ゲームの感想:ANNO:Mutationem(アノー:ミューテーショネム)

PS4

サイバーパンクなみなさん晚上好!

アザラシカンフーミューティレーション、ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。

azarashiX
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アイコンはどう見えても犬だがazarashiX。略してX。
ゲームは思い出づくりと語るおじいちゃん。気圧の変化に弱い。
クリエイターのこだわりが感じられる作品が好き。
基本的に文句が多いが、本人は楽しんでいるらしい。

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はじめに

「ANNO:Mutationem(アノー:ミューテーショネム)」は、近未来的な世界観のもと、謎の女の子アンくんを操作して街を散策したり探検したりするゲームです。ジャンルはよくわからないけど、アクションアドベンチャーみたいな感じでしょうか。遊んでいてぼんやりイメージしたのは、グラビティデイズ2とか、デトロイトとか、バイオハザード6とか、ニーアオートマタなどです。とりとめがなさすぎますね。

ゲーム体験としては正直、あんまり面白くなかったのですが、クリエイターの熱意を感じる作品でした。ゲームって一期一会ですよね。今まで遊んできた作品とか、一緒に遊んだ人とか、場所とか時間とか、もっと言えばその日の気分とか体調によっても感じ方は変わる気がする…ということをよく思います。僕の場合は、複数の作品を並列で遊んだり、同じ作品をまた遊び直したりということは滅多にしないので、なおさらかもしれません。記憶を消して(なんなら消さなくても)もう一度遊んだら、全く別の感想を抱いていると思います。

さっそく脱線してしまいましたが、僕の気分には合わなかっただけで、刺さるプレイヤーには刺さるといった趣向の作品だと思いました。制作陣のポテンシャルはすごいと思うので、新しいタイトルも作り続けてほしいですね。

どんなゲーム

ひとまず、雰囲気動画を置いておきます。

ゲームの進行については、シナリオはメインクエスト一本道で、サブクエストや探索要素が寄り道になっている感じです。シナリオの分岐は本当に最後の場面しかなさそうです。サブクエストも放置してましたが、クリア後に回収できましたし、時限イベントみたいのもなさそうでした。

シナリオ上のカットシーンは結構あるし、テキストも読まなくてもいいものまで含めれば膨大にあります。ローカライズはかなり気合が入っているように思います。たまに変だけど、基本的には違和感はないし、言葉遣いとかもそれっぽいです。部分ボイスですが、日本語吹き替えにも対応しています。チャイニーズにリップシンクというか尺が限られているのか、早回しみたいになることもよくありますが、何を言っているかはわかります。

カメラアングルはサイドビュー固定で、探索パート(3D操作)とアクションパート(2D操作)がシーンごとに切り替わります。

探索について、やることは、モブの会話を聞いたり、ゴミ拾いをしたり、取引(ショップ)をしたりです。あとはインタラクトで読めるテキストがたくさん用意されています。調べられるオブジェクトは、スキャンというコマンドで一定時間ハイライトされるようになります。つまり、一定間隔でL2を押し続けるゲームになります。

サブクエストは、おつかいと簡単な謎解きみたいな感じです。お話はメインクエストとは全然関係ないので本当にサブですが、後述のレベルに相当するポイントが手に入ったりするので戦闘を楽に進めたい人はすぐやってもいいかもしれません。

あとは、サブ扱いになっていないイベントもあります。バーのミニゲームとか、闘技場とか、釣りとか、PONGとかです。この辺は様式美なんでしょうかね。

ほかには、みんな大好き宝探しもあります。ネコだるまと、ポスター蒐集です。あまり意地悪な配置はなかった気がしますが、だいたい行き止まりとかに置いてあるので、隅々までチェックしてねという設計者からのメッセージを感じます。

戦闘について、やれることは、コンボ、タメ、ガード、無敵回避、カウンターなどいろいろあります。コマンド技もあります。二段ジャンプや、空中ダッシュ、壁移動も進行で増えます。ゲージを溜めて一定時間無双モードみたいのもあります。それっぽいのはだいたいある感じです。受け身はないので、乱戦とか多段攻撃などが死因になります。当たらないように攻撃するゲームだと思います。

戦闘中に使用できるアイテムもあります。スライダー式で、回復注射やグレネード、一定時間バフなどの種類があります。消費アイテムは店売りや宝箱からの入手のほか、素材を組み合わせてクラフトすることもできます。

ボスや強敵はアーマー値みたいのを持っていて、青いゲージがある間はあまりダメージが入りません。青いゲージは、アーマー用の攻撃力でダメージを与えることができて、削り切るとダウン+致命攻撃みたいのが出せます。

成長要素としては、2種類のスキルポイントを任意で振り分けて、アクションの習得(青)や、ステータスの強化(赤)が可能です。青のポイントは敵を倒したり、イベントなどで獲得します。武器種に紐付いているものと、共通アクションのものがあります。ツリー形式で好きなやつをとっていく感じです。赤のポイントは、ボスを倒したり、サブクエストの達成などで獲得します。レベルの概念はありませんが、それに近い感じです。これも任意で取得できますが、段階が上がるごとに要求数もかなり増えるので、結局はまんべんなくとるのがいい気がします。一応、イベントをくまなくやれば全部最大値にできます。

