メガテン3マトリックスエボリューション 真・女神転生V:レビュー

Switch

光を放つ身体が溶け合う Matrix Evolution
その時すべて分かるさ ふたり 出逢えたイミ

それが真・女神転生Vだ!(迫真

真・女神転生Vってなんだ?

真・女神転生、通称メガテンです。言わずと知れたアトラスの看板ゲームです。ペルソナシリーズから知った方も多いのではないでしょうか。私は思春期にメガテン3の洗礼を受け、カッコイイRPGとは、こういうことさという紅の刷り込みを受けて育った生粋のメガテンフォロワーであります。当時のメガテン3マニアクスは非常に稀少で、なけなしの小遣いを握りしめ、近所のゲーム屋わかば堂の店長に頼み込み在庫を確保していただいた思い出がリフレインしてきます。そんなメガテンがⅣから約8年ぶりに直系新作発売となれば、鼻息も荒くなるというもの。今作はswitchのみの販売となっており、ジャンルは前述の通りRPGです。

VOWに先駆けてプレイしていたのですが、なぜ面白いのか言語化する間もなく時が経ってました。よって、今回はゴーストライターazarashiXのしたためた長文をお楽しみください。

なお、本記事は画像※多めかつ、ネタバレを含みます。

※(C)ATLUS(C)SEGA

システム周り

ゲームプレイの安定性

発売直後からのプレイで少し不安でしたが、いわゆるバグの類には遭遇しませんでした。このくらいの規模のゲームだと長時間プレイ等でエラー落ち(メモリリーク?)やフリーズを経験することがままあるのですが、本作では一度も発生しませんでした。また、フィールド移動中にオブジェクトにハマったことが一度だけあったのですが、プレイヤーが一定時間操作不能状態だと直前の龍穴(チェックポイント)まで自動的に戻るフェイルセーフな仕様のようで、感心してしまいました。総じて丁寧に作られている印象で、不運な事故でやる気を損なうことなく最後まで遊べました。まあ、当たり前のことなのかもしれませんが、世の中にはそれが出来ていない作品も多いですよね。そうしてみると、本作のゲームとしての品質は高いと言えるでしょう。

セーブ

チェックポイントでの任意セーブのみです。セーブスロットは20個。細かいことですが、セーブデータの上書きはできても削除はできません。なお、オートセーブなんて甘ったれたものはありません。死んだらタイトル戻って前回セーブしたところからやり直しです。シリーズの伝統と言われればそれまでですが、あっても良かったと思うよオートセーブ枠。ボス前には警告とともに親切なほどセーブポイントが配置されてるのでどちらにしろセーブすることになります。果たして手動で行う意義とは何でしょうか。裏を返せば、順調に探索を進めているときほど、その過程を失うリスクを背負うわけですが、最序盤は除くとしても、いつでもチェックポイントまで戻れる「回帰のピラー」や、確実に逃走が可能な「くらましの玉」もありますし、その緊張感?とのトレードオフは面倒くささです。おそらく、あえて実装しなかったのだとは思いますが、時間が巻き戻って楽しいと思えるようなプレイヤーは少数派な気がします。チェックポイント通過でセーブしてくれるなどの仕組みがあれば、リトライ性が担保され、僕のような無精なプレイヤーもモチベーションを失わずに済むのではないでしょうか。もっとも、シキオウジのムドに調教されてからは、まめにセーブするようになりましたが、やらされてる感はありましたね。

(このあと約数時間分がなかったことに

ロードと快適さ

一部のカットシーンの前と、マップ間のエリア移動でNowLoadingが入ります。他フィールドへの移動など、長めのロード画面では、悪魔の解説テキストが挿入されます。大マップの読み込みで1.5枚くらい(十秒くらい?)です。頻繁に行き来することもなかったので、特に気になりませんでした。エンカウント、メニューを開く等では、いわゆるロード時間のようなものはありません。強いて言えば画面遷移が少しもっさり気味かなという感じです。それよりも驚いたのは、龍脈渡り(いわゆるファストトラベル)が同フィールド内だと一瞬です。Switchでもやればできるんですね。ハードのスペック等による制約はあったと思いますが、総じて快適さへの配慮は感じました。

プレイ中で気になった点としては、戦闘コマンド選択等で入力遅延というか、引っかかる感じがたまにありました。あと、読み込みが追いついていないのか、コマンド実行時にラグることもありました。ボス戦等、考えながらやってるぶんには感じませんが、格下の雑魚戦など作業的な場面では多少気になりました。また、戦闘シーンのテンポも慣れてくると若干遅めに感じてきます。演出スキップはあるのですが、ダメージ表示や、死亡時にウエイトが入り、ボタン送りができないためだと思います。

フィールド移動中については、画面効果が重なったり、敵シンボルが画面内に大量にいたりするとフレームスキップが入りますが、アクションゲームという程ではないので操作性に問題は感じませんでした。

(本当に一瞬

グラフィック

これがアンリアルエンジンで作ったメガテンだ!過去作に比べて表現力が大幅にアップし、今風のゲームだなという見た目です。アニメとフォトリアルのあいのこみたいな印象で、メガテンならではの世界観をうまく落とし込めていると思います。加えて、ムービーも随所に挿入され、派手なシーンはあまりありませんが、見せ方にはこだわりや作り込みを感じます。さらに、各キャラクターたちや、200体以上の悪魔が3Dモデリングされて登場し、これがまたよくできています。ディティールの描き込みも素晴らしいですし、そのうえモーションも凝っており、あらゆる場面で個性的によく動きます。デザイン自体も新規悪魔に加え、シリーズ続投の悪魔も有名所(というかペルソナ5)が採用されているように思えます。なお、この表現が適切かはわかりませんが、個人的にはイメージイラストよりも3Dモデルの方が魅力的に感じました。それぐらい完成度が高いということです。本作のハイレベルなグラフィックは、お気に入りのキャラクターや悪魔への思い入れの一翼を担うことは間違いないでしょう。

(静止画だとそうでもないですが、実際は動画なので十分綺麗に見えます
(このデザインのほうがしっくりきます

サウンド

結構細かい音も鳴っている気がするので、没入感を求めるならヘッドホン(またはイヤホン)推奨です。

BGM

ボーカル曲もないですし、いわゆるキラーチューンはありませんね。あくまでBGMといった感じです。とはいえ、戦闘BGMはボスやイベント戦含めてバリエーションが豊富です。アップテンポな曲は少なめな印象ですが、繰り返し聴いていると耳に残るフレーズが結構あって割と好みです。なんとなくですが、新しいけどちゃんとメガテンっぽいなと思いました。その他の曲も派手さはないですが、BGMとしてはジングルの使い方含めておおむねゲーム体験とマッチしてるように感じました。ただ、魔王城のBGMは仕掛けも相まってダルくなりました。もっと突入感あっても良かったと思います。またラスボス戦も専用曲ですがアンビエント系で盛り上がりに欠けました。

SE

ひとまず、耳障りな音がなくて安心しました。気になった点としては、戦闘時のヒット音が爽快感に欠けます。ボシュとかドッとかそんな感じです。もっとリバーブ掛けてパァンやって欲しかったです。ただ、多段ヒットのクリティカルでガチャガチャするのは気持ちいいです。つまり八艘飛びです。

UI

普通です。何かと情報量が多いですが、シンプルに纏まっており文字の見づらさや操作の不便さは感じませんでした。黒と黄色をベースにした配色と、グリッド的な配置は、オシャレさはないですが、視認性は良好です。英語表記が少しくどい気がしましたが、多言語対応の工数削減のためでしょうか、まあすぐ慣れました。テキストの漢字にルビが付かないのも同じ理由でしょうか。画面下部のHELP欄に注釈テキストをまとめたのはよかったと思います。

(一番ダサいと思った画面を貼っておきます

ボリューム

プレイスタイルや難易度選択にもよると思いますが、1周目はくまなくやって50時間以上、周回とDLCでやり込めば100時間以上は遊べるのではないでしょうか。探索、戦闘、育成の繰り返しに大半の時間を費やすと思うので、その過程が楽しめるかどうかで満足度が変わるでしょうね。反面、シナリオは淡々としていて、世界観もかなりマイルドに感じました。詳しくは後述しますが、過去作であったおどろおどろしさや胸クソ悪さみたいな展開を期待していると肩透かしを食らう気がします。良くも悪くも長ったらしい導入などはなく、ゲーム開始数分で魔界に迷い込み、オッサンと合体して神になり本編スタートです。

探索

マップ

ざっくり言うと、4つのフィールドといくつかのダンジョンが存在します。ジャンプアクションの採用により、高低差を加え複雑化したフィールドは、意図的に意地悪に作ってあります。一つ目のフィールドは広大に感じましたが、以降はどちらかというと迷路です。一見するとわかりにくいかも知れませんが、明確に道がデザインされており、地図から連想されるオープンワールドのような自由度はありません。そのうえ、曲がりくねっていたり切り替えしたりするルートが多く、直進しているようでも、いつの間にか方向感覚が失われてしまうことが多々あるでしょう。また、目的地が目の前に見えていてもたどり着くには回り道を要することも度々あり、ミニマップだけ見ているとイライラしてしまうことは不可避です。さらに、ジャンプなどの操作に失敗して落下したり、宝箱などに釣られて脇道に逸れたりすると、ある地点からやり直しになるなど、なんとなくですが往年の3DダンジョンRPGをやっている感覚に近いです。なお、プレイヤーの移動はトリガーでアラレちゃんダッシュ、斜面では滑走となかなか軽快です。ちなみに、ジャンプにはダッシュの慣性がつかないみたいなので注意してください。

(キーン!

