ゲームの感想:Graze Counter GM

PS5

男の娘のみなさんこんばんは!

漢はかすって倍返し。ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。

azarashiX
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アイコンはどう見えても犬だがazarashiX。略してX。
ゲームは思い出づくりと語るおじいちゃん。気圧の変化に弱い。
クリエイターのこだわりが感じられる作品が好き。
基本的に文句が多いが、本人は楽しんでいるらしい。

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はじめに

「Graze Counter GM」は、どことなく90年代後半テイストのする縦スクロールシューティングです。カスり(グレイズ)でゲージを溜めて、強力な攻撃ができるシステムが特徴です。

縦シューで遊ぶのも久しぶりです。こういうのが逆に新鮮に感じるようになってしまうとはね。本作においても、往年の名作のオマージュっぽいものがちらほらあり、懐かしい気分になります。特に、超連射68Kに寄っている気がするのは、僕の思い出が濃いせいなのかもしれません。とはいえ、ゲーム自体の作りは今風にリファインされているので、とても遊びやすいです。特別目新しさは感じないものの、STGの面白さの核となるようないくつもの要素がバランスよく詰め込まれています。初級者用の難易度が用意されているところも偉くて、STGであまり遊んだことのないプレイヤーにもおすすめです。

ところで、本作のようないわゆる2DSTGは、今は下火だけれど、一昔前はそれなりに流行りのジャンルでもありました。その頃はシューティングが上手い人は「スゲエ!カッコいい!」とか言われてたりしたんですよ。それこそ、アーケードとかだとギャラリーがついていたりしていた。ただまあ、そのせいもあるのかいろいろ難しくなりすぎて、実際にプレイする人は減っていって衰退したんだけどね。それに引き換え最近は、コンソール向けの作品なんかは作る人たちの数も増えているだろうし、このままいけば、2DSTGが息を吹き返す日もそう遠くはないのかもしれません。ちなみに、僕は挫折組のほうなので、腕前は全然大したことはないのだけど、割と好きなジャンルではあります。僕も含めて、未だに熱心なファンは一定数いると思うし、これからもこういう作品は作られ続けてくれると嬉しいなあ。Shmups never die!

どんなゲーム

やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。

グラフィックはドット絵です。解像度は低めで、ゲームプレイは問題ないのですが、数字フォントの視認性はイマイチです。4と9をよく間違えてしまいます。

BGMはいきなりアゲアゲな感じなので、最初はちょっと小っ恥ずかしくなったけどすぐに慣れました。そうそう、シューティングはこういう感じだよねという曲が多くてよかったです。SEも、撃ち込み音やカスリ音、予備動作音など、ちゃんと情報として使える細かい音が沢山鳴っていてよかったです。こういうところは特に大事だと思います。

操作性はシンプルで良好なので、初めて遊ぶ気がしないです。ただ、スロウのボタンはデフォルトだと押しにくいので、ボタンコンフィグでショットをR1に変更していました。ショット時に遅くなるように変更もできますが、ショットボタンは大体押しっぱなしだし分けたいよね。コンフィグはその他の項目も充実しているので、はじめに設定を確認しておくと快適に遊べると思います。

基本的な流れなど

ワンゲームは、1周エンドで5ステージ、最後までやって20分ぐらいです。ステージ2と4は、ルート分岐というか、2択のステージセレクトがあります。また、エクストラモードには全7ステージを通しでプレイするオールステージモードもあります。

ゲームを開始時にはゲームモードを選択します。スタンダードとアンリミテッドの2種類があり、アンリミテッドのほうが難しいモードです。僕は、ほぼスタンダードでしか遊ばなかったのだけど、変わるのは撃ち返し弾の有無だけなのかな。わからない方のために簡単に説明すると、撃ち返し弾というのは、敵を倒したときにも自機狙い弾などが発射される追加ルールのことです。動かないと当たって死ぬし、弾速が遅いことが多いので、大きく動くと追い詰められて死ぬみたいなバランスがよくあるやつな気がします。本作における実装については、リスクとリターンの調整という意味では理にかなっているような気がするけれど、個人的にはあまり楽しくないシステムだし、こういうのは色々制約があった時代の窮余の策みたいな印象が強いので、なんかもっといい仕組みが発明されないかなーと思っています。ゲームモード選択の話に戻ると、この後にまた難易度を選ぶというフローが若干煩雑なので、毎回いちいち選ばせずに、統合するかタイトル画面などで切り替えるような感じにしたほうがわかりやすいかなあと思いました。

