調律師のみなさんこんばんは!
人間だって仮初の命を与えられた屍に過ぎない、ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。
はじめに
「エンダーマグノリア: ブルームインザミスト」は、地下施設で目覚めた「ライラック」くんが、ホムンクルスのお友達を作りながらがんばる探索型サイドビューアクションRPGです。
僕にとって当シリーズは、少々曰く付きなのです。ただ、そこはごく私的な事情であるし、つまらないので端折るけれど、人生の記憶と、そのとき遊んでいた作品の評価がセットになってしまうことってあるよね。実は前作、「ENDER LILIES」もおすすめされて、ちょっと遊んだのだけど、ちょうどその頃はなんだかいろいろ調子が悪くて早々に投げてしまったのであった。なので、続編である本作がリリースされたときも、なんとなく後ろめたい気持ちがあって手が伸びなかったのだけど、意外な方からのレコメンドもあって、とうとう一念発起してのリベンジエンダーですよ。
というわけで、今度こそ終わらせてやるぜ、とやや意気込んで始めたものの、思っていたよりも角が取れたようなゲームでした。限られた見聞からではありますが、もっとコアなゲームであるという先入観を勝手に抱いていたので拍子抜けです。それで、簡単な感想としては、普通に遊びやすいのだけど、すごく夢中になれるほどではないといった感じのアクションゲーム。どちらかといえばライト層をターゲットにしている作品なのだと思います。前作が好評だったせいなのか、箔が付いているような感じはします。
最近は同じような作品で遊びすぎたせいか、ちょっと飽きが来ている気もします。本作においても、この手のジャンルとしては真新しいところはなく、無難なつくりというところが、余計にそう感じさせるのかもしれない。あるいは、女の子が戦うゲームばかりで遊んでいるというのもあるのかもしれない。ゲームクリエイターは昔から女の子が好きなので、ここは仕方がないのだと思っていたけど、最近はプレイヤー側も、そういうのを求めているのかなあ。ただ思うに、本作の場合は、クリエイター側の熱量をあまり感じませんね。クオリティ面は申し分ないのかもしれないけど、なんというかプロダクト感がすごいある。濁りきった僕の目から見たライラックくんは、ビジュアル重視のプレイヤーを引っ掛けるための、無味乾燥なアイドルといった印象しかありませんでした。
あとは、紹介していただいた方に一言申し上げたいのだけど、本作にソウルライクの要素はないと思うよ。まあ、あなたがこれはどう考えてもソウルライクだと言うのであれば、それはそうなのかもしれないが、儂のホムンクルスは違うと言っている。死にゲーからの連想なのかな。それならわからなくはない気がします。まあまあ、そんなことはどうでもいいさね。おしえてくれてどうもありがとう。歳をとると、素直にお礼が言えなくなってよくなかったね。

どんなゲーム
やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。
グラフィックはリッチなイラスト風、モーションも滑らかなので、骨格を持っているような感じなのかな。プレイ中はあまりゆっくり眺めている暇はないし、キャラクターも小さめなので、あまり印象には残らなかったのだけど、実際のところは敵キャラクターも含めてかなり細かく描き込まれています。じっくり眺めたい方は、エクストラ機能の要素を解放しよう。総じて、素材のクオリティは高めなのだと思います。
ストーリー部分では、アニメ風のカットシーンが再生されます。なお、全編を通してボイスはついていません。
サウンドは、儚げなボーカル付きのBGMが特徴だと思います。ニーアオートマタみたいな感じで、僕はなんだかちょっと苦手なのだけど、多分好きな人は好きなんだろうというのはわかります。
UIは小綺麗な感じで、レスポンスは良好です。チュートリアルも充実していて、メニュー内にアーカイブされ、いつでも見返せるのもよかったです。