繰り返しになりますが、行けるところと行けないところは厳密に設計されています。一通りプレイした印象としては、よくここまで作り込んだなと半ば感服してしまった反面、近来のRPGによく見られるストレスフリーなマップに慣れていると、探索の難易度は高めで苦手に感じるプレイヤーも一定数いるだろうなとも感じました。個人的には適度なストレスで、ダレなくてよかったとは思っていますが、探索要素の多さも相まって初見は混乱しましたね。迷うこと自体にやりがいを見いだせるかどうかで評価が分かれる気がします。ちなみに、周回していると慣れてしまってサクサク進めるので、やっぱり正規ルートを模索させるようなデザインになっているのでしょう。しかしながら、最初はこんな人為的な崩壊の仕方をしているとは思いも寄りませんでした。反面、ダンジョンはシンプルな作りで、全体マップも有効なことから迷うことはないでしょう。そもそも、ダンジョンと呼べるものは城と神殿ぐらいのものでしょうか。どちらも固有のギミックがありますが、面白さには直結していないように感じました。考えないと突破できないという程でもなく、やらされてる感があります。どちらも多階層あり、結構広いのですが、ただ走り抜けるだけのつまらないマップになってしまっているように思います。個人的には、ダンジョンこそ階層間の移動(シュート)や、ワープゾーンなど、DRPG時代の意匠を取り入れて一筋縄ではいかないような工夫が欲しかったところです。

次に、景観についてですが、探索のメインとなるフィールドは砂漠化してしまっているので東京感はほぼないです。各フィールドは色調や地形で差別化はしてあるものの、大半が汎用オブジェクトで構成され、ごちゃごちゃした描き込みはありません。もっとも、じっくり見て回りたいような広さでもありませんし、これで良かったと思います。対して、物語が進行する側の東京も東京感がほとんどありません。品川駅も早々にお役御免です。伝統の見下ろしマップも健在ですが、行ける場所が研究所、学園、寺、寮(の屋上)ぐらいしかなく、ストーリーの進行でどんどん封鎖されていくので、なんというか必要最低限な感じです。よって、東京らしさという面では過去作よりも退化している感は否めないでしょう。スカイなんとかもありませんし、東京タワーもクレジットにでかでかと表記されていることから、込み入った事情があったのかもしれませんが、少し残念ではありました。

月齢

恒例の要素です。プレイヤーの移動時に周期が進みます。動かなければ変化しません。影響する要素は、悪魔会話、合体事故、特定のサブクエストの契機ぐらいですかね。新月になると、エネミーシンボルがリスポーンしてエストマが解除され、マガツヒ結晶も再配置されます。戦闘には直接影響しなさそうです。ギミックとしては、これくらいの関連性で丁度いい気がします。あと、すごく細かいですが、フィールド上では満月、新月に遷移したときに再生されるSEが、ダンジョン内では再生されません。いつの間にかエストマが切れていてエネミーシンボルに突撃みたいなことがありました。周回時ぐらいかもしれませんが、少し気になりました。

サブクエスト

主にフィールド上にいる悪魔から受注できる寄り道要素です。内容はざっくり納品系と討伐系があります。また、続き物や、二者択一もあります。数は多過ぎず少な過ぎず、丁度いいぐらいに感じました。フィールド進行上に定点的に配置されており、マップにもアイコンが記録されるので発見は容易です。達成時は報酬の他に、副次的に悪魔合体の解禁も絡んでいることも多いので、満遍なくこなしていくことを推奨します。というよりも、メインクエストだけだとスカスカなので、もとよりそういうデザインになっているのだと思います。達成時に経験値がもらえるのもいいですね。それにしても今作は平和的な悪魔が多い印象でした。ちなみに、NPCからの依頼は基本的に断るメリットはないのですが、再受注の際のテキストも用意されていて有り余って芸コマです。

クエストナビ

ここほれワンワンシステムです。仲魔とは別に特定の悪魔(ナビ)を連れて回ることができ、フィールド上の指定されたポイントに反応します。話しかけることで調査を行うことができ、アイテムやマッカの入手、あるいは悪魔とのエンカウントが発生します。調査ポイントはある程度経つと(時間経過やマップ移動?)復活します。入手できるアイテムはポイントごとに抽選テーブルがあるようで、更に初回のみ発見できる希少なアイテム(霊香など)も設定されているようです。また、ナビごとの特性もあるようで、特にデカラビアは宝石を入手しやすく、スカウトできる以前のフィールドでも宝石が入手できることから明確に違いが確認できます。いずれにせよ、プレイヤーに定期的な刺激を与えるという意味では、探索を飽きさせない工夫と言えるでしょう。ガチャはみんな好きですしね。ともあれ、本作の発明は、調査ポイントを固定のオブジェクトではなく、単なる通り道になってしまいがちな箇所に縦横無尽な配置ができたところにあると思います。

(まれにオブジェクトや壁に引っかかってしまう。そこにコリジョンあるんだ…

宝箱

各フィールドやダンジョンに固定で配置されており、剣撃で破壊することで消費アイテムや、写せ身、マッカなどを入手できます。中身は場所ごとに固定で、月齢などは関係ありません。もはや説明するまでもない探索要素ですね。ちなみに香や経典などのアイテムは入っていないので、転生プレイではほぼスルーしてました。

イツヅカ

各フィールドに固定で配置されており、インタラクトすることで、御厳(みいつ)=いわゆるスキルポイントを入手できます。まとまったポイントが入るので無視するわけにもいかず、フィールドをぐるぐるさせる要素になっています。神意を習得しきってしまえば、御厳の使いみちはないので、以降はスルーして問題ないでしょう。

ミマン

ちいさなメダルです。各フィールドマップに50体、合計200体が隠れんぼしています。5体発見ごとに貴重なアイテムなどの報酬が貰え、御厳も少量手に入るのでなかなか無視しづらい存在です。一応、NPCとしてのテキスト補完の役割も担っており、内容は攻略のヒント、雑談、東京豆知識などです。かなりいやらしい場所に配置されているものも多く、初見で全ての個体を発見できるプレイヤーはまずいないでしょう。幸いにも、各フィールド終盤にいるNPC(チロンヌプ)にお小遣いをあげることで、同マップ内の全ての個体をマーキングしてくれるので、無闇に探し回ることはなくなります。それでもやらされてる感が強く、あまり楽しい要素ではありませんでした。ただ、ボイスやデザインなど、キャラクターとしては立っていて結構好きです。

(しかも煽ってくる
(ソウダネ!(適当)
(もはやメタ発言気味である
(君がいなかったら早々に投げてた

遺物回収

各フィールドに自販機が固定で配置されており、インタラクトすることで、遺物(換金アイテム)が入手できます。一度入手すると光が消え、時間経過で点灯し、再度入手可能になります。入手できるアイテムはスポットごとにある程度固定だと思います。遺物は骸の隠れ家で売ることでマッカに変換することができます。後半のフィールドになるほど、換金レートの高い遺物が入手できます。マッカは何かと入用なので探索ついでに自販機を見かけたら調べるぐらいの感じでいいと思います。変なウェイトはかからないのでストレスはありません。遺物は序盤の寄り道イベント以外は使いみちがないので、一括売却してしまいしょう。本作は雑魚戦での入手マッカが雀の涙なので、金策はもっぱら遺物に頼ることになります。

エネミーシンボル

汎用モデルではなく、ちゃんとエンカウントする悪魔が割り当てられた3Dモデルがフィールド上を跳梁跋扈しています。視界の判定も備えており、未発見状態で剣撃を当てれば確実に先制が取れるようになっています。一方で発見状態だとプレイヤーを追跡するようになり、バックアタックされると先手を取られてしまいます。また、プレイヤーが格上だと蜘蛛の子を散らすように逃げる悪魔がほとんどですが、一部の悪魔はいくらプレイヤーが格上だろうが突っ込んできます。特に飛んでる系の悪魔はその傾向があり、カメラ外から飛んでくるケースもままあるので奇襲性が高いです。おまけに、ごく一部ですが接近しないと姿を現さない悪魔もおり、ダッシュで突っ込んでしまうこと必至です。ともあれ、剣撃は見た目より当たり判定が広く、連続で繰り出せるため、狙った的に当てられないと感じることはありませんでした。群れっぽい配置が多いですが、戦闘終了後はシンボルが一定時間停止するようになっており、囲まれて連戦みたいな事態は回避できるようになっています。

また、エンカウントを回避するスキル、エストマも今作は便利です。次の新月までの間、たとえ格上であろうと触れたエネミーシンボルを消滅させます。剣を振る必要すらありません。これはもはやエストマバリオン。ちなみに強敵(でかいやつとか)には効果はないです。消えてしまっても困りますしね。とりわけ、探索に集中したいときや、周回プレイ時に重宝するでしょう。

御魂

いわゆる稼ぎキャラです。4種類存在し、打倒することで対応した救済アイテムをドロップします。入手できる経験値とマッカも高いです。エネミーシンボルとしても出現するうえ、他の悪魔とセットで登場することもあります。また、クエストナビでのエンカウントの際も出現率が高い気がします。出現時は専用BGMになるのですぐわかります。物理無効かつ他属性の弱点1つ以外全て無効(万能は耐性)の防御相性を持ち、なおかつ個体ごとに弱点属性がランダムで変化するという仕様です。それ故にアナライズにも登録されません。弱点のダメージ倍率が高く、対応する属性で攻撃すればほぼ確殺できるようになっています。都度、「万里の眼鏡」で弱点を調べて対応する属性攻撃のスキルや石を使って倒すのが定石でしょう。貫通や万能属性のスキルの火力が上がれば、アナライズの必要なく倒すことができます。行動はほとんどが逃走、まれにランダマイザです。なお、会話は通じず合体でも作れないので今作では仲魔にすることはできません。

