ゲームの感想:黄泉ヲ裂く華

Switch

アンダーノーツのみなさんこんばんは!

窓際族ことゴーストライターのazarashiXです。おもたろう先生が休眠中なので、これで遊んどけと渡されたゲームの感想でお茶を濁しておきます。

azarashiX
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アイコンはどう見えても犬だがazarashiX。略してX。
ゲームは思い出づくりと語るおじいちゃん。気圧の変化に弱い。
クリエイターのこだわりが感じられる作品が好き。
基本的に文句が多いが、本人は楽しんでいるらしい。

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はじめに

今回紹介する「黄泉ヲ裂く華」はいわゆるダンジョンRPGの作品です。一人称視点で迷宮を探索するゲームですね。昔からいろいろなタイトルが作られている歴史のあるジャンルです。DRPGは定期的に遊びたくなるので、新しい作品が作られ続けているのは嬉しいです。一人で遊ぶのに丁度いいんですよね。僕は効率とか無視してだらだら攻略するのが好きなタイプです。

タイトルだけ見て、ちょっとイロモノっぽいかなと思ったのですが、そんなことはないです。中身はむしろ相当に正統派な作品です。特にゲームシステム面においては、DRPGの歴史をしっかりと踏まえた上でブラッシュアップされている印象で、かなり遊びやすいです。クリア後も含めてひと通りプレイしましたので、思ったことを雑多に書いておきます。

ダンジョン探索

区分けされた10個+幾つかのダンジョンが存在します。しっかりボリュームはあります。各エリアにはそれぞれギミックやイベントが用意されており、探索と並行して進めて、最後にボスを倒せば攻略完了みたいな感じです。わかりやすくていいですね。攻略順もある程度自由です。

ダンジョンの構造はシンプルに感じました。歩く必要のないマスがたくさんあるんですが、地図で見たときの美しさを重視してるんでしょうか。敵やアイテムを配置するスペースとしての役割もあると思います。俯瞰すると、それこそ見下ろし型のRPGみたいなマップです。シンメトリーなデザインも多いですが、完成形が予測しやすくていいのかもしれません。攻略の難易度は低めですが、アイテムは地図には表示されないけど一人称視点だと壁越しや対岸に見えたりとか、開通制のショートカットがまめに配置されていたり、動線の設計には工夫がされているように思いました。

終盤はだいぶ慣れてきましたが、埋まらないマスがあると、もやもやする僕はおじいちゃんかもしれません。逆に埋めることは強制されないのでちょっと新鮮です。これで踏破率とか出されたらげんなりするところでしたが、そんなことはないので安心しました。

あとは、最近はオートパイロットが当たり前なんだなあとか、つまらない感想しかでてきません。足音が謎のビートを刻む異界のタップダンサーになれます。ダンジョンのワンフロアは30×30マスで更に多階層あるので結構広いです。座標指定移動の魔法とかはないので、これがないとさすがにだるかったと思います。ちなみに、階層またぎには対応していませんが、テレポートマスには対応していることは覚えておくといいかもしれません。

ダンジョンビルド

進行度に応じてダンジョンで使える花が解禁されます。花にはトビラやハシゴやカケハシなどの種類があります。壁壊しとか新しいアクションが増えて探索範囲が広がるのは最近のDRPGの傾向ですね。他の作品でも見たことある気がするので定番になっているんでしょう。

隠されたポイントを発見するために壁に激突し続けるのはいかがなものかと思ったのですが、抜けられる箇所は見た目でもわかりやすくなっています。まあでも、僕は最初から最後までずっとぶつかり続けてました。ちなみに花のストックは99個までしか表示されませんが、内部的にはちゃんとカウントされているようです。倉庫にも入らないので消失したかと思いました。

フロアのマスも最初からキレイに埋まらないようになってます。よくある後でまた戻って来てねのスタイルです。ちゃんと貴重なアイテムがあったりするので労力とのバランスはとれているように思います。マップと踏破状況が見返せるシステムとは相性がいいんじゃないでしょうか。

あと、おじいちゃん用の閉塞感のあるダンジョンは夢幻系で用意したよということなのかもしれませんが、あれはちょっと違うんじゃよ…。報酬に釣られてつい全部やってしまったけど、徒労とまでは言いませんが、面白さはあまりないですね…。ひたすら掘り続けるのは虚無感があるんじゃよ…。