武器は近接軽量、近接重量、遠距離の3種類が同時に装備できます。軽量は刀か双剣(ビームナギナタ)でモーションが変わります。重量はたぶん大剣だけです。それぞれ3、4種類ぐらいあって、店で買うか合成で作ります。とりあえず強いのを装備していくだけだと思います。遠距離は、ピストル、ミサイル、ビーム砲など。ゲーム進行で手に入ります。使用には専用の弾を消費します。

また、武器はチップという装備に装備する(いわゆる珠みたいな)やつで、任意のステータスを補正できます。つけ外し可能です。チップは素材を使用して強化と変質ができます。強化は同じものをまとめてよりランクの高いものに変換する、変質は同ランクの違うものに変換する(ランダム?)みたいな感じです。あとは、ステータス補正との選択になりますが、属性値の付与ができます。特定の敵に有効みたいなやつです。

サウンドは普通です。BGMも全く耳に残らなかったけど、なにかは鳴っていたという感じ。主張しないというのは、違和感があるよりはよっぽどマシだと思います。

環境にも依ると思いますが、ロードちょっと長め、アプリケーションエラーの強制終了が一回ありました。あとは、フレームレートが安定しない気がするというのもたまに感じましたが、ゲームプレイに支障があるほどではありませんでした。

よかったところ

2Dと3Dを融合したグラフィックと、こだわりを感じる世界観

格ゲーみたいなキャラクターグラフィックとか、ドット絵を貼りまくって作られたような3Dマップはよくできていると思います。モブも含めてキャラクターは特徴的に描かれているし、街や部屋のごちゃごちゃした作り込みも凝っていると思います。散策していて雰囲気があってよかったです。アングル固定のカメラワークですが、操作感は自然でよかったです。正しい名称はわからないけど、奥行きでキャラクターとかモノがフレームイン・アウトしていくのが好きです。

本筋とはあまり関係ないセリフやテキストについても、フレイバーテキストのようなエスプリの効いた言い回しが度々あってよかったです。元からなのかローカライズが有能なのかわからないけど、これぐらい軽いほうが個人的には好みです。全編このノリだとよくわからなくなると思うので、配分も適当だと思いました。

気になったところ

カーソル操作でコントローラーが震える

なんだかとっても気になりましたが、珍しいことではないのかな?メニュー画面でもインベントリでも、キー操作のたびにコントローラーが振動します。オプションからオフにできますが、意図が気になった次第です。

ストーリーが楽しめなかった

基本的なスタンスとして、ストーリーは添え物で楽しめれば儲けぐらいな僕なんですが、本作はストーリー主体のゲームな気がするので一応言及しておきます。とは言ったものの、実はついこの間遊んだばかりなのに内容がほとんど思い出せません。ひとまずは、インパクトに欠ける気がしましたと表現しておきます。なんかよくわからないけど、最終的にハッピーエンドな感じになったのでよかったねという感想だけが残りましたが、メモを見返したら未回収な伏線とかキャラクターが結構ある気がしてもやもやしてました。メニューから見れる資料室(ライブラリ)も埋めきれなかったので、拾い残しがあるのかもしれません。まあでも、そのへんはメインシナリオで見せてほしいと思ってしまうところではあります。

たぶん、僕が一番気になったのは、物語の最初と最後で、主人公であるアンくんを始めとした各キャラクターに、成長というか何も変化がなかったように見えたことです。例えば、アンくんの場合だと、謎だった自身の出生や病気の秘密が明かされたりもするんですが、フーンそうなんだって感じだし、やることは弟を助けるだけだぜって感じです。まあ、かっこよくて芯の強い主人公はいいと思うんですが、そういうのは映像作品とかでやったらいいんじゃないかなとも思います。あとは、仕組み的なところでいうと、プレイヤーに対する選択肢の提示がほぼありません。アンくんがズバッと全部即断してくれます。このとき僕はどういう気持ちになるかというと、物語に干渉する機会を失ったな、なんか勝手に話進んでるし、置き去りにされてる気がする、みたいなことを思ってしまいます。対話的でないと興味が持てないは極論だと思いますが、選んだ結末がどうであれ、ゲームの物語についても、プレイヤーはある程度、自分が操作して決定していると思いたいものなのではないでしょうか。

もっとも、僕はストーリーを理解したり楽しんだりする能力が低いという自覚があるので、批判したりする気はさらさらありません。いや、本当は理由を明確にしてすっきりしたいんだけど、万年勉強不足でいつも悶々としています。