プレイヤー機体は全16種類、初期は2種類で、残りの機体は繰り返し遊んでいるといつの間にか増えています。アンロック条件はわからなかったけど、ワンゲームクリアとかなのかな。特別なプレイングは要求されていないと思います。機体はパイロットのキャラクターもセットになっていて、はじめの4人にはプレイ中にストーリー的な演出があります。ボス前の会話イベントがあるのと、エンディングでテキストが流れるぐらいなので、ゲーム的にはおまけ程度の要素です。ところで、近頃は戦闘機はあまりウケがよくないのか、キャラクター本人が飛ぶシューティングが増えた気がするけれど、本作はちゃんと機体があります。僕はこっちの方が好きだなあ。なお、本人が飛ぶのが好きな方は、そういうキャラクターもいるので安心ですね。機体の性能は、ショットの広さと移動スピード、あとは後述するスキルカードで分かれている感じでしょうか。僕はあまり動きたくないので、ワイドショットが好きです。はじめの4機でいえばTYPE-3ということだね。

機体の選択後は、スキルカードを3つのうちから1つ選択して、プレイヤーに有利なルールを追加します。クリアを目指すだけなら「オートシールド」が安定だと思います。なお、スタンダード以外の12機のスキルは固定ですが、ユニークなものが多いので、プレイ感覚が変わって楽しいですよ。シングルプレイヤーのゲームにおいては、各機体を横並びでバランシングするよりは、本作のように、強いやつ、弱いやつ、クセのあるやつみたいに、むしろ性能差があるデザインにしたほうが面白いよなあと思います。期待値が変わらないなら自分が使いやすい機体でしか遊ばなくなるけど、ゲームプレイ自体が変わるのであれば比較することもないし、他の機体も試してみようかという気分になりやすいんじゃないかな。

最後に難易度を「Novice」「Original」「Hard」「Extreme」の4段階から選択します。難易度が上がるほど、敵弾の数が増えて難しくなります。デフォルトのノービスはかなり易しめかつ優しめで、初見でワンコインクリアできてしまうほどです。手練れのシューターならオリジナルでもいけるかもしれません。何にせよ、まずは、低難易度ではじめて敵配置や、ボスの攻撃パターンを覚えるのがおすすめです。徐々にステップアップしていけるようなフローが用意されていることは、一周が短めなつくりともマッチしていると思います。

ステージ景観は多彩で、ワクワク感があります。宇宙に始まり、宇宙に終わる、そしてやっぱり高速スクロール面は必要だよね。各ステージの構成自体はシンプルで、弾を避けて敵を撃って進んで、最奥にいるボスを撃破すればステージクリアです。自機の攻撃手段もわかりやすいのですぐに慣れると思うけど、まずは、カスって、グレイズカウンターを撃って、ブレイクモードを発動する、という流れを覚えよう。

自機と敵弾などが近づくと、カスり判定になり「カウンターゲージ」が溜まります。また、スコア倍率が上昇します。なので、稼ぐためには敵弾を撃たせるために、敵機をわざと残しておくなど、ちょっと本来的でないプレイイングが要求されるシーンもあるかもしれません。敵のHP表示もそのためなのかな。出現位置を覚えて即撃破というアクションにブレーキをかける要素にはなっています。まあでも、それは難易度がノービスかオリジナルぐらいの場合の話で、ハード以降であれば敵弾の嵐になるのでそんなことを考えている余裕はないでしょう。ちなみに、敵機本体にもグレイズ判定はあります。固定弾しか撃たない舐めプ中型機には横から張り付こう。さらに、能動的にカスりにいかせるためか、自機狙いの奇数弾の割合も少なめです。よくできていますね。

カウンターゲージが半分以上溜まると、ゲージを消費して「グレイズカウンター」という強力な攻撃が発動できます。ゲージが最大であれば無敵もつくし、攻撃判定はほとんどの敵弾を消すことができます。敵の攻撃パターンを覚えて、弾幕を抜けたりなど、攻防一体の使い方ができるとよいと思います。ところで、本作は敵弾は多いけれど、どこかの弾幕ゲーみたいに、遅い弾がゲロゲロ放射されてイライラ棒をやらされる感じではありません。本作のようなゲージ制の回避技は、見た目の圧と難易度のバランスをとるための優れたソリューションだと思います。よくあるのは弾消しボムのシステムだけど、ストック制は使うタイミングが難しかったりするので、僕は気軽に使えるこういうほうがいいな。

グレイズカウンターを敵や敵弾にヒットさせると星アイテムが出現します。星アイテムを集めると「ブレイクゲージ」が溜まっていき、最大まで溜まるとゲージを消費して「ブレイクモード」が発動できます。ブレイクモードは、発動時に弾消し+ゲージが無くなるまでショットがハイパーな攻撃になります。

