしていたよ。しかしながら、本作のジャンルは音ゲー。となれば、これはやらなければなるまい。
というわけで、今年は音ゲーをがんばろうのコーナー2作目です。もう今年の三分の一は終わっているよ、という不都合な現実は置いておいて、遊んでいて思うのは、やっぱり難易度と面白さのバランスのことです。言うまでもなく音ゲーとはプレイスキル偏重のゲームです。人間のプレイヤーは、コンピュータのオートプレイには絶対に勝てず、このあたりは一昔前はいい勝負をしていたチェスや囲碁などとは性質が違う部分です。それはゲームの種類が違うから当たり前か。とにかく、シンプルなアクションゲームというものは、だいたい難易度がインフレしていく傾向がありますね。本作でも、理論上は可能なのだろうけど、今の僕には全然できる気がしない曲(譜面)がたくさんあります。個人的には、まだ真面目に取り組み始めたばかりだし、挑戦しがいのある目標が見えているという状況はモチベーションにはなっているのだけど、これがやっていればできるようになるか、そして面白いのかというのを自分で確かめたいという思いもあります。
それと同時に、多くの人間プレイヤーは、どのくらいのレベルが楽しいのか、あるいは丁度いいのかということも考えます。なんだかピークを持ってくる場所に、制作側との乖離を感じるんだよね。僕の肌感覚だと、プレイヤー側がついていけていない気がする。アケシューのように一部の人たちしか理解できないものになってしまうのはもったいないよなー。天井はいくら上がってもいいのだけど、まずはプレイヤーレベルの底上げが課題な気がしています。とはいえ、安易なオートプレイの実装はジャンルの寿命を縮める危険性があるし、TAS動画も同様。プレイヤーを導くのはプレイヤーでなくてはならない。なんにせよ、遊ぶ人が増えないと作る側も元気がなくなったり狂ったりしてしまうという事実は歴史が証明しているんだよなあ。だからみんなもっとやろうぜ音ゲー。

どんなゲーム
やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。
UI周りは音ゲーっぽく、ピカピカしています。レスポンスもそこそこで、機能的にも大きな不便はありません。オプションも充実しているのでゲームを始める前にチェックしておくとよいです。
ヘルプメニューも充実しています。ただ、ページ送りで引っかかるような挙動は怖いです。ペラペラめくれるようにしてくれい。
楽曲の数は、本編のみで68曲、DLCを含めると今のところ218曲で、ものすごく多いです。さらに、楽曲はDLC等で今後も追加されていくみたいです。楽曲のクオリティは多少ムラがあり、あとは色物というかクセの強い曲が多めな気がします。まあでも、音ゲーのノリってこんな感じなのかもしれない。数にして大半を占めるアレンジ曲は、限られた原曲を元にして作られたとは思えないほどバラエティに富んでいて、インストもボーカルもあり、東方ファンでなくてもお気に入りの曲が見つけられるんじゃないかな。
ゲームモードは、ストーリーモードとフリーモードの2つがあります。フリーモードで遊べる楽曲を増やすためには、ストーリーモードのステージをクリアして解放するか、リズムゲームのステージ報酬として入手できる「ユメのしずく」というポイントを使用して解放する必要があります。ユメのしずくでの解放は割が合わなそうだし、キャラクター強化など他の用途もあるので、まずはストーリーモードを進めて楽曲を解放するという遊び方が想定されているのだと思います。


ストーリーモード
物語はテキストアドベンチャーで、ビジュアルノベル形式で進行します。なお、ボイスはついていません。動くイラストのキャラクターがたくさん出てくるけど、僕は詳しくないので、コイツらが何者で何を言っているのか全然わからん……となります。このあたりは東方シリーズのファン向けのつくりなのだと思います。
内容は音ゲーあるあるのしょうもない感じ。主人公の巫女さんが、思考が偏った人々を強引に改心させて地域の復興をしながら、自身の記憶を取り戻していくというのが基本的な流れです。ひいては、全体を通したテーマとしてメタフィクション的な演出を狙っているのかもしれないけど、僕はスマホ版を触ったことがないし何の思い入れもないので、釈然としない。こういうのはなくてもいいどころか、減点要素にすらなり得るのがこわいところ。そもそもとして、音ゲーとストーリーを両立させるハードルは相当高そうだなと思います。
ゲーム部分は、ステージ制です。複数のステージで構成されるスポットと呼ばれる塊があり、進める順番はある程度自由です。ステージには赤色のメインと、青色のサブがあり、メインのステージをクリアしていくと、次のエピソードが解放されていきます。スポット内のすべてのエピソードを再生すると、スポットクリアとなり、次のスポットが解放されます。
スポット内のマップはすごろく状になっていますが、なんだか操作しづらいのでリスト表示を使おう。ステージには「カグラステージ」と「ダンマクステージ」の2種類があります。また、各ステージには、ステージクリア報酬、指定の条件を達成すると獲得できるミッションクリア報酬、ダンマクステージでアイテムを拾うと獲得できるドロップ報酬の最大3種類が設定されています。報酬の内容は「ミタマカード」と呼ばれるいわゆる装備品です。