「汝よ、経験値を稼いで神と為れ――。」

「…少年、初見プレイはオプションから御魂DLCをオフにすることを推奨」

バンドルで購入したので最初からオンになってました。これが適用されていると、フィールド上のエネミーシンボルの大半が御魂に置換されることになります。意図せず導入してしまうと、本作の醍醐味でもある戦闘や育成のプレイ体験を損なうおそれがあります。特に、クシミタマが確定ドロップする「福音書」(使用すると主人公が1レベルアップ分の経験値を獲得するという効果)という消費アイテムが雑に手に入ってしまうのがバランスブレイカーです。本作は戦闘においてレベルの影響度が大きく、格下の相手にはまず苦戦しないようになっています。また、悪魔合体の上限も主人公のレベルに依存することから、パーティ全体のレベルも比例して上がることになります。やろうと思えば序盤でレベルカンストもできてしまい、その場合、ほぼ全ての戦闘が単純作業と化すでしょう。敵が強いのなら難易度を下げるという選択肢もありますし、一人プレイ用のゲームで試行錯誤の過程を無闇に放棄してしまうのは勿体ないことだと思います。あとは、前述の通り、打倒には手順を踏む必要があり、これを繰り返すのが単純に作業的で楽しくないというのもあります。したがって、クリア後の時短要素として使うのはアリだと思いますが、安易な導入は個人的にはオススメしません。

マガツカ

いわゆる中ボス戦です。フィールド上に固定で配置されており、近づくことで画面に赤いエフェクトがかかり、エネミーシンボルのスポーンを始めます。本体に触れたり、剣撃を当てることで、リーダー格の悪魔との戦闘になり、勝利すればマガツカを破壊できます。また、破壊するまではオブジェクトを中心にマップにジャミングをかけています。なんとなくオープンワールドを想起させるシステムですね。さらに破壊することで場所に対応した神意が開放されます。よって、探索をスムーズに進めるには、まずはマガツカの破壊を目指すのが正攻法でしょう。ちなみに、リーダー格の悪魔は、フィールドでは出現しない個体も存在しますが、残念ながら会話が通じないので仲魔にすることはできません。また、ボス戦と同様にレベルも調整されていますが、アナライズには登録されません。なお、周回時はルートが分かっているので無視して進むとあっという間にフィールドを踏破してしまいます。マガツカに限らず、探索要素は各所に散りばめられており、初周はとにかくぐるぐるさせることにウェイトを置いたデザインになっていたんだなと感じる瞬間です。

強敵

マップ上で大きいシンボルで表されるのが強敵です。フィールド上の見た目も大きかったりして迫力があるので、探索を単調にさせないための工夫とも言えるかもしれません。ゲーム内でも説明があるように、発見時ではまず倒せないレベル設定と配置になっています。大体は討伐系のサブクエストに絡んでいて、受注できる時点で適正レベルぐらいになっているので、後で戻ってきて倒すということになります。最初は怖いもの見たさで挑んでみたりもしたのですが、無理だとわかってくるとスルーするようになります。そもそも先んじて倒してもあまりメリットがありません。ところで、本作に限らず同じようなレベルデザインのゲームは多いですよね。個人的には、クエスト報告しかり、行ったり来たりの時間が楽しくないので、あまりいい調整とは思えません。ジャターユのように、他イベントの障害になっていたり、がんばって倒せば当面、楽に進められる何かが手に入るとかなら分かるのですが、ただ事前に強い敵置いときましただけでは、面白みに欠けるというか、もうちょっとセンスが古いんじゃないかと思いました。

石化した悪魔

各フィールドに固定で配置されており、インタラクトすることで、ストックを含む全ての仲魔のレベルが上がります。主人公のレベルは上がりません。当然ながら、1度しか使用できませんが、それぞれのフィールドに4,5個ぐらいとそこそこな数が配置されているので、適当に利用していくのがよいと思います。なお、発見地点はマップに記録されるので、時点で困ってないのであれば温存しておくのも手ですね。基本的には、仲魔が増えてきたり、レベルが上がりにくくなってきた時ほど恩恵が大きいはずです。まあその場合は、またマップをぐるぐるしなければいけないので面倒というのがありますが、リターンが上回ると思うので気にならないでしょう。ともあれ、個人的に戦闘以外でも経験値が得られるデザインが好きというのもありますが、探索と育成をダイレクトに繋ぐ要素としても、よい調整だと思いました。

戦闘

難易度

Casual/Normal/Hardから選択でき、Hardはゲームスタート時のみ選択できます。クリア後に追加されるさらなる高難度みたいなものはありません。ひとまずNormalで始めましたが、第一印象としては覚悟していたとおりのメガテンらしい高難度でした。Casualはやってないのでわかりませんが、Hardは被ダメージの上昇、与ダメージの減少、先手を取られる確率の上昇など、体感できる程変わります。敵のパラメータやスキル構成は変わらないようなので、難易度係数がかかっているだけだと思いますが、単純にキツくなります。主人公がやられるとおしまいなので、先手を取られると雑魚戦でさえあっさりゲームオーバーもありえます。とはいえ、過去作(記憶ベースですが)に比べれば理不尽さは大分マシになった印象です。特に中盤以降はプレイヤー側の選択肢も増えてくるので、プレイスタイルによって感じ方に差が出る気がします。当然といえば当然ですが、時間をかけてプレイすればするほど楽にはなります。したがって、Normalでも決してヌルいということはないと思いますが、じっくり遊びたいシリーズ経験者にはHardもオススメです。個人的には、記憶が消せるならHardで始めたかったなと思いました。ちなみに、難易度はオプションからいつでも変更できますが、Hardに上げることはできません。下げるのは辛くなってからでも遅くはないのです。

プレスターンバトル

すっかりおなじみのプレスターンバトルです。そのため、ここでは細かい説明は端折りますが、攻撃側は、弱点をついたり、クリティカルを出したりすると行動回数が増え、逆に、無効化されたり、回避されたりすると行動回数がより減るという戦闘システムです。行動回数はアイコンで示され、プレイヤー側は主人公+仲魔3体で最大4個、敵側は個別に設定された個数を持ちます。アイコンはコマンド実行と、その結果に基づいて消費され、全て無くなると相手側にターンが渡ります。よって、戦闘においては、いかにアドバンテージを稼ぐかが肝要で、ひいては、自由度の高い仲魔とスキルを組み合わせ、パーティ編成をしていく過程に高い戦略性があります。また、言うまでもなく先手が圧倒的に有利です。したがって、雑魚戦、ボス戦問わず、ずっと俺のターンからの勝利、または敗北という展開がしばしば起こり、爽快感と緊張感を両立させている戦闘システムと言えるでしょう。

また、特にボス戦、強敵戦は、準備段階で勝敗が決しているといっても過言ではないでしょう。相手の行動や防御相性をいかにメタれるかがポイントです。いわば、運の絡む詰将棋みたいな感覚であれば勝ちは見えています。言い換えれば、相手の弱点や行動がわからない初見では苦戦することも多く、覚えゲー的な要素もあります。なおかつ、ボスはHPがかなり高めに設定されており、持久戦になりがちで、さらにMPも無限なので、ストックの仲魔も活用してのリソース管理ができなければ、ジリ貧で負けてしまうことも多々あるでしょう。また、中には防御相性の学習や、発狂パターンを持つ相手もおり、突如としての敗北を喫することもあるでしょう。もっと言えば、謎の超回避や、アホみたいなクリティカル連打、バカみたいにバステがキマりまくり、ブン回りをひっくり返されて苦杯を嘗めることもあるでしょう。匙は投げても、コントローラは投げないでください。とりあえず何か温かいものでも食べて落ち着いてからまたやればいいのです。幸いにも、それらのファクターの多くはレベルを上げることで潰すことが可能です。が、メガテニストたちは持ち前の知恵や創意工夫により、一見すると不可能とも思われる戦力差の中にも打開策を見出していくことでしょう。そして、その高貴なる行いの先には自分にしかわからない達成感があるのです。そこまで至らなくとも、本作は、繰り返し挑戦することで、パターンが明らかになり、突破口が見えてくるようなデザインになっています。そもそも、RPGにおける戦闘とは、開発者が用意したゲーム進行上の障害に他なりません。その難易度は高すぎても低すぎてもゲーム体験としては面白みに欠けてしまいます。故に、普遍的なコンセプトとして、まずは納得のおける死を与え、悔しさを煽ることで、能動的にリプレイさせるというコントロールが求められるのではないかと考えます。本作も例外ではなく、プレイヤー自身の成長による手応えを感じさせつつも理不尽になりすぎないように慎重に設計がされているように思います。よって、試行錯誤の過程が楽しめるなら、おとなもこどもも、おねーさんもの懐の深いゲームバランスになっていると言えるでしょう。

(ムラクモッ!PAY!

レベルが強さを規定する

今作は、戦闘に関わる各計算式のかなり最初の方にレベルがある印象で、単純な例でいうと同じ攻撃スキルを使う場合、パラメータの高い悪魔より、レベルの高い悪魔が使ったほうがダメージが大きくなります。逆に、自分より高レベルの相手には、弱点を突いてもほとんどダメージが通らないということもあります。したがって、レベルアップ=パラメータが上がって強くなるというよりは、レベル自体が上がって強くなるという印象を受けます。今作では、装備品のようなゲームの進行度に応じて一定のパラメータを加算して強くなるみたいな要素が削がれており、それをベースにした難易度調整がレベル至上主義を助長しているように思えます。また、裏を返せば、レベルアップによって強くなるが実感しやすいとも言えます。個人的にはわかりやすくていいかなとも思った反面、少し補正が強すぎるようにも感じました。敵のレベルも進行度に応じて小刻みに上昇していきますが、基礎レベルの低い悪魔ほど必要経験値が多くなるので、順当にプレイしていると敵とのレベル差が広がっていき、戦力として期待できなくなっていく傾向があります。要するに主人公のレベルに合わせて、どんどん新しい仲魔を悪魔会話や悪魔合体で手に入れてパーティを更新していきましょうというデザインなのだと思いますが、お気に入りの仲魔を使い続けられないのは少し残念ではあります。もっとも、相手とのレベル差によって戦闘で取得する取得経験値にも補正が入りますし、レベルを上げる手段は戦闘以外にもありますので、全く不可能というわけではないのですが、非効率であることは否めないですね。極論をいえば、最終的には神意によるボーナスや、スキル選定の関係で作り直すことになると思うので、どうにでもなるといえばそうなのですが。また、前述したように経験値補正があることから、基本的にボスは格上になりやすく、戦略次第ではなんとかなるものの、レベリングを強要されているように感じるプレイヤーがいてもおかしくありません。ただ、難易度を下げるなどの回避策は幾つかあることから、単純にバランスが悪いとは思いません。むしろ、公式チートもありますし、難易度について様々な尺度を持つ幅広いプレイヤーを受け入れるには、これくらいの調整でよかったんじゃないかとすら思えてきます。いずれにせよ、上記の事実を念頭に置いてプレイすれば不意に感じる理不尽さは軽減されるでしょう。これでいいの!今作はレベルが正義なの!

