ゲームの感想:Sea of Stars

PS5

至点の戦士のみなさんこんばんは!

星はかつて海をみた?ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。

azarashiX
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アイコンはどう見えても犬だがazarashiX。略してX。
ゲームは思い出づくりと語るおじいちゃん。気圧の変化に弱い。
クリエイターのこだわりが感じられる作品が好き。
基本的に文句が多いが、本人は楽しんでいるらしい。

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はじめに

「Sea of Stars」は、選ばれし少年少女とお料理戦士たちの物語が描かれるクラシカルなRPGです。以前感想を書いた「The Messenger」を作った人たちの作品で、同作のステージをアレンジしたエリアも登場します。

ひとまず、簡単な感想を一言で言うなら、出るのが30年遅かったね。側だけでなく、ゲームのつくり自体もクラシカルなところがあり、昔ながらの冗長さや不便さを逆に楽しめたり、懐かしさで埋め合わせのできるプレイヤーでないと、プレイに対するモチベーションが保てないかもしれません。それは言い過ぎとしても、最近の快適なゲームに慣れている人は、面食らわないように覚悟を持ってはじめることをおすすめします。

ところで、いわゆるJRPGというジャンルの揺籃期には、ちょっとずつ進化をしながら、新しい作品がいくつもリリースされていたのだけど、僕はあまりいい思い出がありません。ハードの性能が上がったりして、ビジュアルはどんどんリッチになっていたのだけど、それに伴ってお話も複雑になっていた結果、主人公=プレイヤーみたいな構図も崩れつつあり、制作側もそっちに舵を取るのかーなどと思っていた記憶があります。あれは今思えば、素直にロールプレイができなくなったという違和感を感じていたのかもしれません。

本作においても、敷かれたレールの上を進んでいくストーリー、作り込まれたダンジョンやギミックを何度も行ったり来たりするハイカロリーな探索、きっちりバランス調整された予定調和な戦闘など、何かと当時の雰囲気の再現度が高いです。こういうのは、すべてのプレイヤーが同じ体験をできるというところがいいのかもしれないけれど、どうしてもやらされてる感がでてしまいますね。いわば、作り手とやりたいことが完全にマッチしてれば、それは素晴らしい体験になるはずなのだけど、なかなかそううまくはいかないよなーとは思います。すなわち、これ系のRPGというのは、昔は流行っていてみんなやっていたかもしれないけれど、本来は意外とプレイヤーを選ぶ作品なんじゃないかと思います。でもまあ、今となっては、ほとんどすべてのゲームがそうじゃんと言われればそんな気もしますが。ともあれ、僕の印象としては、最初から最後まで「どうだ、懐かしいだろう」が続き「そうっすね」という感じでした。

そういうわけで、僕の中では本作はアートの類なんだろうなあ。面白いかどうかは別として、ひとつの作品としてのクオリティは非常に高いと思います。こういうのは宇宙空間でも書けるボールペンを頑張って開発したNASAの都市伝説を思い出してしまいます。それはさておき、クリエイターの方々の熱量は本当にすごいですね。今回目指している方向性は個人的にはちょっと合わなかったけれど、また次回作で遊べるのを楽しみにしています。

どんなゲーム

やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。

本作は日本語に対応しています。翻訳の品質はばっちりだと思います。テキスト量はかなりあると思うのだけど、口語的な違和感もないし、固有名詞もたくさん登場したりするけれど、ちゃんと一貫性が保たれています。

グラフィックはドット絵です。クオリティが高めなのもそうだけど、何より物量がすごいです。街やダンジョンごとの景観もほぼユニークだし、キャラクターたちのアニメーションパターンも相当多そうです。このあたりはこだわりポイントなのだと思います。ただ、色数の制限なのかわからないけれど、ヴァレアくんの顔色が悪いのはちょっと気になりました。あとは、ストーリーの各シーンでアニメーションムービーが挿入されたりとか、全体的にとても手間暇がかかっていそうです。