カグラステージ
曲に合わせて上部から降ってくるノーツを、判定線でタイミングよく叩くという普通の音ゲーっぽいステージです。画面レイアウトは通常とタッチの2種類があります。個人的にはタッチのほうが奥行きがあって見やすいかなーと思っています。ステージのクリア条件は、曲の終了時に「グルーヴゲージ」が一定以上溜まっていること。グルーヴゲージはノーツを叩くと溜まっていき、逃すと減っていきます。なお、ゲージがゼロになってもプレイが打ち切られたりはしません。
譜面の難易度はEASY/NORMAL/HARD/LUNATICの4段階です。すべての楽曲に4つの難易度が用意されています。大枠の違いとしては、NORMALまでは4レーン、HARDからは6レーンとなっています。体感的にはHARDから急に難しくなります。ボタンが増えるのもそうだけど、ノーツの数も結構増えます。最高難度のLUNATICはマジでルナティックで、曲のレベルによってはクリアすらできません。2,3分の尺で1000ノーツ超えとかがざらにある感じ。思いの外、ガチ勢向けのつくりなのかもしれません。
判定の種類はPERFECT/BRILLIANT/GREAT/BAD/MISSがあります。GREAT以上であればコンボが繋がります。BRILLIANTの判定は割と甘めで、リズムが分かっていれば大体は取れてしまう感じ。PERFECTの判定はデフォルトでは隠されていますが、設定で「高精度判定表示」をオンにすることで可視化することもできます。クリア時の評価は「FULL COMBO」「ALL BRILLIANT」のほか「FRAME PERFECT」があり、FAST/SLOWがゼロだとクリア時に特別な演出があります。これらはコンボ数表示の色を見ることで、プレイ中でも判別ができます。
ノーツは通常とロングの2種類があります。ロングは始めと終わりに判定があり、途中で離すとミス扱いでコンボが切れます。終点は押しっぱなしでも問題ないみたいです。なお、設定からノーツスキンの変更ができます。
ノーツが流れるスピードは設定で変更できます。BPM基準で個別に細かい調整もできそうな感じですが「オート」で指定すれば、どの曲でも同じぐらいの速度にしてくれるのでおすすめです。僕は今のところ800〜900ぐらいがちょうどいいかなあと思っています。なお、途中でBPMが変わる曲においては、最大BPMを基準に設定されるようです。
スコアの要素もありますが、ストーリーモードにおいては、装備しているミタマカードのステータスや属性相性によってノーツを叩いたときの点数が変動します。そのため、ミッションクリア報酬の条件がスコアなどのステージは、強いカードを使用したり譜面の難易度を上げたりしないと、プレイングでパーフェクトをとったとしても達成不可能なケースがあります。
あとは、ダンマクステージでも同様ですが、ノーツの判定時間の増減、霧や地震などのお邪魔ギミックもステージごとに設定されています。これらは、ミタマカードのスキルで緩和することもできます。そんな感じで、ストーリーモードには成長要素があるのですが、これがただただだるい。プレイスキル至上になりがちなリズムゲームの攻略の幅を増やす方向性ではあるものの、いまいち洗練されていないせいで、ただの時間稼ぎになってしまっている印象です。極端な話、現状ではストーリーモードをすべて取り去ってしまったとしても本作の面白さは変わらないと思います。