スキル

戦闘では、MPを消費して様々なスキルを使用することができます。今作ではHP消費のスキルはなくなった気がします。スキルの数は豊富で、物理含め各種の属性攻撃、バッドステータス付与、回復、バフデバフ、さらにはそれらの効果を複合したスキルなど、一言では紹介しきれません。とはいえ、ほとんどが、属性や威力や効果範囲などで系統立ててあり、わかりにくさはありません。良い意味でシンプルになった印象を受けました。他には、コマンドとして実行しない、自動効果系のスキルも存在します。対応した属性の威力を上昇させるプレロマ系や、各属性の防御相性を上書きする、耐性・無効・反射・吸収系など結構な種類があります。また、固有の悪魔のみ習得できる(写せ身や悪魔合体などで引き継げない)専用スキルも存在し、総じて強力です。これらのスキルを自由に組み合わせて戦略を立てていくことになります。それに加えて、各悪魔ごとにスキル適正というステータスが属性ごとに存在し、例えば、対応する属性の攻撃スキルを使用する場合、同値のプラスの値が大きいほど威力が上がり、消費MPが減少するという特徴があります。逆にマイナスの値が大きいほど威力は下がり、消費MPは増加します。すなわち、悪魔ごとに属性の得手不得手があり、スキル構成を決定する上では重要な要素です。ところで、今作は、MP管理がなかなかシビアなバランスになっています。強力なスキルほど消費MPが高いのは当然ですが、上昇率が半端ではないのです。具体的にはラスタキャンディや、ランダマイザ、メディアラハンなどで顕著に感じました。ドーピングなしだと、レベルカンストしても数回しか使えないぐらいの消費量です。もっとも、強力なスキルを撃ち放題なのも冷静に考えればどうかと思うので、良いよりの調整だと思います。なお、防御相性を上書きする自動効果系のうち、反射や吸収は継承はできるものの、高レベル帯の悪魔が各一つづつしか習得しません。これに関しても、弱点埋めゲーになりがちだった過去作を鑑みると、妥当な調整だと思いました。ちなみに気になった点としては、攻撃スキルなどの説明で見られる、小威力、中威力、大威力などの表記です。実際に使用すると同じ大威力でもスキルによって体感できるほどダメージが違ったりします。ここはもう、具体的な数値をだしてもよかったんじゃないかとは思いました。

(ナホビノくんの専用スキルはどれも優秀

マガツヒスキル

パーティ共通のゲージを消費して使用できるスキルです。ゲージは基本的にはターン経過で増加します。なお、使用に際して行動回数は消費しません。最初から習得している会心に加え、護符というアイテムを入手することで、仲魔の種族ごとに対応した新たなマガツヒスキルを使用できるようになります。また、神意を習得することで仲魔のマガツヒスキルを主人公も使用可能になります。効果はぶっ壊れから産廃っぽいのまで様々ですが、例えば、会心でいえば、ターン中は味方全体の攻撃が全て確定クリティカルになるというもので、かなり強力です。要するに、一定ターンごとに使える必殺技みたいなもので、前述のプレスターンバトルに一層メリハリをつける要素となっています。もちろん敵も同等の行動をもっていますが少し仕様が違います。敵の場合は全プレスアイコンを使用してマガツヒ集めという行動をとってきます。効果はプレイヤーの会心と同じで、いわば大技の前の予備動作のようなものです。つまり、プレイヤー側には1ターンの猶予が与えられるので、殺られる前に殺るか、ガードをして凌ぐかなどの選択を迫られることになり、適度な緊張感があります。もっとも、ボス戦などではマガツヒ集めの後の行動はある程度決まっていることが多いので、予め対策ができれば、ピンチをチャンスに変えることもできます。以上のことから、ある種、予定調和になりがちな戦闘システムを打破する狙いという意味ではよい追加要素だと思いました。ただ、雑魚敵の使用頻度も高いのが少し気になりました。特に、同レベル帯やそれ以下の時点ではHP/MPにおいてすら相手にアドバンテージがあるので暴力的に感じます。使用頻度はもう少し控えめでもよかったかなとは思いました。

アイテム

おなじみの回復アイテム、各属性攻撃のできる石、各属性を無効化する障石、バフデバフを解除する札など、実用的で強力なものが揃っています。今作では神意を習得することで、仲魔もアイテムを使用できるようになります。それぞれ所持数に制限はありますが、実質それ相当のスキルをパーティーメンバー全員が使えることになり、プレイヤー側にかなり有利な要素です。弱点をついて行動回数を稼ぐのは勿論ですが、マガツヒ集めからの確定行動を障石で往なしたり、特にボス戦や強敵戦では使うのと使わないのでは難易度にかなり差が出るでしょう。また、序盤から店売りされているので入手も容易です。個人的には概していい塩梅でした。あと、御魂やボス戦の初手は「万里の眼鏡」(アナライズに登録する効果)だと思うので、並び順は一番上か下に配置して欲しかったですね。真ん中ぐらいにあって選択するのが手間でした。もしかして並び替えとかできたのかもしれません。

悪魔会話

おなじみの悪魔会話です。基本的にはエンカウントした悪魔を仲魔にする手段です。TALKコマンドを実行し、悪魔からの質問に回答したり、要求に応えていくことで仲魔を増やしていくことができます。なお、悪魔との交渉は過去作に比べて優しくなった印象です。具体的には、こちらから打ち切らない限り、再三貢いだ挙げ句、持ち逃げみたいのがなくなったように思います。ただ、要求されるマッカのレートも高く感じます。よほど余裕がない限り、別のものにすり替えたり、打ち切ったりして、ダメだったら再チャレンジするほうが無難な気がします。それでも仲魔になる可能性はありますしね。いずれにせよ、相変わらず独特のノリで繰り広げられる悪魔との会話は、ある種の趣があり、真剣な戦闘の中にも緊張と緩和を引き起こす楽しい要素です。悪魔会話は持ち駒を増やすというシステム的な目的だけでなく、メガテンの持ち味でもあるユニークな世界観の構築の一端を担っていると言えます。一方で、今作は逆引き全書合体が便利すぎるのと、同個体なら会話で仲魔にするよりも合体で作ったほうが絶対に強くなることから、個人的には終盤ではあまり使用しないコマンドになってしまいました。まあ、そこはプレイスタイルの範疇ですね。ちなみに、ゲーム内では説明がなかった気がしますが、同個体がパーティにいれば、会話によって戦闘を回避できるので憶えておくといいかもしれません。他には、神意を習得することで、敵が瀕死になったときに命乞い会話が発生するようになります。神意の習得段階に応じて、仲魔、マッカ、写せ身などの要求ができるようになります。更には、ストック含む特定の悪魔同士の組み合わせで、特殊な会話が発生するパターンも存在します。各一度しか発生しませんが、悪魔同士の特別な会話が見れるほか、アイテムがもらえたり、強制戦闘になったり、戦闘終了したりと様々な展開が見られます。さらに付け加えるなら、格上の悪魔との遭遇時は、見逃すのを条件に恐喝される場合もあります。ビャッコ許すまじ。などなど、色々凝っているので、過去作を遊んできたプレイヤーも安心のクオリティに仕上がっていると思います。

(俺はてめーを怒らせた
(賽銭とは…さすが神
(貴重なアイテムが貰える場合も
(ナン…ダト…?
(周回すればワンチャンワンキルの神意が解禁される

育成

主人公

ナホビノくんです。パーティから外すことはできませんが、一番カスタム性が高いでしょう。後述する写せ身によって自由に防御相性の変更や、スキルの習得が行えます。また、探索等で集めた御厳を消費することで、神意(いわゆるパッシブスキル)を習得できます。神意の種類は、戦闘に関わるもの、育成に関わるもの、探索に関わるものなど様々ですが、基本的には取り得です。ただ、前述のマガツカの破壊により段階的に開放されていくうえ、時点で全てを取得するには御厳が不足すると思うので、プレイスタイルによって優先順位をつけて習得していくことになります。加えて、神意の習得は必要ですが、全てのスキル適正をMAXにできるのも主人公だけです。パラメータはレベルアップで、ベースとなる3ポイント分が上昇するのと、任意で1ポイントの振り分けをすることになります。なお、レベルリセットや、パラメータの振り直しはできません。ちなみに、攻略情報を書く気はないのですが、最終的には力極振りが正解なのかなと思いました。クリティカル叢雲を筆頭に、道中の専用スキルも強力な物理技が多いためです。でもまあ、僕の場合は色々試したいどっちつかずビルドでしたし、もっと言えば、速に振りまくっていたので割とどうにでもなる気もします。そもそも一騎当千できるようなゲームバランスでもありませんし、パーティ編成に応じて役割を変えられる自由度が主人公の強みだと思います。

(パラメータは99が上限と見せかけて、普通に100を超えます。周回し始めてしまうと、もはやどうでもいいですが

仲魔

仲魔は神意の習得によって、最大24体までストックできるのが特徴です。そのため、主人公以上に役割に特化することになるでしょう。最終的には、スキル適正と防御相性、ならびに専用スキルや、マガツヒスキルなどが差別化要素でしょうか。まあ、後は見た目とかですかね。お気に入りの仲魔と冒険するのが一番です。本作には200体以上の悪魔が登場します。過去作と比較すると減った気もしますが、個人的にはこれぐらいの数で丁度良かったです。上位互換がいるのは仕方のないことですが、ステータスの設定はほぼユニークと言っていいでしょう。お気に入りの仲魔を最強に仕立て上げるのも、人によってはエンドコンテンツになるかもしれませんね。