固定出現のアイテムは、シールド(または1UP)、ゲージMAX、スコア倍率MAXの3択です。が、実はアイテム同士の隙間から中央に入り、しばらく待機していると全部取ることができます。

ボス戦は、グレイズカウンターによるパターン構築が重視されていて非常にわかりやすいです。極端なわからん殺しもほぼなかったと思うので、何度かやればちゃんと対策ができるようになります。見た目もメカメカしいものばかりで、破壊したくなるのでよかったです。個人的な好みで言えば、パーツ化や変形などのバリエーションがあればよりよかったと思います。

敵や敵弾などに接触するとミスとなり、残機が減っていきます。残機がゼロの状態でミスをするとゲームオーバー、もしくはステージのはじめからコンテニューとなります。なお、残機はスコアを稼ぐことで、ガンガン増えていきます。いわゆるエブリエクステンドというやつですが、こういった個々のシステムの組み合わせ方がとても今風です。本作のような、パワーアップもなくて、その場復活のシューティングの残機って、アクションゲームでいうところのハートみたいなものだよね。つまり、エクステンドはライフを回復しているのとほぼ同じ。挽回の余地が残されているという点は、シューティングでありがちな、1ミスしたら立て直しがきかなくてやる気も無くなるみたいな、よくない部分をうまく回避できていると思います。ところが、ここまで書いて、ステージクリア時の残機ボーナスは、ミスによる差を小さくするという方向性とは逆向きの仕組みなのではということに気づきました。スコアを稼ぐのが楽しいプレイヤーにとっては、差が大きくついたほうがやり甲斐はあるだろうし、このあたりの要素の両立は一筋縄ではいかなそうですね。

それから、タイトルメニューから入れる「ミッションモード」は、専用の短いステージで、目標を達成していく遊び方です。各ステージは、本作、ひいてはシューティングのイロハを教えてくれる作りになっており、非常にわかりやすいです。高難易度に挑戦するつもりなら、ぜひ履修しておきましょう。

その他

エンドコンテンツなど

トロフィーの獲得条件は易しめで、ほとんどの実績は各モードで遊んでいれば自然に埋まっていきます。

「ノーミスクリア」は、オートシールドのスキルを使って低難易度でやれば、それほど難しくはないでしょう。ボス戦の予習はミッションモードをやっておけばばっちりです。

「平和主義者」は、ゲーム開始時にパシフィストモードを有効にしてクリアする必要があります。ノーマルショットが使用不可なので、近接など他の攻撃方法を持っている機体でやるのが簡単だと思います。

「グランドマスター」は、メインモードとは別の、エクストラステージをクリアすれば獲得できます。ステージは難しめですが、1面のみで難易度も不問なので、実績取るだけであれば簡単です。

「レーザーマスター」は、おまけのミニゲームで30000点を超えれば獲得できます。ミニゲームのアンロックは、割と最後の方だった気もしますが、他の実績を取ったりしていれば、そのうち出ていると思います。ところで、このミニゲーム、結構面白いよね。

あとは、やり込みの領域です。一応、わかりやすい指標のひとつとしては、ワンコインクリアがあると思います。僕の腕前は標準的な部類だと思いますが、本作の難易度で言うとオリジナルはちょうどよくて、ハードはギリギリいけるぐらいな感じです。エクストリームはかなりやり込まないと無理そうだなー。まあそうはいっても機体に依るところでもあって、TYPE-Cであれば、ブレイクモード中は無敵というチート性能があるので、アンリミテッドのエクストリームだろうが余裕です。あとは、TYPE-Dでブレイクモードを繋ぎ続けるのも稼げて楽しいし、強い。

そういうわけで、僕のようなヌルゲーマーはクリア以外の目標を設定しづらいし、高難易度も強キャラ使ってクリアした段階でなんとなく満足してしまいます。こういう流れに入ってしまうと、リプレイ性はなかなか上がらないのが惜しいところ。キャラクターごと、難易度別のスコアボードもあるのですが、見れるのはハイスコアだけなのも、ちょっとさみしいです。このあたりは、まだ工夫できる余地があるんじゃないかなー。例えば、僕の趣味でいえば、個別ページではなく、キャラクターの一覧画面があって、ワンコインクリアなどの達成状況にマークがつくみたいな見せ方をされたら、せっかくだし埋めたいという気持ちになりそうだなというのは思いました。

さいごに

縦シュー入門の決定版としてもおすすめです。

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