シャーマンのみなさんこんばんは!
Can you feel? ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。
はじめに
「ザァオ:ケンゼラの物語」は、悲嘆に暮れる少年「ズベリッ」くんが「ザァオ」くんの冒険の物語を追体験するサイドビューアクションゲームです。
昔より今のゲームのほうが絶対面白いでしょ!というわけで、さっそく遊んでみましたが、僕の中での本作の格付けは、ナウなヤングは優等生的な作品という感じです。往年の様々な作品にインスパイアされたと思われるゲームシステムは、特別新しいものはないし尖ってもいないのだけど無難に遊べます。言い換えれば、勘所は大きく外していないけれど、すごく夢中になれるというわけではないという感じでしょうか。あとは、手軽に遊べるボリュームだったのが個人的にはよかったです。
ただ、すべてのプレイヤーが自分と全く同じ作品で遊んできているということはありえないし、こういう感想は人の数だけあるよなあということも思います。もしかしたら、初めてアクションゲームで遊ぶプレイヤーにとっては、忘れられない体験になるのかもしれない。そう考えると、似たようなゲームが繰り返し制作されて、少しずつリファインされていくという流れには意義がある気もしてきます。取っ掛かりになる作品はプレイヤーごとに違うはずだからね。
つまり、「どの物語も、別の物語の終末から始まる」ということだね。そして、その理屈で言えば、世の中には80億以上の物語の終わりと始まりがあるんだ。さあ、君も次の物語を選択せよ!
どんなゲーム
やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。
本作は、日本語テキストに対応しています。多少硬いけど、翻訳の品質はよいほうなんじゃないかな。なお、ボイスは英語です。フルボイスなので豪華ですね。
ビジュアルは、グラフィックは3D、だけど操作は2Dというやつです。あとは、音とか音楽も豪華なので、なんとなくすごいゲームで遊んでいる気になります。
難易度は、リラックス/バランス/チャレンジの3段階が用意されており、オプションから変更ができます。僕は、終始デフォルトのバランスでプレイしました。
探索など
シナリオは4章立てになっており、第4幕はラスボスだけなので、自由に探索ができるのは第1幕から第3幕の間です。ワールドマップは、チュートリアル+大まかに3つのエリアで構成されます。行ったり来たりは多少ありますが、基本は一本道に寄り道やショートカットが追加されているような作りなので、ぐるぐる探索する感じではないです。マップもエリアを発見した段階で公開されるので迷うことはないでしょう。次の目的地も常にマークされているしね。一定区間を進むごとに会話などのイベントが発生し、ストーリーも自動的に進んでいきます。そして、各エリアの最後にはボス戦があり、勝利すれば次の章へという感じです。
道中は、アクションとトラップの組み合わせ、敵との強制戦闘が障壁となっています。正解ルートの難易度は控えめなので、割とテンポよく進めてストレスもありません。ただ、移動速度が速めなのでそこまで気にならないとはいえ、マップの作りは冗長な気がします。あとは、謎解き系もほとんどなく、簡単な箱押しパズルぐらいでしょうか。ギミックもアクションでどうにかするやつがほとんどです。なお、トゲ、落下、圧死、強制スクロールなど、即死要素は多めです。チェックポイントはこまめに配置されているし、リトライも早いので普通に遊ぶ分には気になりませんが、スピードランとかはしんどそうだなーと思いました。
それと、マップを開いたり閉じたりしていると、キャラクターの移動が効かなくなることがあるのが少しストレスでした。数秒経てば動けるようにはなるんだけど、何なんだろう。開くのが早いのはよかったんだけどね。頻繁に開きすぎなんだろうか。でも、みんなも分岐があったらとりあえずマップ見るよね。
焚火のポイント間で、各エリアのファストトラベルができます。ただ、最後のエリアである「忍耐の儀式」のファストトラベルポイントは、僕の場合、何故か一方通行だったので注意したほうがいいかもしれません。マップ上のアイコンも非活性で、飛ぶことはできるけれど、ファストトラベルで返ってくることはできなくなります。戻るにはもう一度山登りをしないといけない。ちなみに、ラスボス後にロードし直したら有効化していました。フラグがズレたりしていたのか、仕様なのか、よくわかりませんが何なんでしょうね。