アクションが楽しめなかった

敵の種類は結構多くて、行動パターンも割と多彩なのですが、こっちがやることは大剣で叩いて背後にローリングを繰り返して、装甲が割れたら致命とるだけでした。プレイヤー側もやれることはたくさんあるのですが、あまり必要性を感じなかったし、実際ボス含めてワンパターンで最後までいけました。装備の組み合わせも全然試してないのですが、とりあえずチップでクリティカル90%にしてました。これが強かったのかどうかすらわかりません。試行錯誤の場面がなかったので達成感も薄いし、なんだか味気なかったです。

戦闘に関わる要素はたくさんあって、機能もしっかり動くんだけど、バランス調整については放任といった印象を受けました。難易度はノーマルでしたが、変更しても奥深さが加わるとは思えません。

あとは、ステージギミックも単純だし、やらされてる感があって面白くはなかったです。特に、壁つかまりは変なウェイトがかかったり、うまくジャンプできなかったり、挙動が慣れないのもあって若干ストレスがありました。

リトライがだるい

アクションの項では簡単みたいな書き方になってしまいましたが、敵はちゃんと殺意をもっているので割と死ぬ機会はあります。HPとか防御力に振っている前提の攻撃力が設定されている印象で、なんとなく運に振っていた中盤ぐらいまでは結構死んでました。僕のような輩は、ステ振りのシステムに飽きてくると、最終的に運極振りが正解なんじゃないかとか、任意ってことはどんな振り方をしてもクリアできるように調整されてるんでしょ?とか不真面目な思考回路が形成されます。まあ、そんな愚か者の末路はどうでもいいです。今回言いたいのはそういうことではないんです。

ゲーム内で死にまくるのは一向に構わんのですが、リトライの快適性には気を使ってほしいということです。本作の場合は、死んだら直前のオートセーブをロードするという設計がイケていないと思います。よくある戻り復活ではないので注意です。まず、おそらく単純にロードし直しているので、マップ移動などと同程度の時間がかかります。次に、当然かもしれませんが直前の行動はロード時に全部ロールバックされて上書きされるのでアイテム拾いとかステージギミックはやり直しになります。チェックポイントのオートセーブは触れた一度しか有効でないようなので、正解ルート来ちゃったと思って戻って寄り道してから死んだりするとかなりだるいです。ボス前にはセーブポイントがあるのでマニュアルでセーブしましょう。

取り返しのつかない要素もあまりなさそうなので、もっとガンガンオートセーブしてくれてもよかったんじゃないかと思いました。消費アイテムとかを戻したかったのかもしれませんが、ダブルオートセーブで技術的には可能ですよね。テイルズオブアライズとかがやってた気がします。いずれにしろテンポが良くないのでもう少し工夫が欲しかった部分です。

探索がだるい

マップ間の移動をするために、車とか泉(チェックポイント)に徒歩でアクセスしなければならないのが面倒です。プレイヤーキャラの移動も慣れると遅く感じてくるし、ここは全体マップから直接飛べるようにしてくれと思いました。

プレイヤーが入手できる素材や、換金アイテムなどがマップ上の至るところに落ちています。よくあるチェスト式のUIで、何が落ちているかは調べるまでわかりません。同じオブジェクトでも調べられるものとそうでないものがあり、スキャンコマンドを実行しないと正確な場所はわかりません。アイテム自体のイメージやテキストは凝っていて、世界観を表現する一端を担っていると思うし、ゲームの中で収集欲を満たせるのはなんか健全な気がするということも考えたりますが、それを拾い集める過程が虚無感にあふれています。本作に限らずなんですが、このシステムはそろそろ再考されないかなーとよく思います。まあでも、ほかに優先して解決すべき課題はたくさんありそうだし、この不満が解消されただけで面白いとはならなそうだなとも思います。この点にとどまらず、本作には僕の中では陳腐化してしまったアイデアがたくさん詰まっています。

同じような理由で、ねこ集め、ポスター集めもだるいです。じゃあ、やらなきゃいいだろ!とツッコまれそうだし、全くそのとおりなんですが、プレイ中は、作った人たちは面白いと思って取り入れているはずなので、とりあえず従っておけば新たな智慧が得られるかもしれない…みたいなことを考えているわけですよ。そして毎回こういうことを言っている。これについても、誰かいい方法を発明しないかなー。虚しさという意味では、作中で誰もリアクションをしてくれないというのも、ちょっとある気がします。ねこおじさんがいて、集めるとめっちゃ褒めてくれるとか、アヤネ(親友?)がポスターオタクなので仕方なく集めているとか、物語とのフックがあれば、そういうお話だからと自分に少し言い訳ができる気がする。知らんけど。

ついでに書いておくと、ハッキング(ロック解除)の仕組みも楽しくはなかったです。こういうギミックを、うまく取り入れるのは相当難しい気がする。ルービックキューブみたいのはまだわかるんですが、パスコード式はいらなかったかなと思いました。おそらくどこかにヒントがあるんだろうけど、ネットアイドルの部屋とかは見つけられなかったのでブルートフォースアタックで突破しました。

とにかく、些細な点が積み重なってモチベーションを削いでいくということを終始感じていました。

さいごに

サイバーパンクっぽい世界で女の子を動かして遊びたい方におすすめです。

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