ゲームの難易度は、レストポイントで、敵のHPや攻撃力などを項目ごとに段階的に設定できます。チャレンジという縛りプレイのような設定もできる。僕は終始デフォルトのノーマルの設定で遊びました。難易度を変更すると、敵を倒したときに得られるフラグメントボーナスの係数が増減します。フラグメントとは、エクストラ機能の項目を解放するために必要なポイントで、ゲーム本編の攻略には関係ありません。エクストラ機能は、登場キャラクターや敵の解説が見れたり、操作キャラクターのスキンを変更したりできるやつです。
ついでなので、こういったアクションゲームの難易度設定について僕の意見を述べておくと、本作のように値をダイレクトに変更できるやつは、放任とも受け取れ、興ざめです。トレーニングマシンじゃないんだからさーと思ってしまう。キャラクター強化の面白さともアンチシナジーで、スキルや装備品などでやっと+10%とかやっているのに、ここ弄るだけで同じかあという気持ちになる。救済措置を設けるにしろ、もう少しゲーム内の仕組みでなんとかならないものなのかと思う。よくあるのは、時間とのトレードで体力回復みたいなやつとか、ミスを繰り返したらヒントが貰えるとか、残機が増えるとか。話を戻すと、こういった仕組みが、このゲームは高難易度だから、という考えだけで導入されているのであれば、それはちょっとプレイヤーを舐め過ぎだと思う。ただ、難しいだけでつまらないのであれば、それは単なるバランス調整不足だし、難しいけど面白いのであればそのバランスをちゃんと主張して納得させてほしい。ゲーマーという生き物は山があれば登ってきたし、他にも山はたくさんあるのだから。




探索など
物語の舞台となる「煙の国」は、下層、中層、上層に分かれており、更にその中に複数のエリアが存在しています。各エリアのロケーションは、鉱山、森、地下水路、魔術学院や研究所、工場など、NPCの集まる街もあります。景観としては綺麗ではあるのだけど、ダークファンタジーのいつものそれという感じで、新鮮味はあまりなかったかな。
マップ機能は充実しています。常に表示されているミニマップのほか、全体マップも開くのが早くてよかったです。移動しながら全体マップ表示もできます。また、収集物なども含めて、コンプリートしたゾーンは青色で塗られていきます。このあたりはちょっと親切すぎるぐらいですね。さらに、定点的に配置されているレストポイントへのいつでもファストトラベルもあり、至れり尽くせりといった感じです。
各エリアの入口は、カギや追加アクションの要求で通行止めがされています。その時点で挑めるボスを倒して仲間を増やしたりキーアイテムを入手しながら、探索範囲を広げていく作りです。序盤から複数のエリアに分岐があるので、攻略順の自由度はそこそこあるのだと思います。各エリアのつくりは広すぎるというほどではありませんが、やや冗長に感じます。スケールが大きいことで、なだらかな地形が作れたり、背景などのアートワークに凝れたりするのかもしれないけど、個人的にはそういうのはあまり重要ではないので、もう少し詰まっている方が好みだったかなあ。
アクションを解禁すると、水中でも活動できるようになります。窒息などはありません。あとは、滝登りもできます。また、高所からの落下ダメージはなし。場外への落下はダメージのみで、即死ではありません。近くの足場から復活します。
収集要素もたくさんあり、隠しゾーンや特定のアクションが必要な場所に配置されていることが多いです。あとで来てねもたくさんあります。いつでもファストトラベルがあるし、未発見のゾーンはマップでも示されるので覚えておく必要はなかったりするのだけど、なんだかなー、こういうのは程度問題だよなーと思います。手に入るものも、お金である「マテリアル」や、スキル強化に使う「スキルパーツ」最大HPを増やす「お守りのかけら」などが分散して置かれている感じです。同じ種類のものは数があると、発見したときの嬉しさも希薄になっていくし、かといって無視するのも損している気分になるしで、やらされている感があります。あとは、やっぱり初見で取れないもどかしさと、このためだけに攻略済みのエリアを戻るだるさは不可避だと思うので、いっそのこと、後でないと取れないアイテムはなくしてしまったほうがいいんじゃないかという気もしてきます。