地図の壁が分かりにくい

当然のごとくオートマッピングで歩いたマスは自動で地図に記録されていくのですが、壁があるところとないところの描き分けがイマイチです。よく見ると黒の枠線があるのがわかりますが、背景色に馴染んでしまって視認性が低いです。センスないぜ課長…。おじいちゃんたちは壁に沿って移動し、余計なマスは踏まない(罠があるかもしれないじゃろ?)のかもしれませんが、やっぱり地図があるなら使いたいです。個人的には結構気になったポイントです。

そうでもない?そうですか…

戦闘やキャラクター育成

コマンド・ターン制のシンプルな戦闘システムです。戦闘の難易度についてはかなり気を配ったじゃないでしょうか。DRPGの戦闘は難しい(非情)という既成概念を覆そうという意思を感じます。ライトセットで奇襲を完全に防止できたり、ボスが即死攻撃してこなかったり、覚悟していたよりかなり易しめでした。意外でしたが難易度の選択はありません。

デスペナも控えめで拠点復活、パーティーメンバーが死んでもお金で復活です。蘇生失敗でロストとかは淘汰されたんでしょうね。死体回収用の部隊を準備する必要もありませんでした。一体いつの時代の話をしているんだという感じかもしれませんが、経験者ほどいろいろ慎重になってしまうんじゃないでしょうか。ただ、蘇生手段が拠点しかないので瀕死状態自体は結構重いです。おそらく意図的な調整なのだと思いますが、魔法で蘇生とかもできません。治療費も安くはないので全滅ばかりしてると厳しいですかね。だいたいメンバーが欠けるか、MPが尽きるか、所持品がいっぱいになるかで拠点に戻ると思うので、探索にブレーキをかける一因にはなっています。

伝統を残しつつ、不評な要素はオミットされていくんでしょうね。難しければいいというものではないですからね。

スイッチブースト

毎ターン、プレイヤーサイドの能力を任意で強化できます。アタック、ガード、スピードみたいな感じです。同じスイッチは連続使用できませんが、条件とか発動コストもないので使っていかないと損ですね。いずれもかなり強くなります。戦闘を単調にさせないための工夫としてよかったです。ちなみに連続戦闘では敵を全滅させるごとにスイッチの使用状況は回復するので気兼ねなく使って大丈夫です。

気になった点としては、超電と神電が若干紛らわしいです。僕はしばしば間違えていました。名称もあまり直感的ではないですね。選択時に色で区別されてたりするとよかったかもしれません。

キャラクター

ゲーム開始時に作成する主人公はパーティーから外せません。僕の場合は、聖術工でした。外せないなら、絶対必要なヒーラーにしとけば腐らないだろうという安直な発想。でも、ゲームシステム上はいつでも転職できるので気軽に決めるとよいと思います。序盤から後衛で全体回復と後列に即死攻撃を連打する超電ガンマメスおじさんになりました。当たり前だけどあんまり当たらない。でも不死の多い上段の迷宮では大活躍だぜ!終盤はかなり暇だったので、後輩を作って転職したほうがよかったかもしれません。

パーティは6人なので、基本的にはあと5人登録することになると思います。見た目を選ぶと、名前やフレイバーテキストはもちろん、クラスやステータスボーナスまでプリセットされているので気に入ればそのまま使えます。

キャラクターの成長はレベルアップでの任意ステ振りです。僕の場合は、まず全体攻撃で溶けないぐらいの体力、次に速力を先制取れるぐらいまで、あとはクラスごとに要求されるパラメータに振る方針でやっていました。ちなみにステ振りだけでなく、スキルの習得やクラス変更に至るまで、拠点に帰ればノーコストで何度でもやり直せます。結構斬新でした。ほとんどの項目が変更可能なので、複数キャラクターを作る意味合いは薄いかもしれません。

仕事の時間だ(刀は使わない)

マモノの花

ダンジョンビルドの一要素で、任意のマスに敵とエンカウントする花を置くことができます。敵を全滅させると必ず宝箱を落とします。これによって探索と稼ぎがほぼ分離されています。探索の障害となる敵は緑色のシンボルで固定配置されているのですが、中盤以降はこれも花で消去することができます。玄室マラソンはもう必要ありません。

高速戦闘も実装されているので、この方法での稼ぎが推奨されているように思います。新しいエリアに入ったら何度か戦闘を眺めてユニットの傾向を掴む、あとは超電で削って神電でとどめを刺すループを作って高速戦闘を繰り返す、みたいなのが基本な気がします。中盤ぐらいから厄介な敵が右側に配置されていたりするので火力が足りてないとちょっとつらかったりしますが、適宜ハンドリングで処理すれば問題ありません。ドロップテーブルはフロアごとで変わるように思いました。入り口よりは、奥の方にポータルを作って回すほうがいいかもしれませんね。