ダンマクステージ
音ゲーと縦シューを融合したようなステージです。両者のゲームシステムは結構似ている気がするし、試みとしては面白いと思います。東方シリーズ原作もシューティングだし、考案の理由としても自然ですね。ダンマクステージは、ストーリーモードのみで遊べます。
操作感としては、音ゲーと縦シューを同時並行で進める感じです。曲に合わせてノーツが降ってくる「ノーツレーン」は左右にレイアウトされています。レーンの数は同じ曲でもステージごとに2レーンと4レーンがあり、この違いが難易度に相当するのだと思います。
中央の「シューティングレーン」では、ヒロインで設定した自機を操作し、弾を避けたりアイテムを取得したりしながら、ボスの撃破を目指します。自機が敵弾に当たると生命力が減っていき、生命力がゼロになると残機を消費して復活します。残機ゼロの状態で生命力がなくなるとゲームオーバーです。
ボスは様々な弾幕で攻撃してきます。自機の移動は左右のみのインベーダー式なので、すべての弾を避け切るのは無理そうに思えますが、ステージ随所に配置されている「アクセルタイル」に触れると無敵状態になり矢印方向に高速で移動します。また、上部から降ってくるユメのしずくが導線になっており、つまるところ、それらをなぞるように移動していれば敵弾にはほぼ当たりません。ユメのしずくとアクセルタイルの配置は曲ごとに固定で、かつリズムを取っているようなので、これも音ゲーの範疇と見なしたほうがよさそうです。なので、弾避けなどの一般的なシューティングのテクニックは不要です。画面が弾だらけでよくわからない感じになったらボムを使ってリセットしよう。
ボスは体力ゲージを持ち、削り切ると攻撃してこなくなります。撃破状態になっても画面上からはいなくならず、撃ち込み点は稼げますが、曲を最後まで演奏するまでステージは終わりません。なお、ボスを撃破していなくても楽曲を完走すればステージクリア扱いとなります。
ザコ敵などを倒すとショットパワーアップやスコアアップなどのドロップアイテムが出現します。また、各ステージ限定のミタマカードは、ドロップするかは運だと思うので、見かけたら優先して拾っておこう。また、前述の通り、ボス撃破やミッションクリア報酬の条件達成には、成長要素が大きく絡んでくるので、なるべく強いカードを装備しよう。
というわけで、ざっくりまとめてしまうと、味変としては機能していると思うけれど、やり込みたいと思えるほどではなく、惜しい出来です。なんというか、凝ったおまけの域を出ていないという印象だなあ。




成長要素など
編成メニューでは「ヒロイン」と「ミタマカード」の切り替えが行えます。それぞれ、生命力+残機、ボム数、ショット威力のステータスが設定されており、合算した値がストーリーモードで参照されます。
ヒロインは全20種類以上。ダンマクステージでは自機になります。選択するヒロインによってメインショットの性質が変わるほか、固有のスキルを持っています。また、サブヒロインを設定することで、オプションショットの性質を変更できます。
ミタマカードは全300種類以上。ミタマカードはそれぞれがレベルを持ち、ユメのしずくを投入することでレベルアップして強くなります。ただ、レベルアップにはボタンを長押ししてゲージが溜まるのを待つ必要があり、更には1レベルずつしか上がらないので、猛烈にだるいです。値を指定して投入できるか、せめて全部使うボタンが欲しいです。なお、レベルの最大値は100です。
また、ミタマカードにもそれぞれ固有のスキルとステータスが設定されています。とはいえ、数が多すぎて、攻略の上では満遍なく育てていると非効率なので、適当なところで妥協しよう。それはそうと、すべてのカードに気合の入ったイラストが付いているのはすごいですね。好きな方はギャラリーモードでじっくり眺めることができます。
あとは、ゲーム内実績を達成することで、経験値入手量などに永続的なボーナスが掛かります。実績の条件はPSNのトロフィー機能と連動しています。