(香は無限に手に入るので究極的にはパラメータはどうにでもなります

また、仲魔の場合はレベルアップ時に、特定のレベルで設定されたスキルを覚えるほか、新たなスキルを閃くこともあります。閃くスキルは個体に関係なくランダムで、抽選テーブルはレベルに依存しているように思います。また、アイテムや写せ身が貰えることもあり、レベルアップに楽しみを追加している要素として評価できます。パラメータは1レベルごとにランダムで計3ポイント分が上昇します。なお、悪魔ごとに上がりやすいステータスの傾向が設定されている模様です。HP/MPは悪魔ごとに固定でレベルに準拠して上昇します。すなわち、リセットロードでステータス厳選ができますが、確固たるこだわりがなければそこまでする必要はないと思います。

(マッスルパンチが目覚めました

悪魔合体

シリーズおなじみの悪魔合体です。二体以上の仲魔を消費して、新しい仲魔を作成します。主人公より高いレベルの悪魔は作成できません。大きく分けて、二体の悪魔を使用する通常合体と、二体以上の特定の悪魔の組み合わせを使用する特殊合体があります。通常合体は元となる悪魔の種族の組み合わせと基礎レベルに応じて、合体結果の悪魔が決定します。特殊合体は前述の通り、特定の悪魔の組み合わせのみで作成可能な悪魔が存在し、元となる悪魔を全書登録した時点でシルエットが公開されます。なお、一部の悪魔は合体に制限がかかっており、メインシナリオやサブクエストを進めることで合体が解禁されていきます。ところで、今作では逆引き全書合体がすこぶる便利です。ストック含め、全書登録してある悪魔全てから作成できる悪魔の組み合わせを一覧化する機能です。本作では実際には合体しなかったり、主人公のレベルが不足していて合体できない場合でも、合体結果を事前に確認することができます。つまり、特殊合体で素材が揃っていない場合を除けば、ステータスから習得するスキルに至るまで全て公開情報となります。序盤からヨシツネとかが見えてしまうのはちょっと驚きましたが、先を見据えてのプランニングも戦略の一つですね。なお、スキルは合体元の悪魔から任意で継承することができます。膨大な組み合わせの中から、自分なりの合体プランを選択していく作業は面白くもあり、時間が溶けていく要素です。また、実際には(任意ではありますが)神意の習得により、合体結果に経験値ボーナスが入ったり、パラメータボーナスが加わったりするので、同じ悪魔でも素材の組み合わせごとに合体結果のレベルやパラメータが不揃いになり、余計に複雑に感じるかもしれません。加えて、仲魔のレベルアップ時のパラメータ上昇は前項で述べたとおりランダムなので、レベルが大幅に上昇する合体結果の場合などは、結構なバラツキがでます。乱数を振り直すには、邪教の世界に入り直すか、他に一度合体をするかしかなく、ステータス厳選(ある程度で妥協することを推奨)をしたい場合は、煩わしく感じるでしょう。この点に関しては、某DRPGではないですが、ワンボタンでできてもよかったかなとは思いました。

写せ身

各悪魔ごとに存在し、邪教の世界の「写せ身合体」機能で主人公や仲魔のスキル習得が行なえます。いわゆるわざマシンですね。主人公の場合は、防御相性の上書きもできるようになります。コピーできる要素は、基本的に写せ身の元の悪魔に準じます。なお、専用スキルは専用の悪魔にしか移すことができません。また、移せるスキルにはロックが掛かっており、神意の習得によって開放されていきます。ボス戦やゲームの進行度によって防御相性やスキルを更新していくのは、悪魔合体と並んで、本作の基本的な戦略の一つです。足りないという事態もあまり起きないと思うので、勿体ぶらずにどんどん使っていきましょう。後述しますが、再入手も可能です。

(アオガミくんの遺影もバージョン違いで手に入る。なお、耐性はうんこっこなので実質専用スキル取得用

気になった点として、同じ悪魔の写せ身は最大で1つしか持てません。未発見、所持、未所持(使用済み)の値で管理されているみたいです。入手方法が、エネミードロップ、宝箱、仲魔のレベルアップ時のプレゼント、サブクエスト報酬、店売り、命乞い会話など、複数あるのに対して、消費方法が上記の写せ身合体しかないので重複しがちです。売ることも捨てることもできません。特に宝箱シンボルは入手しないことには消えないのでちょっとしたストレスになります。複数所持できると何か問題があったのでしょうか。ちなみに、文字数の制約があるのかわかりませんが、悪魔の名前が端折られているのも少し気になりました。サンダルの写せ身とかパッと見でイメージできません。

(ナホビノくんも舌打ちしてしまいます
(逆に考えるんだ「使ってないということは必要ないさ」と考えるんだ

ストーリー

メガテンといえば、尖った世界観と背徳的なストーリーというイメージがあったのですが、本作はかなり薄味に感じました。なんというか、ドラマチックでもダークでもありません。要は、悪魔も人間もかなり丸いのです。メガテンらしさをリスペクトしつつ、大衆向けにチューニングした結果、中途半端になったんだな、というのが率直な感想です。もっとも、全く面白くないというわけではないので、これが現代解釈されたメガテンなのだと思います。

したがって、みんななんか色々言ってくるけど、とりあえず戦って分からせていくだけだぜ!ぐらいのノリの方が楽しめる気がします。そもそも、自分がメガテン3に夢中だった当時もそんな感覚だった気がするし。リマスターはプレイしていないのですが、今やったらやったで評価も変わりそうです。ボイスが付いたり、グラフィックの質が向上したり表現力が上がっていく一方で、想像の余地がなくなっていくのはやむを得ないことです。にもかかわらず、本作のキャラクターたちは多くを語らないので、真正面から理解しようとすればするほど不明点や疑問点が発見されるでしょう。はっきり言って、この物語を完成させるには、神話などのゲーム外の知識や、キャラクターごとの描かれない設定ならびに行動を補完する妄想力が不可欠です。残念ながら僕はそれらをほとんど持っていないのですが、ストーリー含めてゲームとしては楽しめました。ただ、スッキリ出来なかったのは事実なので、その辺りを中心に所感を書いておきたいと思います。

キャラクター

本作に登場する魅力的なキャラクターを紹介します。

主人公(ナホビノ)

(僕が何したっていうんだ…
(もう授業どころではないよ
(組織の方針に従い東京守ったり
(世界平和のために活動しているうちに
(神々の覇権争いに巻き込まれていた
(果たして彼の運命や如何に…この先は、君の目で確かめてくれ!

歩きスマホならぬ、歩き万葉集をするごく普通の高校3年生。髪型もごく普通のパッツンアシンメトリー。本は電子書籍より、神だけに紙派に違いない。もちろん趣味は読書!悪魔合体では、謎のオルガンみたいな楽器を演奏するよ!それが、あなたの分身だ!お約束の主人公=プレイヤーの構図なので、イベントシーンでは喋りません。そのため、選択肢を通してキャラクターを作っていくわけですが、素っ気ないというか、かなり端的な返答が多いです。ひいては、ほぼ無表情なので、なかなかとらえどころがありません。ちなみに、ゲームオーバー時や、一部のルート分岐等では、彼の貴重な表情を見ることができるので逆に新鮮です。一方で、シナリオの都合上しょうがないのだとは思いますが、イベントシーンにおいてプレイヤーの意に反して勝手に行動してしまうこともしばしばあります。特にラフム編では顕著でしたね。クッ…俺の中のオッサンが暴れだしやがった、ということにしておきましょう。なお、戦闘中は専用スキルをはじめ、多種多様な厨ニポーズや台詞を披露してくれるのでキャラクター重視の方も安心です。この少年、意外とノリノリである。また、シナリオは一貫して主人公視点で進行していきます。一方その頃…みたいなカットはほぼありません。だから、イチロウの描写のためにアブディエル様のお見舞いについて行くことになるんですよ!ともあれ、ナホビノのデザインも中性的で前代未聞な感じなので、主人公としては賛否両論ありそうですね。個人的には、面白い駒だなーぐらいの感想で、どちらかといえば賛です。

アオガミ

(少年よ神話に為れ
(笑えばいいと思うよ
(ミツカッチャッタ…
(もはや愛の告白
(アレッ?
(それはひょっとしてギャグで言ってるのか?