サウンドは昔ながらのRPGっぽいです。特にBGMはそれっぽく、派手な曲は少ないけれどシーンとはマッチしていて自然な感じです。SEも何か操作するたびに細かい音が鳴っていたり、足音が地形によって変化したりとか、こだわりが詰まっているのを感じました。あとは、アナザーの世界に進んだときに、戦闘BGMにアレンジがかかるという演出は胸熱で好きなのだけど、個人的には盛り上がりに欠ける感じの曲だったのはちょっと残念でした。

光の表現もすごいですね。後述する時間を操る力を使うとよくわかりますが、移動中、戦闘中なども、光源の向きによって動的に影が描き変わったりしています。BGMについても、昼と夜のバージョン違いがかなりのパターン用意されています。

手動のセーブスロットは3つで、少なめです。もうちょっと増やしてくれたほうが、念の為バックアップの際などは便利だと思いました。その他、オートセーブが別枠で1つあります。

操作系統のことでいうと、何かと×ボタンを押す機会が多いので、余っているR1ボタン等でも同じ操作ができるようにしてほしかったです。オプションから、操作のメニューでボタン配置は変更ができるけれど、ひとつのアクションに複数ボタンを割り当てることはできず、戦闘でのブーストなど複合ボタンの操作がしづらくなるので、やっぱり両方がよかったなあ。

なお、アプリケーションの動作は非常に安定しています。最初から最後までぶっ通しで遊んでいましたが、一度もエラー落ちなどはありませんでした。まあ当たり前のことなのかもしれませんが、それができていない作品も結構ありますよね。そういう意味では安心してプレイできると思います。

探索など

冒険の舞台は、ワールドマップと街やダンジョンの組み合わせで構成されています。ワールドマップは、描き込みはすごいけれど、移動できる範囲は限られているので、概ね行き先を決めるだけのシーンです。敵とのエンカウントもありません。あまり広くはないので、歩くのが遅いのは辛抱しましょう。全体としてはいくつかの島が存在し、その上に探索できるロケーションが複数配置されている感じです。船を入手後は、海上を移動して島の間を行き来することができるようになります。ちなみに、船の速度が上昇する秘宝もあるのだけど、こういうのはいつもなんだかなーと思ってしまいます。

なお、ワープやファストトラベルの機能はありません。特定の地点間のショートカットなどはありますが、基本的にはワールドマップを介しての移動になります。おそらく意図的にそうしているのだと思いますが、これがどういうことになるかというと、ダンジョンを通り抜けた先のエリアにアクセスするためには、再びダンジョンを通り抜ける必要があるみたいなことになります。これが非常にだるい。セライくんが加入してワープ解禁かと思いきやそんなことはなく、眠り竜を起こしても乗れるわけでもなく、ラストダンジョン手前で舞空術を会得してやっとそこそこ快適になりますが、タイミングがちょっと遅すぎる気がしました。

ダンジョンマップは、ハシゴや段差などによって立体感のある作りになっています。あとは、泳いだり、崖沿いを歩いたり、綱渡りをしたり、操作キャラクターのモーションやちょっとしたギミックで、飽きないようにしてくれているんだろうなというのは感じました。簡単なパズルはたくさんありますが、迷路みたいなものはありません。大体が一本道か、2分岐したあとに、中央の通行止めが解除されるような構成です。わかりやすさを重視した結果なのだと思いますが、先が読める分、ちょっと退屈ではあります。戦闘はシンボルエンカウントで、ある程度は避けて進むこともできます。シンボルごとに敵ユニットは固定で、一度倒せばワールドマップに出たりするまで復活しません。敵シンボルに気づかれずに接触したり「グラップル」などをヒットさせたりすると先制攻撃ができます。成功すると、少しダメージが与えられたり、属性攻撃に使える「生マナ」が出現するなどのアドバンテージが得られます。

街や村などのNPCが集まっているマップもいくつかあり、特に「港町ブリスク」は広いです。宝箱もたくさん置いてあってだるいけど、ちゃんと有用なアイテムが入っていたりするので無視するのもなあという感じ。調べられるオブジェクトは、接近するとマークが出るので手当たり次第にボタンを押しまくる必要はありません。NPCによるサブクエストみたいのも、メニュー管理されていないだけでそこそこあった気がします。なので、こちらは片っ端から話しかけまくることになります。なお、昼夜で会話内容が変わったりといったことはなさそうでした。