ほかには「ルヴィ」というNPCのおつかいクエストがあったり、TIPSという世界観やストーリーを補足するテキストが落ちていたりしますが、面白いと思えるほどのものではなかったです。こういうのもなんだか儀礼的に実装されている気がするなあ。というわけで、探索の過程は、ひたすらマップを埋める作業といった印象で、あまりわくわくする感じではありませんでした。








アクションや戦闘など
基本アクションは、スキルによる攻撃が4ボタン、回復、ジャンプ、回避など。ダッシュの挙動はちょっと変わっていて、一度回避を出したあとに、ボタンを押し続けると早く走れるという感じ。
ゲームを進行させて、仲間を増やすことで、追加アクションはどんどん増えていきます。二段ジャンプ、壁破壊、グラップリングワイヤー、壁つかまりもできるようになるので、これはもうニンジャアクションですね。ただまあ、本当に終盤まで解禁されないものもあり、ちょっと小出しにし過ぎな気もしますが。あとは、犬なのか狼なのかわからないけど、ハティくんはもうちょっと速く走ってほしい。
ライラックくんは、調律で仲間にしたホムンクルスたちを呼び出して戦います。これをバトルメンバーと呼びます。バトルメンバーは、メイン、リピート、リキャスト、オートの攻撃種別で分類され、また、それぞれ3種類のスキルを習得します。各ボタンに対応するスキルは任意のものを4つまでセットできます。なお、同じバトルメンバーのスキルは同時にひとつしかセットできません。
スキルは序盤から使えるものでも、広範囲近接、遠距離連射、ヴァリアブルアシスト、置きカウンター、オートタレットなど優秀なものが多いです。スキルは全30種類で、こういうアクションゲームとしては、バリエーションが豊富ですね。ただ、付け替えなくてもあまり困ることがなかったのでいろいろ試さなかったのはちょっと勿体なかったかなあ。
ゲームを進めると、SPというゲージを消費して「調律奥義」という必殺技みたいなものも出せます。SPゲージは敵を攻撃を当てたりすると溜まります。調律奥義もバトルメンバーごとに固有のもので、セットしたスキルに対応した4つのうちから選択して使用できます。とはいえ、いまいち使い所がわからなくて、僕はあまりうまく使えなかったけど、ちゃんと使えれば強いのだと思う。なお、ファストトラベルを行うと、SPゲージはゼロに戻ってしまう仕様みたいです。
回復は、少し長めの前硬直があります。回復できる回数には制限があり、基本は3回です。回復力や回復回数は装備のステータス補正により変動する点は覚えておこう。
回避は、長い無敵時間があります。また「シェル」という装備品を入手すると、ニュートラル状態でパリィのような動きができるようになり、成功時には反撃などの追加効果が発生します。そのうえ、モーションも短めで、連続で使用でき、判定もゆるめです。なので、特にボス戦では敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押しながら攻撃し続けるという、エクストリームお餅つきゲーになりがちですが、まあこれはこれでアリなんじゃないかと思わなくもないです。
道中は敵との戦闘が主な障壁になっています。敵はファストトラベルや、レストポイントで休むと復活します。キャラクターのレベルや装備の構成にも依ると思うけど、ザコ敵も硬めに感じます。でかいのは硬くてもいいのだけど、小さいやつはもう少し柔らかめな方がテンポが良くなると思います。こちらの攻撃も高速なので何度も斬ったり撃ったりしていると、見た目の爽快感がなくなっていくように感じます。あと、でかめの敵がいるのはわくわくしてよかったのだけど、倒してもプシュっと消えるのは味気ないですね。こういうのは肉塊をまき散らしながらグシャバキギャオォォーンっとやってほしかったところです。