主人公のバディです。ホモガミとか言ってはいけない気がしますが、なかなかチョロいです。それはさておき、彼は18年前、秩序と混沌の決戦時に日本支部の秘術によって作られた神造魔人という設定です。どうやらアオガミ型は複数体いるらしく、一番いいのを頼むと言いたいところですが、性能的にもプロトタイプとかなんでしょうね。そんなスキルで大丈夫か?大丈夫だ、(写せ身があるから)問題ない。合一後は、主人公に主導権があるらしく(本当かな…)アオガミくんは心の声や、第六感的な機能でナホビノくんをサポートしてくれます。また、自由自在に分離できるようで、主人公以外との会話のときは基本的に出てきます。ただ、自衛隊らしきモブは特殊なサングラスを通さないと姿を視認できないような発言をしています。そもそも悪魔とか天使が、はっきり見えたりそうでなかったりする人がいるみたいで、それが霊感によるものなのかは判然としませんが、大丈夫だ、問題ない。ところで、彼の造られた目的は、人間を守るためらしいです。ともすれば、主人公全肯定の共依存タイプかと思いきや、意見が一致しないとちゃんと言うこと言ってきます。が、あくまで冷静で感情的ではなく、対立したり軋轢が生まれたりすることはありません。最初はアオガミくん育成シナリオかと思いましたが、結果的には彼がブレなくて正解だと思いました。よくありがちな、作られた存在に心は宿るのかみたいなテーマを深堀りされるより、個人的には本作ぐらいの距離感のほうが丁度良かったです。しかしながら、全く心を持っていないわけではないようで、人間を保護する立場でありながらも悪魔である自らの存在意義について自問自答したり、人間の行動原理に対して興味を示し理解しようとする様は、半身である主人公との関係に思い煩いながらも、彼なりの解答を模索しているように思えます。それ故に、あるルートの「少年よ、お別れのときだ」はベタな結びですが、長かった物語の終わりを告げるという意味では感慨深いものがあります。彼や少年への思い入れがちゃんと出来ていれば本作唯一の感動シーンでしょうね。対して、他のルートを選択すると全く喋ってくれなかったのは寂さというか、違和感がありましたが、大丈夫だ、問題ない。

タオ

(女子高生とは思えない口八町ぶり
(私の親友がイジメられるという当たり前の生活をなッ
(聖女が仲間になりたそうにこちらをみている
(また?彼女の過去に一体何が…もちろん語られません

多分ヒロインです。学園のアイドルで、文武両道、性格良しという設定です。こいつはくせえッー!と思いきや、そんなことはなかったぜ。ただ、プロローグで不意に「夢が…」とか言い出すので、「ああ、女神ね」と思ったプレイヤーも多いでしょう。君、正解です。なお、主人公とは仲がいいらしいです。じゃあ、なんで集団下校のとき誘ってくれなかったんだとか思ってはいけないのでしょう。また、主人公が事件に巻き込まれる前から、日本支部に所属し活動していたようです。本当の東京は滅びたとか、関係者のユヅルくんも知らない機密情報を持っていることから、かなり深く関わっていたことが伺えます。加えて、癒やしの力が使えるので組織では聖女と呼ばれています。じゃあ、妖精の集落でリンゴ集める必要なかったじゃんとか思ってはいけないのでしょう。ともあれ、素性も一切不明で、あるとすれば幼い頃から霊感があったらしいことぐらいでしょうか。まさか、彼女も日本支部のホムンクルス?は裏読みし過ぎな気もしますが、転生したときのプラグスーツ感がアオガミくんを連想させたり、スサノオ、ツクヨミとくればもしやとか妄想が膨らみます。が、作中ではいずれも明示されないので、答えは僕らの心のなかにあります。それはさておき、シナリオの半分ぐらいは同行しているし、出番も少なくないはずなのに、いまいち印象に残らないのは何故なのでしょうか。差し障りのない台詞が多いというか、真面目というか、なんというか面白みに欠けるのが要因な気がします。集落を村に瞬時に変換したりもしますが、天然キャラと呼ぶには不十分ですね。やっぱりメガテンのヒロインは悪魔ですね!プレイヤー各々でお気に入りの悪魔を連れて思い出を作りましょう。まあ、彼女もナホビノを創世へと導く女神という名の下に、至聖女という名目で悪魔になるのですが…。ちなみに、転生して仲魔となった後は、シナリオ上加入必須で、全書にも登録されますが、呼び出すことも別れることも出来ません。そのうえ、どのルートを選ぼうが、最終的には離脱してしまいます。周回時も初期ステータスで加入するので、無闇なドーピングは避けたほうがよいでしょう。専用スキルは優秀ですが、お助けキャラと割り切って育成しないのもアリですね。そもそも手伝いたいとしか言ってないし、その日までってちゃんと期限指定してますよね?ね?

ユヅル

(妹守る!
(東京守る!
(東京守る!
(東京守る!
(東京守る!
(東京守る!

妹守ると見せかけて東京守るマン。いつもポケットに片手を突っ込んでいるイメージがあります。こいつはいつか裏切るなと思いきや、そんなことはなかったぜ。また、初っ端から両親いないみたいな重めの設定をぶっこんでくる割には、トラウマや過去が語られることもなかったぜ。それどころか、自分が守ってきたはずの東京でいきなり神になって無双する主人公に何の劣等感も抱かないし、逃げ出したイチロウを庇って妹が攫われる場に(おそらく)居合わせているはずなのに恨み言一つ言いません。さすが学園一の秀才、出来た性格ですね。それはそうと、一貫して見せ場がなさすぎます。別行動とはいえ、彼が悪魔召喚プログラムを使ったり戦ったりする直接的な描写が一度もないのも、お前どこで何してたん感に拍車をかけます(なお、NPCや本人からの説明はあります)。おまけに混沌の魔王軍との戦いでは、大人しく会議室でお留守番してます。君たちだけに任せてはおけない、助けに来たぜ!なんてことはありません。そもそも、彼が悪魔召喚プログラムを手にした理由は、平和な日常を守ることだったはずです。であれば、現世を創った唯一神を是とし、シャカイナグローリーを復元する流れが自然に思えますし、途中まではそんな感じに見えます。創世や日本支部の独立にあたり、わざわざ一神教を否定し、神々の争いを引き起こす種となる多様性の考え方にシフトするあたりは、トリガーとなる出来事が描かれていなかった気がします。右へ倣えなんでしょうか。それは自分で考えることを放棄しているだけだ!メガネも割れないし、妹と東京の二者択一で苦悩することもありません。対比となるイチロウ、アブディエルのキャラが濃いせいで、余計に影が薄いです。もっと活躍させてあげてもよかったんじゃないかと思いました。

ミヤズ

(皮肉にしか聞こえなくなる
(なんかがっかりされる…
(いいんですか?新たなファラオの君臨だ!

メガネ妹。君、アレでしょ?死ぬでしょ?主人公庇ったりして。それでお兄ちゃんに因縁つけられたりするんでしょ?的なフラグを設定やプロローグから示唆しておいて、全然そんなことはなかったぜ。しかも庇われたのはイチロウでした。それどころか、人間で唯一の生存キャラクターでしたね。序盤から出番も台詞もほとんど印象に残らない上、妖精の集落に匿われてからは、メインシナリオからさらにフェードアウトしていきます。が、まさかの終盤のサブクエストでスポットが当てられます。彼女は病弱キャラですが、そもそも不治の病に冒されており、半身であるコンスがマガツヒを与え続けることでギリギリ生きながらえていたという設定が明かされます。なお、彼女自身もエジプト支部のイシスと会話し、その事実を知っている様子です。その後いろいろあって、最終的に主人公(プレイヤー)は、コンスにとどめを刺し、彼女を神(悪魔)にして永久の命を与えるか、コンスを生かし、彼女の残りの人生を全うさせるかの選択を迫られるわけですが、コンスがサイコ野郎なのはわかったけど、彼女への思い入れがなさすぎて判断に困ります。ぶっちゃけどっちでもいいわと思ってしまいました。それはそうと、ツクヨミと月の舟に乗った王子様、兄弟揃って月に関わる知恵持ちなのは何か因果関係があるんでしょうか。多分、深い意味はない気がします。いずれにせよ、コンスを本当に想っているなら、サンクコストとか私の自我はもういいから、あなたの理想の世界を創るために、さっさと損切りして合一しようと申し出る展開があって然りなのではないかと思いました。そうすればお兄ちゃんをいじめるなーっ!で、私だってお兄ちゃんのこと…伏線を回収できたかも知れないのになあ。私、看護師になります!そうですか、それはよかったですね。

イチロウ

(お前、髪、長ッ
(それに眼鏡から出番を奪うのは絶対に楽しいことだろ?迷わず自信を持って活躍できるよ
(ええんやで
(激アブだわ
(それがプランAbdielだ!
(プランA一択!

迷える子羊クンです。自己顕示欲の高さからか、奇抜なファッションや、動画配信で注目を集めようとしています。しかしながら、周りからの評価は残念クンです。自身も落ちこぼれを自覚しており、現状打破のために色々行動しているようですが、いまいち成果は出ていない様子。なお、アフロ曰く、いいところのお坊ちゃんらしいです。また、自分に自信が持てないのは両親が不仲なせいだというトラウマを語りますが、掘り下げられることはなかったぜ。プロローグでのトンネル崩落事故に巻き込まれ、主人公たちと一緒に魔界へ迷い込み、運よく生還した後は、自ら志願して日本支部へ協力し悪魔から東京を守るために戦うことを決意します。しかし、学園の悪魔襲撃時での初実戦においては、戦いを恐れ、逃げるんだよォ!してしまいます。なんとも頼りないですが、彼はつい先日までただの一般人。当然といえば当然といえます。そのうえ、性格は明るめで、主人公にも対してもフレンドリーに接するし普通にいいヤツな印象でした。いわば今作きっての常識人とも思えます。だがしかし、本作はあくまでもメガテン。これからがほんとうの地獄だ。さて、学園では逃亡してしまった彼ですが、自分を庇ったミヤズの行動に心を打たれ、また、サホリやタオを救えなかった事実に罪悪感をおぼえ、臆病風に吹かれながらも悪魔に立ち向かうことをあらためて決意します。そこでは求める結果を得るには力が必要だと信じながらも、自らの行動に自信と責任が持てないという彼の葛藤が描かれます。もう、君が主人公でいいんじゃないかな。そこへ来て、絶対の存在である神を信じ、迷わず行動するアブディエル様との邂逅。自分に足りないものを持つアブディエル様の姿は、彼の目には至高の存在として映るのです。つまり、そこにシビれる!あこがれるゥ!中盤では、彼女の策略や詭弁を義侠心と取り違え、初めは畏怖の念を抱いていた大天使に次第に傾倒していきます。彼の認知が歪んでいく様を見て、始まったな!と思ったプレイヤーも多いのではないでしょうか。しかしながら、世界に平和が訪れたと思った矢先、彼の信じるアブディエル様はナホビノくんに敗北してしまいます。さらに、アブディエル様に追い打ちをかけた挙げ句、俺、実は神だから、そして実は半身だったユヅルくんとナホビノになって新しい世界を創生するわなどと宣う長官。そればかりか、君は誰の半身かって?知らんがな。と半ば見放されてしまいます。ジーザス!オレは信じていたもの全てを失った!もうどうしたらいいかわからないでござる。でも、このままでは、マジで世界がやばたにえんというゼロサム思考から、しまいには俺は人間をやめるぞ!してしまいます。お前らにイチロウの悲しみの何がわかるってんだよ。こうして、力と自信を手に入れた彼は、アブディエル様を堕天させ、ふつくしい…をするなど、もはや別キャラです。ともあれ、彼が演じる善と悪のパラドックスは、過去作の正義マンとは一線を画する斬新な切り口でした。ところで、彼はどの展開でも王座にはたどり着けない気の毒なキャラクターでもあります。また、彼に賛同するルートを選んだ場合、衝撃波でふっ飛ばされるのはお約束ですが、その後の匍匐前進がどう見てもかゆうまです。ちなみに彼自身は創世を行う意思はないようで、創造主が存在しない今、唯一無二の存在とは一体何を指しているのでしょうか。答えは明白、マジ、アブディエル様以外アウトオブ眼中!そうだ、アブディエル様を動画配信すればいいんだよ!真実はいつもひとつ!