収集・探索要素は、「装身具」「エコー」「リフレクション」「精霊儀式」の種類があります。大体が寄り道に配置されています。マップを見ればエリアごとの要素の合計数と完了数はわかるけれど、まだアンロックされていないアクションが必要だったりして、初見では全部埋められないこともあります。いわゆる、後で来てねというやつです。こういうデザインは本作に限らず、いろいろな作品で当たり前のように採用されているような気がしてしまうけれど、同じマップをぐるぐるするようなゲームならまだしも、どんどん先に進んでいくようなゲームでは、もう少し慎重に取り入れたほうがいいんじゃないかということをよく思います。まず、発見しても場所などを記憶しておくのがちょっと負担に感じるし、無視するのも損しているような気分になるのがよくないです。あとは、それだけのために来た道を戻ったりする過程が単純に面倒だったりというのもあるし。これは何か楽しいのかなーという気分になります。アクションゲームのデザインとしてはちょっと古臭い気もするし、いっそのこと初見で全部取れるような配置にするとか、すぐにアクセスできるようにするとかのほうがいいんじゃないかと思います。本作の場合は、第3幕の開始まで進めれば、それ以前のエリアの分は全部取れるようになっています。なんというか、微妙な配慮を感じますね。
「エコー」は、ストーリーを補足する読み物です。経験値もちょっと入った気がする。それ以外のリワードはありませんが、全部集めることで獲得できる実績が存在します。
「リフレクション」は、そのままですが、樹洞の下でザァオくんの思い出話が聞けたりします。また、体力などの基礎ステータスも上昇します。
「装身具」は、チャレンジステージ的なやつで、クリアするとパワーアップ用のアクセサリが入手できます。メインルートと比較すると難易度は高めなので、結構死ねると思います。飛行アクションが解禁されたあとは、予想はしていたけど、頻繁にイライラ棒をやらされます。こういうのは、昔は「チクショー!」みたいな感じで悔しがっていたものだけど、近頃は失敗したりしても「ふーん」ぐらいの反応しかできない自分がいることに気づきました。感情が無に近づいている気がします。これは健全な傾向なんだろうか。
「精霊儀式」は、いわゆる闘技場です。場所ごとに3段階のランクがあり、それぞれクリアすると基礎ステータスが上がったり、スキルポイントが貰えたりします。こっちは敵の出現数が多いだけで、メインルートと大差はないです。むしろ、戦いやすい地形が多いぶん簡単かもしれません。落ち着いてやれば死ぬことはないでしょう。あと、クリア後に何故かキャラクターの移動が効かなくなるということが何度もありました。太陽の仮面に切り換えて、弱攻撃をすると動けるようになります。何なんだろう。
アクションや戦闘など
ザァオくんのアクション性能は初めから結構高く、二段ジャンプ、壁つかまりと壁ジャンプ、それから、ダッシュで滝や障害物などをすり抜けながら進んでいきます。基本の攻撃は、弱攻撃と強攻撃の2種類があります。
敵に攻撃を当てると「スピリット」という紫色のゲージが溜まります。スピリットは、体力回復と「スピリット・アタック」という必殺技を出すために消費し、ゲージは共用です。スピリットは割とすぐに満タンになってしまうので、ガンガン使っていくほうがいいと思います。特に、単発の体力回復量は少なめなので、こまめに回復で使用していくのが無駄がなくてよいと思います。ザァオ!という音で回復するのも面白くてよいです。
黄色のゲージは体力です。ゼロになると死んでしまうのだと思います。本作での死因は即死系ばかりで、体力がなくなることはまずないんじゃないかな。死んでしまったらチェックポイントから戻り復活です。デスペナはありません。
探索、戦闘ともに、「月の仮面」と「太陽の仮面」の2つのモードを切り替えながら進めていきます。また、スキルポイントを使用して、それぞれアクションの追加や強化ができます。