敵はHPのほかに「ダウンゲージ」というものを持ち、削り切ると吹き飛んだり倒れたりして一定時間無防備になります。浮いているようなやつは落下して追加ダメージも与えられます。ダウンゲージは攻撃を当てると減少しますが、時間回復はしていない気がします。ほかには、部位破壊というシステムがあり、落下ダメージや突進など特定の攻撃を当てると発生します。部位破壊を行うと「ジャンク」というリソースが追加で得られます。ただ、やっぱり面倒なのであえて狙う気にはなれませんでした。ダウン状態と統合してしまってもいい気もします。
あとは「炎上」「凍結」「麻痺」といったバッドステータスもあります。それぞれスリップダメージ、移動速度低下、攻撃力と防御力ダウンといった効果があるようです。状態異常を発生させるためには、対応する属性の攻撃を当てる必要があるので、プレイヤー側が付与する手段は限られます。このあたりも試せずに終わってしまったのは少し残念でした。
敵の攻撃力は高めです。なお、敵との接触ダメージは基本的にありません。被ダメージ時の無敵時間は短いので、敵の数が多かったり位置が悪いと多段ヒットで簡単に死んでしまいます。それはまあいいのだけど、一度の攻撃で複数回判定がある攻撃も多いです。電撃とか煙とかそういうやつ。こういうので死んでしまうとあんまりおもしろくなかったです。攻撃判定は、1回当たったら消えるぐらいのほうがいいんじゃないかなーと思いました。
死んでしまったら直前のレストポイントから戻り復活です。デスペナは存在せず、位置が戻されて敵も復活するというぐらいです。ボス戦の場合はリトライが快適でよかったのだけど、探索においては、また同じ道を行くのかーだるいなーという気分になってしまいます。まあ、これは僕が不真面目なだけで、何らかのペナルティがないと真剣に取り組めないというのもどうかと思うので、ほとんどのプレイヤーにとってはデスペナなんてないほうがいいのだと思う。と、最近は思う。
ボス戦はたくさんあり、基本はオーソドックスな覚えゲーという印象です。ある程度削ると行動パターンが強化されるというよくあるタイプ。例のごとくダメージは高めで初見殺しっぽい感じはあるけど、パターンは分かりやすいので慣れれば楽になると思います。昔のアクションゲームみたいに一撃で死なないだけいいですね。そういうわけでアクション性が重視される反面、ボスごとに有効な装備品やスキルを付け替えたりなどのタクティカルな攻略法はあまりなさそうでした。まあ、いつでもオレの考えた最強ビルドでやれると思えば、それはそれでいいのかもしれない。終盤になるにつれビルドの幅も広がっていくし、レベリングによってステータスを上げたりもできるので、ゴリ押し気味でもなんとかなるようなバランスになっているのだと思いました。








成長要素など
敵を倒すとEXPを獲得し、一定の値まで溜まるとごとにライラックくんのレベルが上がります。レベルが上がると、攻撃力と防御力のステータスが少し増加します。レベルは割とサクサク上がるので、稼ぎプレイみたいなことはしませんでした。ただ、取得経験値アップのレリックは最後まで付けていたのだけど。
レリックは、付替えのできるパッシブスキルみたいなものです。コストの範囲内で、最大10個まで装備ができます。コストの上限は「魔導管」というアイテムを入手すると上がります。装備するレリックやスキルの組み合わせによってプレイ感覚は結構変わるので、このあたりにRPGっぽい面白さがあるのかもしれません。ただ、僕は稼ぎアクセサリ外せない症候群を患っているので、枠が半分ぐらい埋まってしまうんだよね…。装備し直すのが手間に思えてボス戦でも外さないほどのずぼらさはちょっと反省しているよ。
レリックは1段階の強化ができるものが多いです。強化すると、補正値が上がったり装備コストが下がったりします。強化には、ジャンクというリソースを要求されます。ジャンクを部位破壊で稼ぐのはちょっとだるいという僕のようなプレイヤーは、レリック「首のない金象」を付けておけば普通に敵を倒したときにも少しずつ貯まると思います。
