おもたろうのリミテ万歳! D&D:フォーゴトン・レルム探訪(AFR):環境アップデート編

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そうなんだ、またもやフォーゴトンレルムなんだ。皆さん8月のシーズンはいかがでしたでしょうか。次回の予選フォーマットがシールドということもあり、いつもよりリミテッドランクが白熱していましたね。来週からはイニストラードのプレビューも多く出てくるでしょうし、ここいらでフォーゴトンレルムの振り返りとして記事を作成したいと相成ったわけです。一応まだまだフォーゴトンレルムのプレミアムドラフトも続き、クイックドラフトも始まりますので、何かの参考していただければと思います。環境アップデート編としてできれば以前の記事と合わせてごらんいただければ幸いです。


それではダンジョンに探検にいきましょう!

各アーキタイプの勝率

フォーゴトンレルム10種のアーキタイプはそれぞれ2色で構成されます。8/3から8/26日現在で勝率から見るTierは大きく変化していないようにみえます。

ただ前回記事から僕の主観としては黒白のTierを上げて評価したいです。逆に個人的な評価としては緑赤は下げて考えています。

Tier評価(おもたろう主観)

  • Tier1:赤黒(除去宝物サクリファイス)
  • Tier2:赤緑(集団戦術)、緑白(ライフゲイン)、黒白(ダンジョン)
  • Tier3:赤白(装備品)、緑黒(陰鬱)、青黒(アンプロ)
  • Tier4:緑青(ランプ)、赤青(ダイス)、青白(ダンジョン)

赤黒の牙城は相変わらず強く険しいものですが、環境のベストデッキであることが周知の事実となったため、以前のように忠誠の代価、墓所のグールを無限にかき集めるということは難しくなりました。下手にパクリファイスパーツを流すと下にシグナルを与えかねなく、やると決めたならレアやアンコモンを流しパーツを取る覚悟がいるでしょう。また赤黒といえど生半可なシナジーでは、完成した緑白やボムレアには対抗できません。今回のアーキドラフトをするうえで念頭に置くべきことは、狙っているアーキのゲームプランにあったカードの点数を上げてピックしなければいけないということです。何を当たり前なことを言っているんだと思われるかもしれませんが、意外とこのカードは前使ったとき強いからという感覚でピックしてしまいがちです。例えば白のともに優秀な4マナ域、ペガサスと古参の迷路探索者ですが、赤白では回避能力のあるペガサス、黒白ではETBでアドが得られる古参の迷路探索者の評価を上げるべきです。次にそうしたアーキごとのプランを詳しく見ていきましょう。

各アーキタイプのゲームレンジ

よくマジックのデッキタイプをアグロ、ミッドレンジ、コントロールと大きく3種に分けて言いますが、フォーゴトンレルムではいわゆるコントロールに向いていません。考えるべきは赤が絡んでいるかどうかということです。赤黒、赤白、赤緑は相手にアドバンテージとクリーチャーサイズを稼がれる前に倒すデッキ、その他のデッキは赤に轢き殺されないようにしたうえで稼いだアドバンテージかクリーチャーサイズで押しつぶすデッキとといえるでしょう。ではそれぞれどんなカードを採用すべきなのか考えてみます。赤系のデッキは高速で相手のライフを0にし、相手に手札のカードをすべて使わせないで勝つ(ある意味アドバンテージ)という思想なので、いかにアタックを通せるかを意識する必要があります。それが除去に加えて、赤黒ならパクリファイスコンボであり、赤白なら装備によるサイズ差、回避能力(威迫、飛行)、赤緑なら集団戦術になるわけです。そうしたプランに合うカードをピックする必要があるでしょう。