サホリ

(早々に闇落ちします
(はい、よろこんで!
(はい、よろこんで!
(だよね!

ダークヒロイン。になれませんでした。タオちゃんの親友で、主人公とは同級生。ラクロス部のエースでしたが、一年前に怪我をして退部。彼女の作ったスパルタ特訓メニューに耐えられなかった元部員からの逆恨みにより、ケルナグールされてイジメられているという設定です。同じラクロス部であったことから、フィクサーはタオちゃんだと予想していたのですが、全くもって見当違いでしたね。夜に(実際は夕方でしたが)屋上に呼び出されたときは殺られる覚悟でセーブしてから向かった記憶があります。さて、彼女は半身である邪神ラフムに魂を狙われています。結局ナホビノにもなれなかったし、これはソウルメイト詐欺ですね。散々イジメられた挙げ句、手を差し伸べてきたのが気持ち悪い触手仮面だったとなれば、己が運命を呪いたくもなります。しかしながら、弱みに付け込まれている彼女は、はっきりキモいわ!失せろ!と言うことができず狼狽してしまいます。だが、それがいけなかった。謎の洗脳攻撃により、ラフムの中に入っていくサホリ。遂には、悪魔の学園襲撃に乗じて、ここぞとばかりにイジメっ子たちを追い詰めます。もとより許す気はなかったようですが、タオちゃんのこれ以上罪を重ねないでという無神経ともとれる発言についにブチ切れ、ラフムの力を利用して女子生徒二人を殺害します。というのも、タオちゃんの断末魔であるまた何も出来なかった発言は、彼女の過去の出来事によるものかもしれないのです。想像でしかないですが、彼女の退部のきっかけになった事故もタオちゃんや元部員に起因するのではないでしょうか。そして、タオちゃんもその事件を目のあたりにしていた。故に、彼女はタオちゃんにまで害が及ぶことを危惧し、親友である彼女を避け、自ら苦しみを背負い込んでいたとも推察できます。また、我に返る場面では、途切れ途切れな発言が多いので断定はできませんが、あなたまで私の闇にとか、私が全て…などの返しをしていることから、タオちゃんを擁護している様子が伺えます。だとすればトリガーはタオちゃんの先の発言。まさかの当事者の介入により忌まわしき記憶の残滓を連鎖的に呼び覚まされてなお沸き上がる憎しみにかろうじて抵抗するサホリ。オッサン!タオを止めろッ!キラークイーンのスイッチを押させるなッ!いいや!限界だ押すね!今だッ!という感じですよ(疲れてきた)。まあ、おそらくそんな深い意味はないと思うのですが、都合のいいように脳内補完して楽しんだほうが得だと思います。いずれにせよ実際には、悪魔と知恵の関係を説明するために投入されて使い捨てられた不憫なキャラクターです。しかしながら、彼女が登場する学園パートでは、いよいよメガテン始まったかと少しワクワクしてしまったのも事実です。個人的には彼女のifが見てみたかったですね。

八雲

(パワーワードキル
(素直に協力してくださいって言えばいいのに…
(オマエもやろがい!とラストシーンではツッコまれてしまう

悪魔ダメゼッタイマン。加えて、悪魔に唆される弱さや、悪意を持った人間も死ね。現代社会において、軍刀と拳銃を振り回す危険な輩です。いや、そもそも彼は警官なのでしょうか。警察官らしきモブからも刀を持った男呼ばわりしかされていないので、ただのコスプレかもしれませんね。種族は超人で、本作では、おれは人間やめるぞ!すると目が黄色くなったり光ったりする描写があるので、彼も過去に何かあったのだと思いますが、全くもって語られません。なお、巡査部長の父と、霊能者の母がいたみたいですが、両親共に悪魔によって仕向けられた人間により殺されています。なんというか、後から追加されたような設定ですね。あっ、ジョカとの約束を忘れていて、つい洩らしてしまいました。これは僕の命が危ういやつです。それはさておき、彼はどちらかといえば滅びた方の東京をメインに活動しているイメージがありますが、ターミナルの存在は知っています。そして、医科学研究所を襲撃し悪魔召喚プログラムを強奪するなど、主人公たちの暮らす側の東京にも出没しているようです。こいつは普通にやべーやつです。中盤では炎の壁を突破する術を求めてお使いに出た天使を何故か半殺しにした挙げ句、ついに主人公に刃を向けてきます。が、GUNも使わないし、4対1で死んでくれる?を前に、勝てるはずもなく、以降は俺の理想を語るマンになります。このゲーム、負けたキャラは本当に大人しくなります。ところで、最終盤で明かされる彼の目的、つまり座の破壊は、究極の策のミスリードかもしれませんし、プランBなのかもしれません。でもだとしたら、悪魔召喚プログラムを配っているらしき行動は伏線としては微妙ですし、本当にぶっ壊すことしか考えていないような気がします。王座を破壊することで創世は不可能になり、神の奇跡は消滅し、魔界化した東京が現実となり、ひいては人間と悪魔は対決することになるでしょう。悪魔には兵器もあまり有効ではないみたいですし、力を持たない人間は死にます。力こそパワー、悪魔には悪魔で対抗するしかない。つまり、彼が認めた残したい人間たちに悪魔召喚プログラムという力を渡していたということなんでしょうかね。ここまで書いて思ったのですが、18年前に復元された都民は、奇跡と共に消滅するはずですが、彼自身は置いておくとしても一体どうやって区別していたんでしょうか。もうめんどくさいので考えるのをやめますが、どうも彼の言い分は腑に落ちませんでした。乱暴な表現をすると、言っていることとやっていることが違う気がします。それで無垢なる世界は創れますか?大切なのは真実に向かおうとする意志だ。いずれにしろ、全ての悪魔を狩る者を自称する以上、悪魔であるジョカとは袂を分かつぐらいの展開を期待したのですが、普通に最後までイチャイチャしてましたね。散り際まで膝枕で、わが生涯に一片の悔いなし。なんでもない、征くぞ。

ジョカ

(人型フォーム
(蛇型フォーム
(今撃ったよね?

八雲くんのお母さんです。嘘です。でも、悪魔に貶められる以前は、ヒトを造る女神だったらしいです。八雲と共に行動し、天使や悪魔をぶっ殺す活動をしています。また、序盤の山とも言えるボスでもあります。アオガミくんも議事堂が見えたかなぐらいの距離からでも危険を察知してしまうほどの強敵です。めちゃくちゃ硬いので負けイベントかと思ったら、普通にゲームオーバーになりました。急に難易度上げてきたな!となることは必然。イチロウの気持ちになってカゲロウシュートを連打しましょう。半分ぐらい削れば戦闘が終わります。以降は、お眼鏡に適ったのか、直接敵対することはなくなります。が、その反面、ナホビノくんの動向を監視しているようで、いちいち茶々を入れてきます。特に中盤のとあるシーンでは、君の行動のせいで同級生二人を死なせてしまったとなじられます。違うんだ。あれは僕の中のオッサンが勝手にやったことなんだ。でもひとまず、オッサンの肩を持っておくかと思っていたのに、本人からも戒められます。えッ何この孤独感。僕の主人公の中で新しい感情が芽生えちゃうよ?そもそもなんなんでしょうねえその都合のいいとこだけ切り出したようなマウントのとり方。SNSのタイムラインに流れてきただけの情報をチラ見して全てを理解したような口ぶりですね。情弱か。八雲くん負けちゃって悔しいんですかねェー?そればかりか、後半に至っては、うちのショウヘイちゃんは、ああ見えて本当はいい子なんですよアピールが激しいです。なお、八雲との出会いも語られませんが、単純に知恵だからという感じでもなさそうです。とにかく(僕の)ヘイトばかり稼いであまりいい印象がありません。一体何が目的なんだ。それは最後の最後で明かされることになります。とはいえ、彼女はなぜ全ての神魔を消し去った世界を創りたかったのでしょうか。自らが作り上げたヒトという作品を愛するが故なのでしょうか。八雲も彼女の魂胆は見越していなさそうです。ヒトが神に近づいた存在である人間の世の中から、神魔が消えれば人間がよもや神。ともすれば、超人である最高傑作のショウヘイちゃんが神であり王。次案で主人公。更生できない失敗作は、彼らの理想を持って切り捨てればよかろうなのだァァァ!だったのでしょうか。ちなみに、彼女がナホビノに戻った、いわば真の姿は、人頭蛇身の相貌を呈しています。もっとも、変身後の姿も蛇型です。つまり…ヒトに知恵の実を食べるように唆した蛇とは、アンタのことだったんだよ!…失楽園?なにそれおいしいの?なお、本編を一度クリアすると合体が解禁されますが、変身後の姿のみならず、人型まで仲魔にできる点は、開発スタッフのこだわりを感じます。しかも、どっかの格ゲーみたいな専用スキル持ちです。いずれにせよ、人の世ルートではよくわからないまま彼女の思い通りになってしまうのは癪に障ります。本人も行方をくらませたきりですし、真っ当に考えれば創世とともに悪魔である彼女も消えるはずですが、思わせぶりな感じなので果たして…。ともかく、妾たちの戦いはこれからじゃ!的な終わり方でないことを祈ります。

越水

(大人はね、ずるいんだよ
(総理、もうやめてくださいしんでしまいます
(ここから先はオフレコでお願いします
(総理、本音が出てます!