装備品は「シェル」「バングル」「エイド」の3種類があります。うち、バングルは左右に装備できるので全部で4枠あります。バングルの数はやたらと多いけれど、まあ新しくて強いのを買ったり拾ったりして付け替えていくだけですね。SPゲージを2本にしたい場合は、SPのステータス補正のあるエイドを装備しよう。
街にはクラフトショップという施設があり「マテリアル」というリソースと、装備品や強化アイテムなどを交換できます。ショップのラインナップは、探索などで「グリモア」を入手することで増えていきます。マテリアルは、ただ敵を倒しているだけでは手に入らない点は注意です。探索の収集要素として固定配置されているほか、稼ぎたい場合は、復活する箱などの破壊可能なオブジェクトを攻撃して入手します。こういうのは、分けたところで面倒なだけで面白さには繋がっていないのでは?と思ってしまう僕のようなプレイヤーは、レリック「首のない金象」を付けておけば普通に敵を倒したときにも少しずつ貯まると思います。
バトルメンバーのスキルの解放や強化ができる「スキルパーツ」もいろいろな場所に散らばっています。パーツの種類もたくさんあって、それぞれ対応しているスキルは決まっているので、これもまあやっていくだけという感じです。最終的には全部最大にできるので、好きな順番で上げていこう。
といった感じで、レリックあたりは特にプレイヤーの趣味が出そうなところです。僕は、アクションゲームだったら、まずは防御力(ある場合)というタイプかなー。それは、火力を盛ったけどビビって1回しか殴れないぐらいなら、その分ガードを固めて2回殴れば同じといった、気持ちの問題によるところが大きい気がする。まあ、死ななければ勝てるでしょ、といって毎度DPSチェックでうぐぐとなっているのだけど、本作ではそういう意地悪なのはなさそうなので安心です。それどころか、攻撃ヒットで回復みたいなレリックもあったりして、これは追い風ですね。みんなもいろいろ試してみよう。
なお、スキルや装備、レリックは、レストポイントのメニューでしか付け替えることができません。そうせざるを得ない何らかの理由があるのかもしれないけれど、やっぱり不便に感じてしまいます。また、レリックの強化も、街の特定のポイントでしか行えません。ファストトラベルは一瞬であるとはいえ、形式的な気がしてしまうので、レストポイントでできてもいいように思います。スキルの強化はできるわけなんだし。仲間にしたホムンクルスがやってくれるみたいな感じじゃあダメなのかな。
ついでなので言っておくと「スキルのセット」と「スキルの拡張」のメニューが分かれているのも、ちょっと気になりました。まとめてしまったほうがスッキリしていいんじゃないだろうかとか。あとは、スキルやレリックの付替えの操作に、なんとも言えない気持ち悪さを感じました。こういうレイアウトに不慣れなだけなのかもしれないけど、一覧の方に「外す」コマンドはいるのだろうか、という気分になる。まず、スロットを選んでから、一覧から入れ替えるものを選ぶみたいな動きだけできればいいんじゃないかなー。装備のほうはそんな感じになっているのに、なんなんだろう。








その他
ストーリーなど
ボス戦前後や、新エリアへの進入時など、特定のポイントでは会話イベントが発生します。ほかには、街などには会話ができるNPCがいたり、レストポイントでは仲間にしたお友達と会話するコマンドがあったりします。
それで、肝心の中身はというと、正直あまり頭に入ってこなかったのだけど、取るに足らない内容といった感じで面白味はなかったかなあ。各キャラクターの台詞回しも、どこか安っぽくて、面白くない少年マンガのようで面白くない。退廃的でダークな世界観とは裏腹に、敵側も含めて結局みんなどこかいいヤツというオチなのも腑に落ちない。