ワールドマップ上や、ダンジョン内のチェックポイント、宿屋などではキャンプができます。キャンプでは、全快とセーブ、料理などが行えます。キャンプ中は仲間と会話することもできますが、大したことはしゃべってくれないしパターンも少なめですね。進捗ガイドメニューなどと大体同じ役割だと思うので、何をすべきか忘れてしまったときは話を聞いてみるのもいいかもしれません。料理は、指定の食材を消費して「おやつ」という回復アイテムを作成できます。これも種類が多いです。食材は主にダンジョン内で採取したり、敵からのドロップで入手します。また、おやつは10個までの所持数制限があります。ただ、全快できるチェックポイントはこまめに設置してあるし、回復スキルもあるので、それだけでも事足りてしまう気がします。僕の場合は使う機会がほとんどありませんでした。

釣りやクイズゲーム、貝殻のお宝探しや、ホイールズというボードゲームなど、お決まりの寄り道サブイベントも豊富です。なんというかこう、RPGのだるいところが出てますね。まあでも最近は、せっかく作ってくれているのだし、息抜きもたまにはいいかなみたいな感覚になってきました。ワシももう歳かのう。釣りはスポットによって釣れる魚の種類は決まっており、看板で確認ができます。魚影は画面を切り替えるまで復活しないので、釣り続けていればそのうち埋まるでしょう。クイズマスターは、問題と答えの組み合わせは変わらないので、繰り返し挑戦していれば全問正解できます。出題される内容はゲーム内のものだけで安心しましたが、敵の名前が難しいですね。エキスパートはeラーニングをやっている気分になります。「虹の巻き貝」は、宝箱のほか、NPCイベントなどでも入手できます。「オタカラオウム」の秘宝を入手すれば、位置と残数はわかるのでなんとかなるでしょう。ホイールズは、リール配列が見れないのはゲームとしてどうなのとは思いましたが、対戦はそこそこ楽しいです。駒は相手が先に選ぶので、手持ちからメタれそうなやつを選んで、あとは順当にやっていれば苦戦はしないでしょう。出目を過剰に揃えても意味がない点には気をつけましょう。例えば、行動ロットがあと1段階のとき、4つ以上の目をロックする必要はありません。防壁は時間稼ぎなので最低限にとどめたいです。トランプルはないので、相手に弓兵がいれば3、そうでなければ1か0をキープするといった感じでしょうか。

ほとんどの収集要素は、船を入手以降であれば、地図上でオウムから島ごとの未取得品の有無がおしえてもらえます。やっぱり本作のような収集物が多いゲームでは、アシスト機能は必要だよね。ただ、別途アイテムやアクションの解禁が必要な場合の区別まではしてくれないので、結局終盤にならないと取れないものが残り続けるのはちょっと気持ち悪いです。普通に見逃してしまったのかどうかとも判別がつかないし、前述したマップ間の移動の面倒さも相まって、意地悪に感じてしまう箇所もいくつかありました。僕は、いけるところは全部チェックしてから先に進むべし、さもなければ損するぞみたいな訓練をされてしまっているのだけど、これはもはや呪いですね。今時さあ、「霧の長老の試練」とかに後で来ないと開けられない宝箱を置くかい?それはないよねって消えていった要素を復活させないでくれーとか思っていました。時限に棲まうものメンドクサマックスの封印を解いてはならぬ!

戦闘など

戦闘は、ターン制コマンド式です。「強ヒット」「強ブロック」という、キャラクターのモーション中にタイミングよくボタンを押すことで、与ダメージが上がったり、被ダメージが下がったりするシステムがあります。ゲーム内の説明では、必須のテクニックではありませんということが、やたら念押しされるけれど、まあ、普通に遊ぶ分にはほぼ必須ですね。通常攻撃ぐらいであれば、確実に出せるようになるので早めにタイミングを掴みましょう。ブロックは敵や攻撃によってタイミングが異なるのでちょっと難しいけれど、成功でMPが回復するアクセサリが強いのでなるべく狙いたいところです。このあたりは、後述する秘宝でのサポートを有効にすると快適です。

