ゲームの感想:Bug Fables ~ムシたちとえいえんの若木~

PS4

ムシムシ探検隊のみなさんこんばんは!

飛んで火に入るシャムシール、ゴーストライターのazarashiXです。今回も遊んだゲームのごく個人的な感想を雑多に書いていきます。

azarashiX
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アイコンはどう見えても犬だがazarashiX。略してX。
ゲームは思い出づくりと語るおじいちゃん。気圧の変化に弱い。
クリエイターのこだわりが感じられる作品が好き。
基本的に文句が多いが、本人は楽しんでいるらしい。

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はじめに

「Bug Fables」は、探検家のムシたちががんばるRPGです。雰囲気は、昔スーファミで出ていたマリオのRPGみたいな感じですかね。

さっくり遊べるかと思っていたら、予想外の大作でした。よくできているけど、やることが多くて疲れるので休憩しながらじっくりやるといいです。僕は、しばらく休憩したいです。

終始ハードモードでプレイしましたが、見かけによらずの高難度で、戦闘は歯応えがありました。巷で有名なRPGに慣れている方にもおすすめです。

どんなゲーム

やる気が感じられないいつもの継ぎ接ぎ動画だよ。

主人公のヴィー、カブ、リーフを操作して、会話イベント、探索、戦闘を繰り返しながら、全7つのチャプターを進めていきます。序盤は単調でちょっとだるいですが、中盤ぐらいからやれることが増えて忙しくなります。寄り道要素はたくさんありますが、時限イベントはなさそうなので、わからなかったり面倒なのは後回しにしてもいいと思います。

テキストは膨大にあります。ごくたまに怪しいけど、日本語訳のクオリティは高いです。口調の使い分けとかがしっかりしているし、流し読みしている分には違和感はありません。しいていうならひらがながおおくてちょっとよみづらいかな…。

キャラクターは全部ムシだけど、かわいい感じにデフォルメされているので、そういうのが好きじゃない人も大丈夫なんじゃないかな。たぶんだけど。町などにいるNPCは人型をしていて、足も4本で二足歩行してるし、アンドロイドみたいなイメージに近いかもしれません。敵には普通のムシっぽい見た目をした古代ムシも出てくるので一応注意です。

NPCの見た目はユニークで記憶に残りやすいです。流石に名前までは覚えられないけど、モブっぽいのは兵士ぐらいしかいません。

フィールドマップみたいのはなくて、各エリアから道が分岐して繋がっています。まだ行けないところは通行止めされている感じです。また、城の地下にある鉱山から、各地方へワープができます。いわゆるポータルです。行き先側から開通させる必要があり、お金も必要です。なお、僕はクリア後に気付きましたが、「アリのらしんばん」という重要アイテムを使うと鉱山に戻れます。ちゃんと説明を読んでなかったのかもしれないけど、何に使うのかわからなかったし、入手も終盤でした。

ベリーというものが貨幣です。敵を倒すほか、クエスト報酬などでも入手できます。宿屋や店で使用できるのはもちろんですが、いくつかのイベント進行や、機能のアンロックにも使用します。最初の町にある銀行では、預けた分のお金に利息が付きます。プレイ時間に対応して結構なスピードで増えるので、利用したほうがよいです。複利おそるべし。預け金が一定額を超えると、利率がさらに上がります。

ほとんどの町には料理をしてくれるNPCがいます。料理は1つ、または2つのアイテムを消費して、一つの新しいアイテムを入手する仕組みです。選択するアイテムや、組み合わせによって入手できるアイテムは決まっています。ハズレは「しっぱいさく」です。組み合わせの法則はNPCとの会話にヒントがあったりしますが、ノーヒントも結構あります。なお、レシピ埋めは、(おそらくクリア後に)お金で解決できます。戦闘において、回復アイテムは必須と言ってもよいくらいなので、しっかり準備をしておきましょう。ハニーリーフを作りまくるとよいです。