赤系の高速デッキで外すことはできないのがホブゴブリンの隊長です。このカードに対する対策があるかないかで赤系のデッキに対する勝率が左右されます。例えば先手2ターン目隊長、3ターンバグベアの動きは除去以外に極端に返すカードが限られます。もし相手が赤黒で2ターン目隊長、3ターン目隊長と黒1マナ立ててフェインデスを構えられたら除去ですら対策になりません。溜め込むオーガはダイスを振る関係上、赤青用のパーツにも見えますが、赤屈指の強コモンです。アタックするだけで宝物が得られるのは、高速で展開あるいは2アクションしたいデッキにとっておまけにしてはあまりに強力です。3/3のサイズは平凡ですが、4マナ以下で一方取れるカードは、迷路探索者か隠れ潜むローパーしかいませんので、除去以外にダイスを振らせないというのは意外に難しかったりします。赤の最強コモンであるドラゴンの火はデッキを選びません。高速デッキでもその他でも、どんなデッキで使っても強いです。高速デッキでは4マナ域でブロッカーをどかしつつ、2マナクリーチャーを追加する動きが強いです。

環境トップである赤黒が高速デッキに位置する為、その他のデッキは否が応でもホブゴブ対策(赤黒の脅威はホブゴブだけではありませんが)が必要となってきます。具体的にはライフゲインかタフ4か軽量除去で下記のようになるでしょう。

  • 白系:ポータブルホール、君は見張り~、不動のパラディン、古参の迷路探索者。
  • 黒系:よろめく怪異はホブゴブに対しベストな回答です。レイオブ~、スカルポートの商人、急な落下、パワーワードキル、吸血鬼の落とし子
  • 緑系:隠れ潜むローパー、月の円環のドルイド、森の導き手、鼓舞するバード、ヒルジャイアント
  • 青:青は最も苦手とします。レイオブフロスト、道探し、ベストは竜亀。

幸いなことに上記のカードはいずれもホブゴブ対策を考慮しなくても優秀なカードであるということで、優秀なカードとして意識的にピック出来れば自然と対策が出来ています。赤の対策が出来たら次にデッキプランに合うカードを入れなければなりません。アドバンテージ系デッキ(黒白、緑黒、青黒、青白、緑白、緑青):基本的に赤以外のデッキはアドバンテージにより勝つデッキといえるでしょう。青白も飛行でライフレースをするよりもアドを稼いで盤面を固めたうえで飛行でフィニッシュする動きが求められます。ゲームに勝つには最終的に相手のライフを0にするわけですが、大事なのは相手のライフを0にするための手段ではなく、小さくてもアドバンテージを積み重ねて、物量差によってやられる理由がないというところまで持っていくことです。とにかく1:1以上の交換をし続け、相手のリソースを枯らすことが目的になります。そのために必要なのが、ETB能力、ダンジョン探索、クリーチャーサイズ、ドローなわけです。除去も当然必要ですがほとんどの除去は1:1交換の域を出ないので、こういったデッキはそれだけでは勝てません。

ダンジョン探索は0.25程度の小さなアドバンテージを積み重ねるもので一見地味ですが塵も積もれば山となるを体現したシステムです。一番わかりやすいのが、急な落下、古参の迷路探索者、ゲートを塞げ、でどれも使った時点で1:1交換以上が確定しています。アドバンテージ系デッキにはETBやPIG(ゾンビオーガなど)のダンジョン探索を積極的に採用しましょう。ETBにクリーチャーに対してはフェインデスも1マナで1:1以上の効果があり有用です。クリーチャーサイズも基本的な思想は同じで、1:1以上の交換を押し付けることでアドバンテージを稼ぐものです。例えばヒルジャイアントやカウンターで巨大になったユニコーンを倒すためには確定除去以外には大きなリソースが必要となります。こうした交換を繰り返すことで相手のリソースを枯らしていくのです。ドローは最も単純なアドバンテージ手段です。カードを引くと書いてあるカードは強いです。ただドローをするだけのカードは赤への対策を十分行えているかで採用を考える必要があります。こうしたアドバンテージ系デッキではマナフラッド状態でも継続的にリソースを稼ぐことが求められるので、赤系のデッキでは見送られがちな、松明やダンジョンの地図すらも肯定的に採用できます。

残った赤青ですが、色を寄せることで赤系のデッキとしても、青系のアドバンテージ系のデッキとしても振舞うことができます。オールマイティというわけではなく、どちらかに特化させなければ非常に中途半端なデッキになってしまうので難しいピックのデッキといえるでしょう。このように各アーキでゲームプランが異なりますので、ピック時はもちろん、対戦相手の土地の色からゲームプランを推測してカードを切ることも時として重要になります。