それから、こういう作品における記憶喪失の設定は、都合がよい一方で、諸刃の剣でもあるよな、ということも思う。主人公が一時的にまっさらな状態であれば、物語の開始時点でプレイヤーとも視点が合わせられるし、記憶を取り戻すという分かりやすい目的も設定できる。であれば、ライラックくんは喋らないほうがよかったんじゃないかなー。彼女が僕らプレイヤーの存在を無視して、品行方正なセリフを吐く様は、傍から見ていてひどく滑稽なものに感じられるよ。それはさあ、まあ、そうなんだけど、君を操作しているのは僕なんだぜっ。
あとは、些細なことだけど「風の噂」は重複表現です。「風の便り」という言葉を知っているか?と注意されたことがあるからか、いちいちこういうのが気になってしまう。こうした事象を目にするたびに僕は、別に意味は伝わるので構わんさ、という思いと、過去の自分と同じ間違えをするとは青臭いやつめ、という気持ちが同時に湧いてきて、物語への集中力が霧散していく。ちなみに、はっきりとした根拠はないのだけど「風の噂」が市民権を得るきっかけになったのはドラクエの仕業だと思う。「ドラクエでもそう言っていたんだが?あなたはそのときも同じ指摘をしたのでしょうか」と返せば、大体の古参ゲーマーガミガミおじさんは撃退できるはず。覚えておこう。












エンドコンテンツなど
全体としてのボリュームはそこそこあるのだけど、やっと上層に着いたと思ったら、さくっと終わります。ラスボスも呆気なくて、なんだか盛り上がりに欠けるなあと思いました。初回クリア時点でのプレイ時間は15時間ほど、レベルは69でした。てっきり2周目があるものだと思っていたけど、そういうのはないみたいですね。エンディング後は、直前のレストポイントから再開になります。
エンディングは2パターンあり、いわゆる真エンドに到達するためには、NPCイベントをこなしてキーアイテムを入手している必要があります。僕は、ノーマルエンドの時点で行けるところはほぼ埋めたつもりだったのだけど、石板を渡せるNPCがいないなーとなってずっとぐるぐるしていました。「根源の地の石板」は「巫女の末裔」の一連のイベントで必要になるアイテムです。僕の場合は「魔術学院」の地下エリアにピンポイントで見落としがあったのだけど、たぶんもっと早くから始められるのだと思う。マップの表示も青くなっていたので気付かなかったよ。そして、いきなり出てきてあんた誰やという感じなのだけど、セリフなどから察するに、たぶん前作の主人公とかそういうやつなのだと思う。
あとは、イベントを順当に進めて入手できる「リリアの穢れた指輪」のレリックを装備し、強化されたラスボスを倒せば真エンドです。うーん、何が起きたのかはいまいちよくわからなかったけど、めでたしめでたしでいいのかな。




トロフィー関連で残ったものは「怖いものなし」と「至高の調律師」でした。
「怖いものなし」は、最大HPを最大まで上げれば獲得できます。要は「お守りのかけら」44個と「お守りの原石」4個を全部集めればよい。僕の場合は、お守りのかけらが43個の時点で、これまたマップは全部青いはずなのになぜだーとまた最初のエリアからしらみつぶしに探し回ってしまい、相当な時間を浪費しました。それでも手がかりが掴めず、もしかしてレベルを上げないといけないのか、でもHPは上がっていない気がするし、バングルを付け替えてもゲージが最大まで届かない…などとドツボにはまる始末。もし、君が同じような状況に陥っているのなら、44個目はたぶんラスボスの部屋にあるよ。やられたぜ。ここだけ青くなっていないのは、ボスイベントが残っているだけだと勘違いしていた。君もそうだろう?
「至高の調律師」は、すべてのスキルを最大まで強化すれば獲得できます。最後のグリモアを入手すると、ショップのラインナップに「最上級の部品」が雑に追加されます。同じタイミングで大量に追加される「魔導管」よりも優先して買っておこう。マテリアルは、稼ぎレリックをつけて終盤のエリアを何周かすれば、すぐに貯まると思います。消化試合感のあるだるさは否めないけどね。


さいごに
なんとなくリッチな横スクロールアクションRPGで遊びたい方におすすめです。
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