Blood Shadows Born twitce! Thymesia ティメジア:レビュー

PS5

それってさぁ…フロムジェネリックってコト⁉

どうも死にゲーハンターランク2級ことおもたろうです。

記事をしばらく書かないうちにすっかりもう夏ですね。夏と言えば死にゲー!死にゲーには四季折々の良さがありますが、クーラーガンガンに入れた部屋で何度も死に、ちょっと落ち着いてみようとトイレに立ち、温度差のある廊下に出た時に冷やされた肌で感じるあの熱気の感触、夏の死にゲー独特の味わい深いものがありますね!

今回は週末引きこもってガツっとやりたい待望のセキロDLC(大嘘)を紹介しますよ!

それがThymesia ティメジアだ!

Thymesia ティメジアってなに?

台湾のOverBorder Studioが開発した『Thymesia』は、ペースの速い戦闘と複雑な疫病兵器システムを備えた、ソウルライクで過酷な3DアクションRPGです。

疫病が蔓延する王国で、コードネーム「Corvus(コルヴス)」と呼ばれる謎めいたキャラクターとしてプレイします。敵を捕食し、病の力を行使し、自分の記憶の中にある真実を見つけ出しましょう。

かつて栄えていたHermes王国に混沌の時代が訪れている! 疫病が蔓延する王国で、記憶をなくした謎の主人公「コルヴス」を操作して、疫病の力を武器に変えて戦い抜け!

(アマゾン商品ページより)

デベロッパーはOverBorder Studio、パブリッシャーがインディーゲームでお馴染みteam17です。OverBorder Studioは聞いたことがなかったのですが本作が初作品になるのかなと思います。

ティメジアがどんなゲームかはまずはこれをご照覧あれ!

んめっちゃそれがし 今にも影落としお返し致しそう

つまりはそういうことなんだティメジア!!

私はPS5版でプレイしました。大体トロコンくらいまでやって15時間~20時間といったボリュームでしょうか。

良かったところ

潔いくらいのパクマージュリスペクト

上で見てもらってわかる通り、フロムから怒られても何も文句が言えない潔さを全面に押し出したゲームです。ここまで土俵際まで寄せに振り切っているのは私の知る限りモータルシェル以来でしょうか。

弾きを多用する攻めの剣戟アクション、鬼仏またのを篝火システム、瓢箪あるいはエスト瓶、死んだらソウルを落とすシステム、初ボスの負けイベ戦闘、最早オマジュってない点の方が少ないと言えるでしょう。

では何故本来ならマイナスポイントである点を私が良かったところに据えているかといえば、そのパクオリティの高さに他なりません。

そもそもこの本作の模倣元であるセキロが至高の名作であるため、システムをリスペクりまくりパトローナムしている本作が面白いかどうかというのは、ディテールの解像度に依るわけです。

フロムの、セキロのすごさというのはゲームバランスと言えるでしょう。一度では勝てなくてもまた挑戦しようと思わしてくれる、超えたくなる絶妙な壁。システム面の表層はマネしても、肝心のゲームバランスで躓いているソウルライクチルドレンのなんと多い事か。

その点、ティメジア。セキロトロコン侍も思わずにっこりの出来栄え。

(得物をセンターよりにするフロム立ちも搭載 行けることまで行ってやる感

アクションの挙動がディモールト気持ちいい

剣戟アクションの完成度が高いです。特に連続弾きの気持ちさはこれセキロでやって気持ちいいやつ~ってなります。恐らく製作者がセキロ好きすぎて一部同じモーションがあるくらいです。これ梟戦でやったやつ!!

弾き以外にもブラボの銃パリィ(本作では羽)、ステップによるフレーム回避やガー不攻撃の踏みつけジャンプなど、フロム作品やったことある人なら非常に手に馴染むアクションの数々。

気持ち良さにはSE(効果音)もポイントですね。体幹崩し後の忍殺決め音ヴァーンや、爪攻撃のザシュザシュ感、パリィを決めた時のドゥーンと某かっけぇと気持ちよくなれるようによく出来てます。

(ニンコロキモティー!