気になった点としては、自分で作れるようになるまではマモノの花を買うのが面倒です。特定のNPCが特定の場所で売ってくれるのですが、まず、まとめ買いができないし、所持数とかお金の情報も見れないしで不親切です。思い返せばその時点でそんなに稼ぐ必要もなかった気もするので、拾えるぶんだけでどうにかしてさっさと先に進んだほうがよかったのかもしれません。

どうでもいいですが、レアドロップを狙って淡々と敵を狩ってるときは、なんだかパチスロみたいだなあとか思ってしまいます。

インベントリの使い勝手がよくない

基本的に装備で強くなるゲームだと思います。序盤は特に、挑むダンジョンによって攻撃相性を変えていくとかなり楽になったりします。装備は基本的に前述のマモノの花で敵を倒して稼ぐことになると思います。

はじめは勝手がわからず、大量にドロップする装備品をとりあえず大容量の倉庫に突っ込んでまとめて換金していたのですが、その作業がちょっと面倒でした。おそらく、戦利品を眺めて厳選するのも楽しみの一つとしてデザインされているのだと思いますが、いわゆるゴミもたくさん出るので分別作業に若干ストレスがありました。どうもアイテムがじゃらじゃらでるゲームは苦手なことが多いです。たぶん、ためるのではなく、良さそうなものだけ倉庫にピックアップして、手持ちから都度全売りしていくのが一番効率いい気がします。

うるさいですね!これが俺のゲームなの!お前のためだけにゲーム作ってんじゃないの!と言われればそれまでですが、一応いちプレイヤーとしての要望を書いておきます。希少度と品質はリストの名前の横に表示してほしかったと思いました。あと、確認が何度もでるので、チェックまとめ売り機能みたいなものもほしかったです。あとはスタックするアイテムの移動や売却で個数選択がでますが、全部ボタンがほしかったです。あるいは初期値は1じゃなくて最大値のほうがいいんじゃないかと思いました。あとは、情報比較するのにページめくるのも手間なので、図鑑みたいに2ページ表示してほしかったです。

最終的には慣れましたが、最初は結構混乱しました。やるに堪えないという程ではないのですが、快適とは言い難かったです。

ステータスが読みづらい

全般的に同じスタイルなのですが、数値項目のゼロフィルが読みづらいです。ワシは目が悪くてな。グレーをもう少し薄くできんかね。あと、比較の際のハイライト(青色)も控えめで分かりづらいのでどうにかならんかのう。

あと、所持品について、願わくば一枚絵が欲しかったです。ドロップしたときや、所持しているときの嬉しさが上がると思います。もっと言えば、品質で背景色を変えたりしてほしい。想像力が足りないのかもしれませんが、装備の名称と強さを紐づけるのが困難でした。並ヤイバと上ヤイバだったら、後者のほうが強いのはすぐわかりますが、炎のヤイバと氷のヤイバとかになってくるとどちらがランクが上なのかわからなくなってしまいます。そうなるとステータスで比較しないといけないわけですが、強化値+で数値やランクも変動したりするのでパット見ややこしいです。僕のようなプレイヤーは、まず図鑑を確認したほうがいいです。??でランダムエンチャントが付与される箇所も分かります。

そうでもない?そうですか…

ストーリー

僕は基本的にゲームのストーリーはあまり重視しない(なくていいとは思ってない)のですが、本作はわかりやすくてよかったです。舞台は現代とファンタジーを混ぜた感じですかね。脱出、謎の少女、最終的に世界を守るみたいな安定の物語展開です。

こういうゲームにしては珍しくキャラクターボイスがありません。でも漫画読んでるみたいでむしろよかったです。セリフやテキストにあまり違和感がなくて読みやすいです。無駄に冗長なイベントもないので、テンポも良好です。ゲーム内用語みたいのが結構出てきますが、複雑ではないし、みんな説明してくれるので置いてけぼりになることもなかったです。世界観の設定もいろいろあって、興味があればメニューからテキストを読むことができます。

おそらくシナリオ分岐もなさそうなので、思うがままに選択肢を選んでも大丈夫です。あとは、NPCにアイテムを見せて反応してもらうことができます。ダンジョンには敵として出現するNPCも配置されていたりして、ちょっとメガテンみたいで面白いと思いました。この点に限らず、リソースの再利用が上手ですね。でもハズレも多くて全部試すのは面倒だったのでやってません。会話みたいに選択肢に追加される方式でもよかったかなあと思いました。