もう一つの特徴としては、決められた属性で攻撃することで敵のスキルの中断や弱体化ができる「ロック破壊」というシステムがあります。敵はスキルの予備動作に入ると、打撃、斬撃、月、陽など、全6種類の属性の組み合わさったパネルが表示されます。行動順が来る前にパネルをすべて壊せばスキルの発動を阻止できます。また、パネルを壊すごとにスキルの効果が弱体化していきます。効率よくパネルを破壊するためには、プレイヤー側も対応する属性のスキルを使用したり、ヒット数を増やすために強ヒットなどを狙う必要があったりなど、単調さを打破しつつ殴り合いを加速させるよく考えられた仕組みだと思います。ただ、敵のスキル使用頻度は高く、ほとんどの場合がロック破壊が最善手になってしまうので、戦略の自由度が犠牲になっているという見方もできなくはないかなあ。とはいえ、バフやデバフなどの補助系のスキルはないし、他にやれることは回復ぐらいしかないのでこれでよかったのだと思います。

通常攻撃を敵にヒットさせると「生マナ」が戦闘フィールドに出現します。各キャラクターは生マナを消費して、通常攻撃に特定の属性を追加したり、スキルの威力を上げたりできます。これを「ブースト」と呼びます。ブーストは3段階まで重ねて行うことができます。プールされた生マナは各キャラクターで共用なので、やることがないキャラクターもとりあえず殴っておけば、次のキャラクターのロック破壊のアシストができたりするわけですね。なお、生マナを使用した通常攻撃では、生マナは発生しないので気をつけましょう。

戦闘に参加できるキャラクターは3人までですが、自ターンであればノーコストで入れ替えができます。キャラクターの行動順は自由ですが、行動済みのキャラクターを再度行動させることはできません。キャラクターが行動するたびに、敵の行動カウントは1ずつ減り、0になったタイミングで敵の行動が差し込まれます。

各キャラクターは専用のスキルを3つまで持っています。それぞれ、攻撃属性が違ったり、範囲攻撃だったり。スキルの使用にはMPを消費します。MPは通常攻撃をヒットさせることで回復します。また、スキルは強ヒットに対応しているので目押しなどでヒット数が増えたり威力が上がったりします。

各キャラクターの組み合わせで発動できる「コンボ技」もあります。行動を消費するのはコンボ技を選択したキャラクターだけです。コンボ技の使用にはCPを消費します。CPは、敵を倒す、ロックを破壊する、ダメージを受けるなど、いろいろな契機で溜まっていきます。また、コンボ技ゲージの外枠の虹色のゲージが最大まで溜まると「究極技」という派手な攻撃が出せます。これも技は各キャラクター固有ですが、ゲージは共通なので使うタイミングは調整しましょう。

敵は各属性に対する弱点や抵抗力を持っており、与えるダメージに倍率が掛かります。複合属性の場合は、それぞれ打ち消し合ったりするので、ポケモンのタイプ相性みたいな感じです。敵の情報は、特定のアクセサリを装備することで見えるようになります。ただ、ボスの場合は見せてくれないので、いろいろ試してみるしかないですが、大体は等倍な気がします。

キャラクターは、HPがゼロになって戦闘不能になってしまっても、ターン経過で復活します。ただ、復活するまで入れ替えはできないので、行動回数が減ってジリ貧になりがちです。あまり死んでばかりいるとキツイのでちゃんと回復しましょう。また、戦闘不能になるごとに、復活までに要するターン数は増えていきます。戦闘メンバー3人が戦闘不能になると全滅し、ゲームオーバーになります。オートセーブから再開もできますが、頻度はそこまででもない気がするので、戻るのが嫌なプレイヤーは、念のためこまめに手動セーブしましょう。

ボスはたくさんいて、ほどほどのギミックに、見た目も凝っていてよく動くし、でかいのが多いので楽しいです。複数のパーツで構成されるボスとかはなんだかわくわくするよね。一方で、ザコ戦もそれなりに手強いので、適当にやっていると負けたりピンチになったりしてしまいます。逃走コマンドなども存在しないので、戦闘が始まってしまうと倒すよりほかないです。なので、繰り返しの探索時などはちょっとだるいところではあります。戦闘の開始と終了はテンポがよくて好きなんだけどね。