月の仮面は、弱攻撃は使いやすい遠距離攻撃、強攻撃は吹き飛ばしと弾カウンターです。弱攻撃は弾数制限がありますが、使用しなければリチャージされます。強攻撃のカウンターは判定がかなり甘いので、先に出しておけば大体成功します。あとは押し出しも強い。スピリット・アタックは、真空波動拳です。意外と当たらなかったりするけど、画面端まで届くので便利です。攻撃中もレバー入力で発射方向の調整ができます。というわけで、月の仮面が万能過ぎて、僕はほぼこっちしか使いませんでした。
太陽の仮面は、近接で、弱攻撃はコンボ、強攻撃は打ち上げです。槍投げは使いやすいです。あとは、スピリット・アタックが強いです。無敵っぽいので割り込みでも出せます。技名も「スーパーノヴァ」です。イカしてるぜ。
ほかには、ゲームを進行させ、先祖の像を見つけることで使用できるアクションが増えていきます。水を凍らせて足場にしたり、槍でスイッチを起動したり、フックショットなどもあります。また、月と太陽のいずれかのモードでしか扱えないアクションもあったりします。
敵の種類は少なめです。基本種のほかに、シールド持ちのバリエーションがあり、白、青、赤の種類があります。いずれも、シールドを破るまではスーパーアーマー持ちです。シールドは一定ダメージを与えることでで解除できますが、破壊しない限りはしばらくすると再生します。青と赤のシールドは、対応する仮面の攻撃が有効です。
敵は集団で出現し、被ダメージ時は受け身みたいのもないので、囲まれるとハメられがちかもしれません。敵は感知しなければ襲ってこないので、むやみに動き回らないほうが安全です。ダッシュのすり抜け判定はあったりなかったりするので、無敵回避として使うにはタイミングを合わせる必要があるのかもしれません。あとは、敵を吹き飛ばして落としたり、壁にぶつけて追加ダメージを与えたりもできます。なんとなくスマブラみたいです。いずれにしろ、ザァオくんの戦闘能力はかなり高いので、敵をばったばったと気持ちよく倒していくようなデザインなのかもしれません。もっといろいろ試してみればよかったです。
成長要素など
敵を倒したり、クリスタルを壊したり、イベントを進行したりすると、「ウーロジー」という経験値みたいなゲージが増え、一定まで溜まると「シャーマンポイント」を獲得します。いわゆるスキルポイントというやつです。スキルツリーは、月と太陽に分かれていて、複数の矢印が接続されている場合は、元になるいずれかのスキルを習得していれば、次のスキルが習得可能です。とはいえ、やっていればそのうち全部取れるので、あまり深く考えずに好きなものを取ればいいと思います。
体力、スピリット、装身具のスロット数は、探索要素を消化することで増えていきます。
装身具は、付け替えができるパッシブスキルみたいなものです。ただ、装備の変更はワークベンチのある場所でしか行えません。入手時にすぐ付けるみたいなこともできません。ワークベンチは、ファストトラベルポイントからも微妙に離れた場所に配置されていたりするし、なんでこういう作りにしたんだろう。回復ポイントを兼ねているからとかそういう理由なのかな。取り立てて言うほどのことではないのかもしれないけど、微妙に不便でした。
その他
ストーリーなど
本作はストーリーにも力が入っているんでしょうね。ただ、僕の感想はいつもどおりで、特に感動などはありませんでした。ラストもまあそうなるわなと言う感じです。
内容は、落ち着けザァオくんとカルンガおじさんのお説教道中記という感じでした。少年よ神話になれ。のっけから、「キジャーナ」「ンガンガ」「エィッフ」など、わからない単語がポンポン出てきて置いていかれたので、ちょっと諦め気味でした。アフリカの言語とかそういうやつだよね。
ザァオくんは、バァバを連呼するので、つい、おばあちゃん子なのかと錯覚してしまったのだけど、お父さんのことでしたね。ちなみに、ママァはママです。バァバはパパです。バーバパパです。
エンドコンテンツなど
クリア時間は、一通り回って8時間ぐらいでした。エンディング後の追加要素はなさそうです。
トロフィーはラスボスを倒したら埋まりました。残りそうなものはエコーなどの収集物ぐらいだと思います。第4幕は、開始前に戻れなくなると警告が出ますが、セーブはされないと思うので、クリア後は直前から再開ができます。なので、時限もなさそうですね。
さいごに
なんとなくリッチな横スクロールアクションゲームで遊びたい方におすすめです。
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