次は環境のポイント、もう少しニッチなことろを見ていきましょう。

序盤の攻防でゲームが決まりかねない

これは以前の記事でも書いていますが、改めて思う重要な部分です。本環境で2マナ以下でクリーチャーを出さない、除去を撃たないというのは、マウントを取られ続ける覚悟がいります。先手なら3ターン目、後手なら2ターン目に動けないハンドはキープすべきではないでしょう。序盤から責め立てる赤系のデッキはもちろんですが、アドバンテージ系のデッキでも序盤で動けないというのは結果的に大きなアドバンテージロスを伴います。

6マナは強い

ファッティは珍しくちゃんと強いです。白だけにはコモンで6マナが存在しませんが、各色どれも1枚ならすんなり入れられる強さがあります。大気教団は青の時間稼ぎ兼フライヤー、ビホルダーはクラスを除去れたり、威迫でフィニッシュもできます。中でも特筆すべきは大地教団の精霊とヒルジャイアントです。大地教団の精霊は赤黒で特に強力な1枚で、相手が土地が十分にない段階から宝物から加速して出すことができれば苦渋の選択を迫ることが出来ます。またタフ6は疑似的な除去耐性(火の玉と見張りが効かない)であり、色によっては回答がなくそのまま殴りきることができます。ヒルジャイアントは同じくサイズとライフゲインが優秀で、アドバンテージ系のデッキのマナトップとしてほしいものを持っています。長めのゲームプランを持つ緑系のデッキでは2枚入ってもおかしくないでしょう。クレリッククラスで戻すと赤は自決します。

タッチはすべきか

宝物を擁する赤か黒ならばレアのカードパワーは積極的に採用すべきでしょう。具体的にはよろめく怪異、スカルポートの商人、命取りの論争、間に合わせの武器、溜め込むオーガがピック出来ていれば無理なく採用できます。その他の色に関してはダブルシンボルのカードが強い関係上2色にまとめたいので、ボム以外は見送るべきかと思います。除去程度であれば色の合うバットリで代用するなりした方いいでしょう。ダンジョン探索により宝物を出すことが出来ますが、最低でも2回潜らなければいけないので構築によってはうまくいかない場合も多いです。またその場合も一回出せればいいカード(死神のタリスマン等)に限定され、クラスなどには向いていません。

エンチャント/アーティファクト破壊

エンチャントは青白の除去に加え、デッキのキーカードになりやすクラスを担っているため意外とよく見かけます。黎明運びのクレリック、悪意のビホルダーはどちらも単体でもカード1枚分の価値はあるので積極的に採用してよいでしょう。アーティファクトでキーカードとなり得るのは、死神のタリスマンと板金鎧です。どちらも強力な装備品で野放しにしておくとそれだけで負ける可能性があります。最適な解答は略取するバーバリンで宝物を出すのも強力なので十分採用に値します。君は囚人を見つけたもモード選択ができるので、腐ることはなくデッキの22,23枚目を埋めるカードして悪くないでしょう。君は呪いの~は両方に対処できるカードです。緑系のデッキプランとしてはロングゲームになりがちなので、継続的なアドバンテージ源になりやすいエンチャ/アーティファクトに対処できるのは大きいです。マナスクリュー時に宝物とダンジョン探索による占術が出来る点も緊急手段としてよいです。総じて1枚ならば採用に値するカードでしょう。

各色のもっと注目すべきカード

最後に個人的に以前の記事から評価が上がったカードをピックアップしたいと思います(これらがベストなカードなわけではありません)

不動のパラディンは最強の2マナ域筆頭でも過言ではありません。絆魂という能力が緑白のプランに合っているだけでなく、ライフレースを仕掛けるあらゆる赤系のデッキに強いです。黎明運びのクレリックはクラス戦略を強力に咎めることが出来ます。これが手札にある場合、相手にクラスのレベルを上げさせ、テンポを失わせることも考慮に入れましょう。ポータブルホールは1マナが早期の2アクションを可能にするため、有用です。クラスを除去できる点も見逃せません。松明は修正値は地味ですが、飛行に持たせることで継続的なアドバンテージ源に変えることが出来ます。古参の迷路探索者は正直侮っていました。出た瞬間にアドを得、タフ4により、3マナ以下をがっちり止めます。アドバンテージ系のデッキでベストな4マナ域です。