というわけで、システムはそこそこ凝っているのだけど、やることはシンプルといった感じの戦闘です。行動の選択で迷うことはあまりなさそうなので、目押しの成功と失敗の中間的な結果がたくさん存在するような感じに思えます。いうならば、大勝ちや大負けはほぼ起こらない。敵の強さも直線的に上がっていくので変化はあまり感じられず、プレイヤーが工夫できる余地も少ないので、ずっと同じことをやっている気分になります。このあたりはタイミングよくボタンを押すというシステムと相性がよくないように思います。具体的な例をあげるならば「ムーメラン」は強いんだけど、毎回やっていると長いしだるいです。後述する秘宝による難易度調整も、難しくするほど選択の幅が狭まる気がするのでなんだかなー、あえて挑戦する気にはならないよなーと思います。

ゲーム内で手に入る「秘宝」を使用して、難易度のカスタムができます。オンオフは秘宝メニューでほぼいつでも行えます。ざっくり、アイコンが青色のものが簡単にするやつ、赤が難しくするやつです。難易度を変更してもストーリーやイベントには影響しないと思うので好きなように設定しましょう。あまり縛りすぎてもマゾくて楽しくないかもしれないので、僕は青いやつは大体オンにしていたのですが「語り部のお守り」だけはちょっと簡単すぎるかなーと思ってオフにしていました。あとは、青でいうと「アダマントシャード」はデメリットがあるのでオフにしていました。赤でいうと「ダブルエッジ」はメリットがありそうなのでオンにしていました。そんな感じで自分の好みに合わせて調整するといいと思います。

成長要素など

本作は、キャラクターごとではなく、パーティでレベルが管理されています。敵を倒して経験値を得て、一定までたまるとレベルが上がります。レベルアップ時は各キャラクターのステータスが自動的に上がるほか、追加で上昇させるステータスをプレイヤーが任意に選ぶことができます。ステ振りみたいなものですが、同じものを選び続けていると、そのうち選択肢に出てこなくなるので、最終的には順番が選べるだけなのだと思います。僕の場合は、マナポイントばかり上げていました。次点でHP。どうせ確定数は変わらないだろうと思って、攻撃力系は上げていなかったのだけど、HP1残りみたいのが意外とあった気がするので、上げておけば行動回数が節約できたのかもしれません。ということは、防御力系がハズレなのかな。

装備アイテムは、キャラクターごとに武器、防具、銀色のアクセサリ2つ、金色のアクセサリ1つの枠があります。武器や防具は、ゲームの進行にあわせてステータスに下駄を履かせるような役割しか果たしていない気がします。一部、特殊効果が付与されているものもあるけれど、補正値を強化したりはできないので、新しい強いものに置き換わっていく流れは変わらないと思います。銀色のアクセサリは何らかのステータスをちょっとプラスしたり、特殊効果があったりなど。金色のアクセサリはパーティメンバー全員に効果があります。たぶん控えにいても有効だと思います。

お金は、戦闘ではあまり手に入らないので、換金アイテムを売りましょう。装備品のお古も使わないので売っていいです。あとは、拾った食材もまとめ売りすればそれなりの足しになります。武器や防具は、探索中に拾えたりするので、店売りは無理に買わなくてもいいかもしれません。敵は復活するので、レベル上げをして楽に進むみたいなことはできなくはなさそうだけど、あまり必要性は感じませんでした。先のエリアに進んだほうがもらえる経験値は多くなるので、よほど苦戦しているとかでない限りは、さっさと先に進んだほうが効率はいいはずです。レアドロップのようなトレハン要素もなさそうだし。スキルやコンボ技も、探索やイベントでの習得なので、留まって稼ぐメリットはほぼないと言っていいでしょう。

そういうわけで、プレイヤー強化要素の選択肢はちょっとあっさりしすぎているかなーと思いました。このあたりが、僕がイマイチ夢中になれなかったポイントなのだと思う。いわゆるRPG的ゲームな面白さのひとつに、スキルを組み替えたりとか、武器をカスタムしたりとか、与えられた要素を好きなようにいじって調整していく、みたいなのがあると思うんだよね。なんというか、ハック的な面白さというか。本作にはそれがほとんどないです。ステータスの値のスケールも小さめで、プレイヤーが任意で変更できる範囲でどのくらいの影響があるのか想像するのが難しいし、手応えも変わらないので戦闘でいろいろ試してみようみたいなサイクルには繋がらないんだよなあ。こういうのは、なんだかあるだけみたいな気がしてしまってもったいないよなーと思います。