セーブポイントはいたるところに配置されています。オートセーブはありませんが、セーブは早くて快適です。また、序盤の黄色いセーブポイントはタダで全快するので、稼ぎに利用できます。たぶん説明を見逃してるだけだと思うけど、セーブで全快すると思い込んでいたらそのままだったりして混乱しました。お金で回復してくれる草が出てくるあたりから全部水色になります。

ダンジョンの攻略は簡単なパズルになっています。先頭のキャラクターの固有アクションを使って解いていくやつです。ミスをするとやり直しの多いギミックがたまにだるいけど、ここ最近の感覚でいうと許容できるレベルでした。また、ゲーム進行でアクションが増えていき、同じエリアでも行けるところが増えたりします。

みんな大好き宝探しは、本とクリスタルとメダルがあります。たまに意地悪な配置がありますが、シークレットに反応して音が鳴る「たんちき」や、お金でヒントをおしえてくれる占い師のNPCを利用すれば全部回収できると思います。

ザコ戦はシンボルエンカウントです。攻撃を当てて気絶させた状態で接触すると、先頭キャラクターの行動回数が増えて若干有利になります。また、敵シンボルは何度かマップを切り替えると復活します。配置はだいたい通り道で、探索したいときはかなり邪魔なので、格下との戦闘を回避する「オジャマケシ」メダルを装備しましょう。

戦闘はターン制のコマンド式です。ただ、攻撃や敵の攻撃時には、目押しや順番押し、ボタン連打などが発生し、アクションの成否でダメージが変わります。

自ターンであれば、行動順は自由です。すべてのキャラクターが行動回数を消費すると敵のターンになります。また、行動をパスすることで、仲間の行動回数を増やすことができます。ペルソナっぽいシステムです。各キャラクターそれぞれの攻撃には、飛んでいる敵を落としたり、ガードを崩したり、地面に潜っている敵を引きずり出したり、など特定の敵に対して有効な属性がついています。すなわち、敵の状態に応じて、攻撃する順番を考えたり、仲間にターンを渡したりする戦略性があります。

パーティメンバー全員のHPがゼロになって全滅してしまうと、セーブしたところからやり直しです。

TPというポイントを使ってスキルが使えます。スキルはキャラクター固有ですが、TPはパーティで共有です。使用可能なスキルはレベルアップや、メダルの装備、イベントなどでアンロックされます。あまり使いませんでしたが、合体技みたいのもあります。

あとは「かんさつ」というコマンドで、敵のHPを可視化できます。それと、コマンドを実行したキャラのコメントも見ることができます。行動回数を消費するうえ、目押しの成功が必要ですが、一度ライブラリに登録すれば以降は有効です。また、「ぶんせきき」メダルを装備することで前述のコストをなくすことができます。ちなみに、出会ったことのある敵の情報はお金で買うこともできるようになるので、序盤のボスの見逃しなどは取り返せます。

敵を倒すと経験値が得られ、一定値までたまるとランクアップします。キャラクター個別ではなく、パーティのレベルがあがる感じです。これをチームランクといいます。ランクアップ時には、HP、TP、MPのステータスのうち、ひとつを任意で選んで上昇させることができます。僕は、メダルの装備に必要になるMPばかり選んでました。なお、最大チームランクは27で、なんだか中途半端な感じです。チームランクと現在エリアの比較で、獲得経験値に大幅な補正がかかるので、普通に進めていてもラストダンジョンぐらいで最大になる気がします。ちなみに、ステータスの振り直しは可能ですが、お金がかかるし終盤な点には注意です。

メダルという装備品でステータスを強化したり、アクティブ・パッシブスキルを得られます。それぞれのメダルにはコストが設定されており、MPというステータス値の範囲内で自由に付け替えができます。メダルは様々な方法で入手でき、重複分もあわせると100個ぐらいあります。当然全部はつけられないし、装備するメダルの組み合わせで、戦略が大幅に変わるところが、プレイヤーが工夫しがいのあるポイントだと思います。