疫術(戦技or忍具)のバリエーション

ボスも含めて敵の技を自分に取り込んで戦うのがティメジアスタイル。気力という所謂MPを使って発動する戦技ですね。敵がドロップする欠片で強化していくことが出来、戦うモチベーションになります。

ここは制作陣も気合入れて作ったのか全21種もあります。エフェクトやモーション音が気持ちよくて戦闘のいいアクセントになっています。

気力回復系のスキルが充実しており、気兼ねなく疫術をバンバン使えるというのも評価が高いです。なんなら私の場合、通常剣攻撃は中盤以降ほとんど使ってないくらいです。

本家にも劣らぬボス戦の熱中度

アクションの難易度としてさすがにモブにやられることはほぼないですが、油断すると初めは強モブにすら苦戦するのではないでしょうか。

それがボスにもなるとより一層難易度が増します。特に最初のボスオーダは主人公コルヴスが育ってない事もあり、作中でも屈指の難易度でした。私はここで一番死にましたね。

それでも理不尽さを感じないというのが熱中させてくれるポイントでしょう。死ぬたびにこのモーションは覚えたから次は80%くらいで弾ける、次はあの攻撃を攻略しようと段々と自分の成長が実感できる死にゲーの醍醐味を味わえるものとなっています。

ボスは全8体で、特に人型のボスはセキロさながらの剣戟アクションを要求され、死ぬたびにオラワクワクすっぞとなること請け合いです。

気になったところ

ではティメジアはセキロ足り得るかといえばそれにはNOと言わざるを得ない

単調な探索

本作はミッション受注式のステージ分割型の探索になります。ニュアンスとしてはデモンズソウルに近いです。

ステージ自体は横だけでなく縦も合わせた分岐の多い構造になっており、探索心をくすぐる作りになっているのですが、探索するリターンが圧倒的に低いです。

というのも本作で拾えるアイテムは記憶の断片というはしたソウル(経験値)と回復薬の強化素材のみです。ソウルは敵を倒せば手に入るし、回復薬の強化素材もボスと戦えばもっといいものが手に入ります。つまり探索して得られるものが実質的に無です。

世界観を補填するテキストも落ちていますが、正直そこまで重要でもないというか、テキスト読んでるときに敵の攻撃受けるし、なんかもう…いいやってなります。

つまるところボスまでの道中がただただサーチアンドデストロイするだけです。

(絵になる雰囲気はあるのに

敵の種類が少ない

疫術の数がボスも含めた敵の数と考えてよいです(ラスボスは疫術ないので正確には22体)。その内8体がボスですから、道中の敵は基本的に14体のバリエーションしかありません。

それがどういう事態になるかというと新しいステージにいっても、もう見たボブネミミッミフェイスが頻発します。

特に満を持した最終エリアはもう見た敵しか出ないし、敵の配置も雑だし、エリア探索は虚無だし、ボスしかいいとこないです。

(手を変え品を変えんかい

強くなり過ぎた主人公

敵のバリエーションが枯渇する一方コルヴス君はどんどん強くなります。プレイヤーの練度と合わさり、中盤以降は道中でやられることがなくなります。

そうなると死にゲーの緊張感も薄れ、単調な探索と逆マリアージュが発生し、消化試合感のある気だるさに溢れます。序盤はあんなに楽しかった強モブが終盤は簡単に処理できてしまう悲しさ。成長の実感とゲームバランスって難しいなと思いました。

あと負けイベの洗礼を浴びせてくれたボスが再戦時に弱すぎるのがしょんぼり。

(初見でいけちゃうんかーい

世界観は添え物

疫病、錬金術、大国、下層民、魔血、実験に彩られたフロムテイスティな世界観ですが、やはりディテールへの拘りがフロムには届きませんね。

断片的なテキストやフィールドのオブジェクトから読み取り、想像させる凄みに欠けます。もっと含蓄盛って、いいんやで!