その他

ストーリーなど

王道っぽい展開が続きますが、各イベントやキャラクター周りの描写はすごく丁寧なので、若干のだるさは感じつつも安心感はありました。一転、レシュアンくん関連の終わり方はよくわからなかったのだけど、本作の範囲ではまだ明かされないということなのかな。全体の流れとしては、時間を自由に操れるようになってからぐらいの展開は、神々しくてよかったのだけど、そこまでが長すぎるよなーというのは思いました。ファンタジーとSFの組み合わせも、もはや定番だけどちょっとわくわくするよね。あとは、ゲームというメディアの観点からだと、選択肢による分岐や、プレイヤーの行動によるお話の変化がないのはやっぱりちょっとさみしいなあ。個人的には、こういうのは神様視点でへえーそうなんだーとなって終わりがちなんですよね。

登場キャラクターでいうと、ガールくんは大活躍ですね。もう君が主人公でいいんじゃないかな。一方で主人公の二人は、地味め、真面目ですね。ただ、ヴァレアくんから唐突に繰り出される「なんとかだし!」は、なんだかギャルっぽくてツボに嵌ってしまったし!あとは、ギャグっぽいセリフとか演出もたまにあるのだけど、寒めなところが一周回ってよかったです。ワシももう歳かのう。

「The Messenger」と繋がるシーンは、思わずちょっぴり感動してしまいました。音楽の力ってすげー。未プレイの方は、余裕があれば履修しておくとより本作が楽しめるかもしれません。ただまあ、お話はそこまで繋がっていないと思うので、ファンサービス的な感じですかね。本作は時系列でいえば過去にあたるのだと思います。ということは、前作でボコボコにされていた赤いおっさんはブルガバスくんということなのかな。そう考えるとなんとなく面影があるし、世界が変わっても不憫な様がまたよいですね。

エピソード単体だと、ロマヤのおばあちゃんが可哀想でよかったです。主人公ってやつらはいつも、自分たちが必要なものを力ずくで奪っていくのだよね。羅生門を思い出しますね。僕にお話の話をさせるのはやめにしよう。

エンドコンテンツなど

本作のエンディングは2つあります。とはいえ、順番に見ないといけないと思うので、一本道なことには変わりありません。真エンドの時点で、レベルは22、プレイ時間は35時間ぐらいでした。実績は真エンドを目指す過程でほぼ埋まりました。全滅してしまったのは、序盤で回復しないで突っ込んだザコ戦と、秘宝「匠の一手」を有効にしてみたボス戦です。ゲームオーバー時は、タイトル画面に戻ってロードしなおしても死亡回数は記録されるみたいですね。僕の場合は、未回収のアイテムが気になってしまい、事あるたびに行ったり来たり骨折り損ばかりしていたので、ストレートに進めればプレイ時間はもっと短くなると思います。時限はおそらくなさそうなので、気になる箇所は、ある程度進めてしまってからまとめて回収するほうが効率はよいでしょう。

ラストダンジョン前は、キャンプや船内で仲間と会話すると、いくつかの寄り道イベントが発生します。それぞれ最後まで進めることで、各キャラクターの最強装備などが手に入る感じです。「至点の寺院」巡りで、パズルを解くとロックが解除されていく扉は「山道」の途中にあります。記憶になかったので結構探してしまいました。「セルリアン砂漠」の別ルートは、チークスの物語にヒントがあります。わかるとは思うけど、方角はメモの後半の日数で抜き出してから組み合わせましょう。実績解除に必要な「匠の一手」の秘宝は「かつての女王」のボス戦前に手に入りますが、その時点で有効にするのはかなりチャレンジャーですね。後述する「最初から+」で達成するほうが楽だと思います。