ゲーム進行で戦うことになるボスは結構手強く、テキトーにやっていると負けてしまうかもしれません。レベルでゴリ押しみたいのもできないと思うので、やりごたえがあるとも言えます。なお、ボス戦などの場合は全滅しても、戦闘前の状態からリトライができます。再戦前にアイテムを使用したり、メダルを付け替えたりもできます。テイルズっぽいシステムです。ペナルティは特にないと思うので、詰んでる場合以外はリトライするとよいです。ちなみに、「かんさつ」でのアナライズ情報はリトライしても引き継ぐみたいです。

あとは、シナリオ進行に必須ではないバウンティボスみたいのもいます。異様に強いので、メダルを集めたりしてから挑戦するのがいいと思います。

寄り道のミニゲームみたいのもいくつかあります。

一発ネタかと思ってたら、本当にデュエリストキングダムが始まって笑いました。戦闘中に「かんさつ」した敵の種類でカードが増えていく仕組みです。デッキは、バニラを適当な配分で組んでおけば、だいたい出してるだけで勝てます。2マナは多めにしましょう。僕のリーフくんは「ヘビードローン」と「けいびタレット」で何度も優勝したゼ。

シナリオクリア後も解除できていない実績の残りは全部ゲーセンにありました。メダルとか音楽を全部集めるやつです。メダルをメダルで交換できたんだね…。占い師も「たんちき」も反応しないので時限があるのかと思ってしまいました。3Dダンジョンは簡単だったけど、フラッピーバードは、いつまでもハイスコアが超えられなくて、かなりの時間を費やしてしまいました。いやらしい配置しかでないから、ランクシステムがあったりチートコマンドがあるのかとかいろいろ勘ぐってしまったけど、単純に下手なだけでしたね。

謎のコードをおしえてくれるNPCが何匹かいるんだけど、結局なんだったのかわかりませんでした。どこかに入力できるメニューがあるみたいで、クリア後に一通り回ってみたけど見つけられませんでした。たぶん公式MODみたいなものだと思います。実績は全部解除できたので「もういいかな…」という気分です。

よかったところ

レスポンスやロードが快適

本作はNowLoading画面がありません。画面遷移も待ちません。メニューも一瞬で開くし、ボタン操作が効かない時間はほとんどないと思います。また、テキスト送りや、戦闘シーンの各ウェイトも適当だと思います。

僕の感覚としては、こういうのをいいところに挙げるには違和感があるのですが、家に入るたびにナウローディング、町に戻ってナウローディングみたいなゲームもありますよね。戦闘のたびにナウローディング、フィールドに戻ってナウローディングとか。「数秒なんだからいいじゃん…」と言っていた人がいて、仏かと思いましたが、繰り返しが多いゲームこそロード時間には配慮してほしいです。CEROは、ロード時間のレーティング区分を設けるべきですよ。

本作ではそういった心配は無用です。飽きっぽい僕が最後まで遊べたのは、待ち時間回りの快適さのおかげもあると思います。

主人公たちの会話が面白い

本作の主人公3匹は喋りまくります。シナリオ進行上はもちろんですが、エリアや、NPCに対しての「かんさつ」、戦闘中の敵に対しての「かんさつ」にも、個別の会話やコメントが割り当てられており、テキストのボリュームは相当あると思います。

3匹ともキャラが立っているのがいいですね。メインシナリオでは役者ですが、任意の「かんさつ」コマンドで読めるものは雑談みたいなものも多いです。特に、NPCに対してのコメントは井戸端会議的で、シニカルというかプレイヤー視点で共感できたりするので面白いです。

ストーリーは、驚きみたいのはあまりないけど、定番で安心感があります。シリアスにならないところがいいですね。なんとかなるさで、なんとかなります。アールイーズウェルです。

あとは、ムシなのがよかったのかもしれません。登場キャラクターが人間だと抵抗感のあるセリフや表現も、人間性を持った人ではない生物という設定であれば受け入れやすい、みたいなのはある気がします。書いていて、なんとなく動物農場という小説を思い出しました。