武器庫の古参は装備品の付け先としてドワーフホールドの勇者より優秀です。一番強力なのは死神のタリスマンとの組み合わせで、相手は不利なトレードを嫌い2マナ域に除去を使わざるを得なくなります。間に合わせの武器は2マナ、3マナクリーチャーへの回答として優れており、宝物によるタッチやマナ加速が思ったよりも強力でした。溜め込むオーガは先述した通りでここから大地教団の精霊の流れはコモンながら侮れません。群がるゴブリンのトークンを出すというのはムラがありますが2匹でれば相当強いですね。装備先や雄叫ぶゴブリンによる鉄砲玉、生贄、チャンプ、等用途は様々です。大地教団の精霊は赤には珍しい緑と同レベルのファッティです。サイコロ4,5,6マナが単体でも強いので攻めるデッキとしてバーバリアンクラスも肯定できます。

よろめく怪異は3/1,2/1を牽制し、いざとれば宝物による色も解決できる非常に汎用性の高い1枚です。ほとんどの2マナ域よりも優先されます。ウォーロッククラスはレベル2によりアドが回収でき、レベル3はフィニッシャーとして十分な性能があります。特に死神のタリスマンによる強制ダメージは強力です。吸血鬼の落とし子は出すだけでライフレースを有利にできるクリーチャーで、フェインデスと合わせると4点ゲインと3/4が立ちはだかることになり赤系のデッキはげっそりします。フェインデスはボムを守る、ETB能力を使いまわすということを1マナでできるという点が非常に評価できます。アドバンテージ系のデッキでは是非採用したい1枚です。ゾンビオーガはタフ5により盤面を膠着させ、能力により着実にアドバンテージを稼げる黒の優秀な5マナ域です。白黒ダンジョンではアライさんよりも優先されます。急な落下やユアンティの毒牙刃等と相性がいいです。

雄牛の筋力はアンタップとトランプルがとても器用な1枚です。単純にコンバットトリックして使いダメージを通したり、タフネス修正により除去を交わしたり、ダメージ誘発のカードとのコンボパーツとしても優秀です。2枚くらいいれても使い道に困ることはないでしょう。武器を選択せよはドラゴンを打ち落とすことが出来、2倍修正もファッティをダブルブロックから守ることが出来ます。雄牛の筋力と合わせて1撃20点ということもできます。森の導き手は地味ですがまったく弱いことが書いておらず、緑白のパーツに収まる器ではありません。警戒を活かした装備先とすればライフレースを大きく傾かせるでしょう。レンジャーはほぼすべての飛行クリーチャーと相打ちできる本体に2/2におまけがついた1枚で、アウルベアにも劣らないアドバンテージ系クリーチャーです。除去1枚で対処できないという点も押されている局面でありがたいです。ヒルジャイアントは緑の強さの根源です。ほぼいれない理由がありません。

秘儀の調査員はアドバンテージ系のデッキにおいて優秀な2マナ域です。終盤引いてもうれしい、序盤の相打ち要員は貴重です。ゲートを塞げは急な落下に似ています。アドバンテージがついたクリーチャー除去と考えれば相当優秀です。このカードを有効に使うためには構える為の盤面づくりが必要になります。奇抜な弟子はアド内蔵のフライヤーで青のベストな3マナ域です。除去されなければ常に殴り続けるゲームも多いです。賢い妖術師は緑青のランプとして必要になります。ファインドザパスはブロッカーを立てられないため環境に合っていません。ローパーやファッティに疑似警戒を付ける手段としても使えます。何かと誤植が多い竜亀君ですが、青の欲しい、タップによる時間稼ぎ、瞬速、高いタフネスのあらゆる要素が組み込まれています。伊達にレアではありません。

総括

フォーゴトンレルムはどのアーキにもやれば発見があり、とても面白い環境だと思います。イニストラードにも期待したいですね。

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