フリーモード
解放した楽曲のカグラステージが自由に遊べるモードです。音ゲーとしてはこれがメインコンテンツでしょう。ストーリーモードとの大きな違いは、ヒロインやミタマカードなどのステータスやスキル効果がプレイに影響しないことです。要するに純粋な音ゲーで遊べるモードです。
選曲画面では、ソートやフィルタなどの基本的な機能は用意されています。しいて言えば、フィルタは抽出結果の件数表示と項目のナンバリングをしてほしい。他には、フォルダ分けされた階層構造の探し方もできるけれど、DLC以外の本編収録曲がどこにも入っていなかったりなど中途半端な感じはあります。
楽曲名の横に表示されるマークは、難易度ごとのクリア状況を表しています。マークの色は、未クリアまたは「STAGE CLEAR」「FULL COMBO」「ALL BRILLIANT」「FRAME PERFECT」の5段階をそれぞれ示しています。これらのクリア状況はフィルタでの絞り込み条件にも使用できます。
スコアランクの最高評価はSSです。ストーリーモードとは違い、スコアに複雑な計算はありません。BRILLIANT判定以上で一万点というシンプルな感じ。
ギャラリーメニューの「プレイレコード」から、成績表が確認できます。総合カグラレートは、楽曲レベルxタップ精度のトータルで算出される値です。難易度別には加算せず、おそらく曲ごとに一番高い数値が採用されるのだと思います。なので、たとえクリアできなくても高難易度でプレイするほうが高くなりやすい傾向があります。まあ、この値はどこにも使われないと思うので、せいぜいわかりやすく自慢できる程度のものなのかな。
あとは、難易度ごとのクリア状況のサマリーが確認できます。こういうのを出されると埋めたくなるよね。ただ、件数表示だけではちょっとさみしいので、パーセントで出したり、グラフ化したりすればいいのになあ、とは思います。
それと、現行のある程度完成されたシステムを批判する意図はないのだけど、突き詰めていくと1ミスでやる気がなくなってしまうみたいな部分については改善の余地がありそうな気がしています。これは音ゲー全般に言える話だと思います。例えば、プレイを跨いだ累積パーフェクトの指標を用意するとか、ステージを更に分割してそれぞれの区画で評価がされるのであれば、捨てゲーが減るかもしれない。本作でも、リザルト画面の表示を切り替えると、タップ精度のグラフが出たりするので、こういうのを発展させたらいいんじゃないかとか。
他のアイデアとしては、競争があり、ユーザーごとのランキングを取って、一つ上あたりの順位のリプレイデータと対戦形式でプレイできたら面白そうなのにな、とか。せっかく、アバター(ヒロイン)の設定ができたりするわけだし。ゲージも左右から押し合う形にしたらいい。いずれにしろ、やり込むほど0:100になりがちな心理があると思うので、ゲーム側からもモチベーションのフォローがあればプレイ人口ももっと増えるんじゃないかなあ。




その他
エンドコンテンツなど
ストーリーモードのクリアまでは、一通りやって10時間程度でした。エンドロールにはパトロンのクレジットが大量です。
楽曲もすべて解放できたので、あとはフリーモードをひたすらがんばるだけですね。まずは、今年は音ゲーがんばるドン2作目ということで、多少は上達していることを期待して、HARDを一回りプレイしてみました。結果は散々で、かろうじてクリア判定が取れる程度。「STNC」に至ってはクリアすらできませんでした。うーん、まだまだですね。精進します。
最後に、トロフィーをいくつかピックアップして終わりにします。なお、すべてのトロフィーはストーリーモードで獲得できます。




「カグラ上級者」
カグラステージを300回クリアするやつです。フリーモードでもカウントされます。
「あんたやるわね」
「Re:Unknown X」のHARD譜面をクリアするやつです。ストーリーモードでも可なので、判定を緩和するミタマカードを使おう。クリアするだけならそこまで難しくないです。
「いつもの顔ぶれ」
ヒロインを19人仲間にするやつです。全員集めなくても実績は取れます。僕は、ステージ「DANMAKU17:命蓮寺05」のミッション報酬がどうしても取れませんでした。
「ミタマカード完全蒐集」
ミタマカードを全部集めるやつです。ショップに通えば、ユメのしずくでほとんどが解決可能なので買い占めよう。
あとは、ダンマクステージのドロップ報酬が残りがちだと思います。ドロップ率アップのスキルを付ければすぐに出ます。ミッション報酬のスコアアイテムを1000個集めるやつは、ボムを使ってボスの弾幕を変換しよう。
それでも埋まらない場合は、他の実績の達成報酬が取れていないかもしれません。例えば、No.141は実績「ダンマク上級者」の報酬の「羽根つきスマッシュ!」です。なので、やることとしてはダンマクステージ100回クリアが残りがちなんじゃないかなーと思います。
追記その1
アップデートで1曲増えました。リリース後も更新ができる最近の仕組みは、音ゲーとは特に相性がいい気がします。
僕の成績はというと、ぼちぼちやっていて、NORMALが概ね埋まりました。ALL BRILLIANTが取れていないのは「STNC」と「偶像に世界を委ねて(marasy piano ver.)」の2曲です。通算なら取れているはずなので、あとは試行回数なのかもしれないけれど、どうしてもどこかでちょっとズレてしまうんだよね。この壁はしんどいなー。この先もこういうのがいくつもあるんだろうなー。
ワンミスでひたすらリトライを繰り返すのは非常につまらないし、楽々いけるぐらいの実力をつけてからやり直すほうがいいのかもしれない。なんとかいけるぐらいの腕でたまたま出来てしまっても再現性がなくてあまり嬉しくない気もするし。
というわけで、練習します。さらばじゃー。

さいごに
東方の楽曲で音ゲーを遊びたい方におすすめです。
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