BGMがよい

町にはサウンドテストのNPCがいますが、BGMの数はかなりあります。

なんというか音にいい感じのチープさがあるところもよいです。専門的なことはわからないので理由も分析できないのですが、やたらと耳に残ります。

ビジュアルともマッチしていると思うし、統一感があります。曲を聴けばゲームのシーンが思い出せるような感じです。

気になったところ

UIがいまいち

移動中アクションのボタン配置が若干煩わしいです。例えばカブくんの場合は最終的に、短く押して角を振り上げる、短く2回押して突進、長押して地面に潜る、という3パターンのアクションがワンボタンに割り当てられます。2度押しは暴発しやすいのでボタンを分けてもよかったかなと思いました。加えて、ブーメランを投げた後にキャラクターの向きがデフォルトに戻るみたいな挙動も気になりました。

ほかには、LRボタンは使ってもいいと思いました。具体的にはキャラクターやタブをLRで切り替えたいです。それと、決定ボタンでジャンプは慣れないのでキャンセルボタンのほうがよかったです。ファストトラベルもショートカットボタンがほしかったです。まとめると、アクションごとのキーコンフィグがほしかったです。

買い物と料理で倉庫にアクセスできないのが面倒です。あと、倉庫の容量はもっとあってもいいと思います。

戦闘コマンドの選択で、キャラチェンジした際のカーソル位置は引き継がないでほしかったです。あるいは、キャラクター別に記憶してほしい。オプション項目で選択できたらよかったと思います。

あとは、ゲーム内で発生した不便を、ゲーム内のシステムで解消するみたいなデザインは古臭いかなあと思いました。こういうのは、もうマッチポンプと言ってしまってもいいんじゃないだろうか。アイテムの所持数とか、アナライズのターン消費とか、難易度に関わりそうなところはわかるけど、ダッシュとかファストトラベルの解禁が遅いのはよくわからないです。段階的に開放することで、プレイヤーが混乱しないようにしているのかもしれないとか考えたけど、そもそも、混乱しないような操作系統にするべきだし、使い方を学習させるイベントを作ってしまえばいいのだと思う。例えば、ダッシュしないと渡れない橋とか、ファストトラベルがないと戻れない部屋に閉じ込められるとかね。

無敵技の存在

マキさま一行が強すぎてだるかったため、いろいろいじって見出した戦法を紹介します。僕のように、ジャスガがんばりましょうみたいな方向性はノーサンキューな方は試してみてもいいかもしれません。

「TPコア」を2個と「TPセーブ」のメダルを装備すると、スキル「バブルシールドL」でリーフくんが永久に無敵になります。あとは他の2匹に「キセキのほし」を装備してゾンビプレイしていればいつかは勝てます。全く美しくないですが…。

「マモラレール」はダメージゼロでも発動するので、火力アップのためにつけたほうがいいです。また、どくでも発動するので、余裕があるなら「ハラヨワール」と「ふめつのどく」をつけて何か食わせるといいです。ついでに「どくタッチ」もあるとよりいいです。どくダメージで死ぬことはないので回復は不要です。そして、HPもTPも必要ないので、その分のMPで他のメンバーの火力を積みましょう。「きしかいせい」とか「ジゴクのアゴ」とかね、あとはもうわかるじゃろ。

たぶんシールドを破る術を持っている敵はいないんじゃないかな。ちなみに、敵のシールドは「きよめる」で消せます。強ボスお得意の回復とか無限湧きも粘り続ければなんとかなります。永パ防止攻撃がとんでくるんじゃないかとびくびくしていましたが、そんなことはなかったぜ。

なお、EXのボスラッシュも同じ方法でいけますが、完走してもお金がもらえるだけです。すごく疲れるしコスパも悪いので本当のエンドコンテンツですね。

さいごに

ちょっと懐かしくて健全なRPGが遊びたい方におすすめです。

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