(味はしてる!

細かい気になったところ

些細な点ですが細かく気になった点もあります。

ボスとの再戦で毎回ムービー

死にゲーなんでボスに何度もトライすることになるんですが、毎回戦闘前にムービーのカットインが入ります。スキップできるとはいえ毎回なので手間ではあります。

サブミッション帰還時に死亡するとソウルロスト

あまり起こらないシチュエーションですが、エリアをクリアして帰還前のワープ待機中も敵の攻撃を受け、それで死亡してしまうとソウルが回収できなくります。

強モブの不自然なライフ回復

強モブがたまに不自然な速度でライフを全回復します。そもそも本来ならば爪で削った体力は回復しないのですが、何回か遭遇しました。

ロックオン精度の悪さ

相手をちゃんと正面にすえないとロックオンしてくれません。複数に囲まれたときの振り向きみたいにロックを使うことが出来ません。

猛禽爪の必要性

相手から使いきりの疫術を奪える強溜め攻撃の猛禽爪ですが、使いません。そもそも自分で好きな疫術をセットできるし、気力が尽きるなんてこともほぼないです。そのため基本的に△ボタンが死んでいるのでスロット2の疫術を△ボタンに設定したかったです。

(最初しか使わないモツヌキ

攻略的なメモ(ネタバレあり)

  • 剣攻撃や疫術で体幹を削り、緑ゲージになったところを爪で削ることで初めてダメージが入るシステム(厳密には剣攻撃や疫術にも緑ゲージを削るダメージが少量ある)。逆に緑ゲージがない状態で爪を当てても何のダメージも入らない。基本的に体幹は弾きも合わせて簡単に削れるので、爪攻撃の強化と相手が回復する前に如何にコンスタントに爪攻撃を当てるかがポイントになる。羽はパリィ以外にも体幹回復妨害で挟むとよい。
  • 個人的には爪は単発威力が高く距離を詰めやすい長爪の方が使いやすい
  • 記憶の断片はソウル。砕く以外に価値はない。
  • ステータスは困ったら体力、次に術力といったイメージ。筋力はほぼ上げなかったが全然問題なかった。なおゲームを進めるとレベルを戻せるアイテムが手に入る。
  • スキルは弾き受付時間の延長を取ると目に見えて難易度が変わる。気力回復系を取ると疫術を連発できるので快適になりおすすめ。道中攻略は処刑者の愉悦で継戦能力アップ。レベルアップで最大24までポイントが得られる。振り直しがいつでもできるので疫術の欠片を集めたいときは運スキルに振るみたいな運用が出来る
  • 回復薬は迷ったら初期装備の回復薬の強化が無難。薬に入れる薬草類の組み合わせで特殊な効果が発揮される。組み合わせのヒントはマップ上に落ちているテキストにそれとなく書いてある。
  • ボスはステージを周回すれば何度でも再戦可能。これでボスの疫術の強化やソウル稼ぎが出来る。特に1-5の変異したオーダは倒しやすく、周回効率が高いため、ラスボスまでのソウル稼ぎに適している。
  • 慣れるまでは全ての攻撃を弾こうとしない。わかりやすい攻撃だけ弾き、狙いの攻撃以外は回避で距離を取るのも手。
  • 弓の疫術がつよつよ。個人的には一番強い。距離を取って弓、モーションのわかりやすい距離詰め攻撃を弾き、隙に爪でボスを含め大体なんとかなる。
  • 最後だけ選択肢のあるタイプのマルチエンディング。エンディングコンプのために最低でも5回ラスボスを倒す必要がある(再戦はすぐ出来る

まとめ

フロムゲーが好きな人、特にセキロが好きな人はまず手に取ってみて欲しいです。やる価値はある作品です。

向いている人:死にゲーハンター、フロム信者、お手軽に死にゲー体験したい人
向いていない人:大作好き、世界観が好きでフロムゲーが好きな人

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