「時計じかけの王者」の実績は「レピン」の街まで進めた段階で達成できます。ここでのチャンピオンゲームを始めるためには、一旦「時計仕掛け城」まで戻って「時計職人」から「折りたたみ式ホイールズ台」を250Gで買う必要があります。僕のように、お金が足りないと二度手間になるので面倒ですよ。こういうのはさー、城の中に商人置いておくとかさ、あるでしょ、という気分になりますが、ストーリーの都合であとでまた来ることになるので、その時についでに寄るほうがいいのかもしれません。

「巻き貝の匠」の実績も、クリア前に達成できます。それにしても、飛べるようになるまでは、貝殻を渡しに行くのに、いちいちジャングルを通り抜けないといけないのはいかがなものかと思いますよ。「ドキャリ村」へのショートカットとかは、たぶんないよね。一度クリアしたエリアは、スキップして通り抜けられるなどにしてほしかったところです。それか、ミルナくんは船に乗ろうよ。

ひとまずのラスボスはそんな気はしていたけど、最後はシューティングです。簡単だし、エンディングの一部のような感じなので苦手な人でも大丈夫だと思います。ちなみにエンドロールはめちゃくちゃ長いです。支持者のクレジットの量がものすごい。気付くのが遅すぎたけど、早送りができます。

エンディング後は、クリアデータをセーブしてラスボス前から再開ができます。ここで「ムーアランド」の謎の装置がようやくアクティブになります。序盤からずっと気になってたよー。その後は追加のエピソードがあり、ちょっとしたダンジョンが一つ。宝箱もここで全部揃います。

「自分へのごほうび」の実績は、仲間6人全員が「マース」に建てたスパを利用すると解除されます。スパは各キャラクターにつき一度だけ、お金をステータスに変換できる施設です。どうせやるなら、早めに利用したほうがよさそうです。なお、お話の都合で離脱してしまったキャラクターも、最終的には全員復帰するので取り返しはつきます。

あとは、クイズを全部埋める「歩く百科事典」や、レシピをすべて実行する「グルメの鑑」の実績も、この段階でようやく達成できます。料理は全26種類で、足りない場合は店売りのレシピを確認してみましょう。僕は、マースに何故かひとつだけ買い忘れがありました。

そして「クロノファージ」の起動が条件だと思うのだけど、ラスボスが変わります。これで真エンドですね。他にはNPCたちから貰えたりする「お粗末なハンマー」というキーアイテムが4つ残りましたが、用途は不明でした。まあ、まだ残された何かがあるのだろうけど、実績は全部埋まったからもういいかな…という気分です。

最後に「最初から+」と実績「華麗なテクニック」について書いて終わりにします。「最初から+」は、いわゆる強くてニューゲームです。おそらく、クリアデータをセーブしたタイミングで、タイトル画面のメニューに追加されています。お話は最初からになりますが、キーアイテムと所持していたおやつ以外は大体引き継ぎます。レシピも引き継ぐし、虹の巻き貝が入っていた宝箱から入手できるアイテムは「同窓会の記念品」に変換されます。あとは、物語や釣った魚も引き継ぎますが、ホイールズはキーアイテムを引き継がないのでやり直しになります。戦闘は楽勝だし、道も覚えているうちにやればサクサク進めるけれど、ストーリーやイベントに変化はないと思うので、二周目をやりたいゲームではないかなあという気はします。

「華麗なテクニック」の実績は、秘宝「匠の一手」を有効にして、ボスを10体倒すと獲得できます。秘宝の入手がだいぶ後半なうえ、戦闘の難易度も上がるので、初見でオンにするよりは「最初から+」で引き継いで達成するほうが比較的早くて簡単だと思います。そもそも、この実績に挑戦する面白さはよくわからないなとは思うのだけど。最初からやる場合は、「紅葉の丘」の「落ち葉魔人」を倒すところまで進める必要があります。ボス戦ぽいのはもうちょっとあるのだけど「ウィルド」「アベントリー公爵」「ワン、スリー」「ツー、フォー」はカウントされていないのかもしれません。このあたりまでであれば、流石に自分たちのほうが強いので苦戦することはないでしょう。ただ、イベントスキップなどもないので、それなりに時間がかかる点はそのつもりで。グッドラック!

さいごに

こだわりの懐かしRPGで遊びたい方におすすめです。

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