グラフィック

こういうゲームは3Dモデル作ったりしないので絵描きさんの画風がそのままゲームのイメージに反映されますね。昔みたいにドットで打ち直したりとかもないでしょうし。雰囲気があって結構好きでした。ちょっとレトロっぽい感じを意識してるんでしょうか。上手な人が描いてるんでしょうね。

エネミーもいい感じです。やっぱりでかいモンスターはいいですね。不気味なデザインが多そうですが、僕はなんとなくマザーを思い出しました。びよんびよんアニメーションするのもいいですね。元絵をプログラムで拡大縮小や回転しているのだと思いますが、ハードの性能が上がって発明された表現方法なのでしょう。パラパラアニメを作るよりコスパがよさそうです。絵とは関係ないですが、名前の付け方もわかりやすくてよかったです。

おもたろう!?なんだナマコか…
でかいモンスターもたくさん出ます

一部のエフェクトがなんだかもっさりしている

全般的に再生時間が長くないのはよいのですが、たまにもっさりもったりしているように感じることがありました。やっていれば慣れてくるレベルですし、この辺は本当に好みなのだと思いますが、スイッチブースト使ったときとかに思いました。あとは、首切りとかももうちょっと爽快感があるとよかったです。詳しいことはよくわかりませんが、もっとタメとツメみたいのがあるといい気がします。

サウンド

効果音やBGMがなんとなく好きではありませんでした。感覚的なものなので明確な理由はわからなかったのですが、曲そのものというよりは、使われ方に違和感があるような気がします。

例えば、キャンプ画面の曲がなんか苦手です。メニュー開いても流れるし。戦闘後のリザルトでも流れるし。各シーンと合わせても決して変ではない気もするのだけど、短いスパンで連続して流されるとちょっと居心地が悪い。個人的には、メニュー画面はBGMが小さくなってカーソル移動音が目立つぐらいでいいと思います。他にも汎用的に使われている曲はいくつかあるのですが、イベントシーンで流れていた曲が、ダンジョンでも流れていたりするので、どこの曲なんだろうという感じです。あとは、シーンとごとに設定されたBGMの切り替えもギャップレス感がなくて、戦闘が終わるたびにワァってなってました。

効果音は、なんだか主張の強い音が多いです。かと思えば、洋ゲーみたいなドラムロールが鳴ったり、統一感に欠けるような気がしてしまいました。

総じて、ちぐはぐ感が拭えませんでした。僕だけかもしれませんが。なんというか、このゲームのために作られた音なんだろうかと感じてしまいました。全部ではなくて、ヤザケンとかラジオとかはそれっぽくていいと思うんですけどね。あと、ボス戦に突入する前からBGMが変わるのは結構アツい演出ですね。やるぞーってなります。

そのほか

エンドコンテンツ

ラスボスは警告が出たのでちょっと準備して挑んだら3ターンで倒せてしまって少し拍子抜けです。なんというか、シナリオクリアまでがチュートリアルみたいな感じがしました。

クリア後も幾つかの追加ダンジョンと、強くなったボスとの再戦が待っています。急に難易度が上がったりはしないですね。サクッと進められるところまで進めるのがいいと思います。森ぐらいからちょっと嫌な敵が増えてきます。かなり硬いのでMPガンガン使って全力で戦う感じです。城まで来ると雑魚が雑魚じゃない、いつものダンジョンRPGになります。攻撃回数とか火力おかしいし即死攻撃もそれなりに飛んできます。まあでも強い装備もガンガンドロップするし、先手必勝でなんとかなります。回避と反撃の応酬を眺めていると懐かしい気分になります。

裏ボスも初見で倒せるレベルで強くないです。でも、ちゃんと準備をしないで進めてしまったので第一形態に一番苦労しました。ここは警告でないんだと思っている僕とは裏腹に、課長がすごいやる気なのでそのまま進めました。火力を後衛の遠距離攻撃に頼り切っていたので完全ブロックされるときつかったです。アイテムさえあれば…。しかも再生持ちなんですよね。死なないけど倒せないでかなりグズグズになりました。その後は、ここまで来れたなら楽勝という感じでしょうか。最後に社長の試験に合格すればひとまず終わりですかね。

結局ゲームオーバーになるとどうなるんだろう
ルキは永パ防止キャラみたいな登場の仕方をするくせに弱い
宵越しの銭は持たないあざらし
やってもやらなくてもいい宝探しもあります
みんな褒めてくれる
やったぜ

さいごに

全体的に難易度がちょうどいいぬるま湯です。世界観は割とハードなんですが、ダンジョンや戦闘を始めとしたゲームシステムは親切設計です。初見殺しみたいのも無いので安心して探索できます。DRPGには興味あるけど難しそうという方におすすめです。

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