ダイバーシティオジサン。いつもポケットに片手を突っ込んでいるイメージがあります。こいつはいつか裏切るなと思いきや、そんなことはなかったぜ。最終的に同じスーツと顔のヤツがいっぱい出てくると思ってたんですけどね。まあ、分身技は使うけど…。それはそうと、長官はともかく、総理っぽい見せ場が無かったのが残念ではあります。悪魔召喚プログラムを作らせたり、全国から知恵持ちを集めたり、軍を動かしたりしてるのも消去法的に彼だと思うので、その辺りの繋がりが示唆されればもう少し説得力があったのではないでしょうか。なお、創世の企みは最初からあるようで、歯切れの悪い情報を小出しにしてきます。思わず矢継ぎ早に質問するユヅルくんに対して、残りたまえからの、君のような勘のいいガキは嫌いだよかと思いきや、全然そんなことはなかったぜ。むしろ、君が必死に守ってきた(と思っている)東京を救うためには、多様性の概念を受け入れ、私と合体するほかない、そうだろう?出た!コンコルドの誤謬!彼は箱に入れられ、念入りに洗脳されていたというわけですね。大義を果たすにはお膳立てが重要なのです。それにしても、背中合わせのエリート・フュージョンのシーンはカメラワークも相まって、つい吹き出してしまいます。また、彼に賛同するルートでは、アブディエルの退治は君に任せると言っておきながら、先陣を切って衝撃波でシュワーしていく様もなかなかシュールです。ところで、彼もアオガミくんと同じく日本支部によって作られた神造魔神なんですかね。ルシファーとかアブディエルの台詞からもそこはかとなく読み取れますが、釈然としません。アオガミくん製造に関与していた発言と顔面が酷似していることから、オリジナルであることは間違いないと思うのですが、クロガミ型とかなんでしょうか。いずれにせよ、本作のキャラクターは彼に限らずバックグラウンドがほとんど語られないので、プレイヤーが好きに解釈すればいいのです。

アブディエル

(天使長は封印されてしまっています
(自分よりレベルの高いソロネさんをあげちゃうアブディエル様マジ天使
(お褒めに預かり、光栄です。アブディエル様
(つまり…東京は滅亡するんだよ!

代理が悲壮感漂う大天使。イベントシーンにしか登場しませんが、出番は多く、ほぼフルボイスなので印象に残ります。聖女に咎められ、禁忌の存在であるナホビノくんに猶予を与えるも、モジモジしている間に、敵対勢力である混沌の魔王軍を片っ端から蹂躙されてしまいます。な、なんだってー!に違いありません。もう下から上から目線になって世界どころか自分自身の秩序が維持できなくなってしまっています。その後、可及的速やかに意思統一のための会議を召集しますが、各国支部に見限られ、じゃあナホビノがいなければいいんでしょっ!からの公開処刑を味わうことになります。これはくっころ待った無し…と思いきや、「あ き ら め な い !」一方で、(おそらく)自らの知恵を守るために、日本支部の出撃を禁止したり、来ちゃったならしょうがないと不相応に強力な仲魔をプレゼントしたり、敵城攻略中にここまで来れたから十分と入り口までお見送りしたり、すごく、大天使っぽくないです。更に、最終盤では蛇さん(とイキりボーイ)に使嗾され、満を持して堕天してしまうなど、すごく、大天使っぽくないです。そもそも、ナホビノくんが現れた時点で、かつての王である知恵を始末しリスクヘッジを図るなど、かなりの用意周到ぶりでした。創造主が健在だなんてこれっぽっちも信じてないし、なんなら心酔している相手にお前が知恵だと言っておきながらも一度は断るという巧妙なマインドコントロールを使います。もう、いざとなったら堕天してナホビノになる気満々でしたか。もしそうだとしたら、この計略は大天使とかエージェントの域を超えています。ルールはワタクシが破るためにある。すなわち法の神への信仰と定められた秩序を維持するため、自らもナホビノとなり、全てのナホビノを抹殺するのだ!創造主はここに来て斬新な部下を持ちましたね。

ギュスターヴ

(割と良心的な価格設定です

ショップ店員です。もう全然情報がなかった気がします。別に構わないのですが、仰々しく登場するのでシナリオに絡んでくる何かがあるのかとは思ってました。口ぶりから察するに、龍穴での回復をしてくれるのも彼なのかもしれないですね。結局は、なぜ遺物を集めているのか、どういった経緯でミマンを雇っているのかも語られません。それにしても、彼(いや、ナホビノくんか?)は写せ身の説明が下手すぎます。というか、無理やり言葉で説明しようとするからでしょう。絵を使え!と言いたくなります。どのみち、彼には、石屋さん、ガラクタ回収屋さんとして末永くお世話になります。今後ともご贔屓に…キヒッ!

(イベント戦みたいのがあると思ったのは僕だけじゃないはず

ソピアー

合体屋です。おなじみのグラサンオジサンはリストラされ、巨大なお姉さんになりました。年中無休で悪魔合体してくれますが、全書からの召喚はマッカを取られます。特に精霊合体を推してくるのでぼったくられないように注意してください。シナリオにはほぼ絡んでこなかった気がしますが、例のメノラーを持っていたり、王座のことを知っていたり謎の多いお方です。気になる方は、アカモートとかグノーシス主義などのキーワードででググってみましょう。もうおわかりですね。つまり、彼女は異なる次元から、ナホビノくんを創世に導く高次の存在なのです!

悟劫

「回帰のピラー」という便利アイテムをくれるマッチョです。浄増寺という寺院の僧侶という設定で、主人公の行く先々で現れ、自分の頭で考えよう!と諭してきます。なお、浄増寺は東京に結界を張る役割を担っていたようですが、混沌の悪魔たちの襲撃により結界は破壊されてしまいます。が、どう見ても拙僧です。本当にありがとうございました。ところで、創世の場では、取ってつけたように改めて自己紹介してくれますが、王の意思を流布するシャーマン的ポジションなんですかね。座の破壊をするとがっかりしてしまいますが、ナホビノくんが嬉しそうなのでまあいいでしょう。ともあれ、シナリオにガッツリ絡んでくるわけでもなく、神出鬼没な筋肉ナレーターみたいな謎の多いお方です。気になる方は、増上寺とかアミターバなどのキーワードででググってみましょう。もうおわかりですね。つまり、彼は現世(うつしよ)に顕現し、ナホビノくんを創世に導く高次の存在なのです!

ラフム

(お巡りさんこっちです!
(いいですね
(香ばしいですね
(そして自分が動揺してしまう。?の位置に違和感があるのだ…
(どんな世界を創りたかったんでしょうね

バビロニアの邪神です。浄増寺の結界が破られたことをきっかけに東京へ出現し、学園で一悶着あった後、サホリを攫って魔界へ逃亡します。彼は古くから存在する神で、前王であるバアルが王位を剥奪される様を見ていたようです。つまり、創造主によって知恵を奪われ悪魔に貶められた経験をしていることになります。大魔王が創造主を倒したのを知って、禁が解かれたのを察し、自らがナホビノに返り、王になるため奪われた知恵を求めて現世(アッシャー界らしい)にやってきたということなんでしょう。執念深いですね。さて、ナホビノに戻るためには、知恵である人間との合意が必要なのか、はたまた紳士なのかわかりませんが、ずっとサホリちゃんを口説いています。はっきりしませんが、他の例を参考にすると多分前者なんでしょうね。アオガミくんを見習ってほしいです。一章まるまる使って説得を続けるシーンは、もはや逆悪魔会話です。セイトをころしてへーきなの?なお、どういう理屈なのかは不明ですが、最終的にサホリちゃんの身体を乗っ取ることに成功し、エーブリエタースの先触れによってナホビノくんとタオちゃんを殺害します。しかしながら、やはり乗っ取りは完全ではなかったのか、意識を取り戻したらしきサホリちゃん共々、謎の復活を遂げたナホビノくんによって討たれてしまいます。からの、ありがとう…だと?正直、この辺のシーンは僕の啓蒙が足りなくてよく分かりませんでした。いずれにせよ彼も、悪魔と知恵の関係を説明するために投入され、サホリちゃんと一緒に用済みにされてしまいましたね。まあ、尺も結構とったので、やりたかったことはできたんじゃないでしょうか。最後の一撃は、せつない。

ルシファー

シリーズ恒例の大魔王です。此度は謎の人物に化けたりするのはやめて、天の声で主人公たちに語りかけてきます。それもそのはず、今作では18年前、彼のヒャッハーついに創造主を倒したぜ!発言から物語が始まっており、大詰めではそればかりでなく、神とか王とかじゃなくて世界を司る法則になったぜ!みたいなことを言い出します。もう何を仰っているのか僕の思考力では理解しかねますが、よかったですね閣下。そして、王となった者には、なんと真の姿をお披露目してくれますが、誰だお前。なんというか…とてもメカニカルな外見ですね。大天使のときの姿ということなのでしょうか。さらには、ねんがんの創造主の知恵をてにいれたぞ!殺してでもうばいとれ、と仰せられます。しかも、あまり強くありません。弱くはないのですが、明らかに殺意が感じられません。絶対、大魔王形態の時のほうが強かったでしょとツッコみたくなります。かくして、彼の知恵を喰らった王の創った世界は事象から開放され永遠となりましたとさ。つまり、最初から最後まで彼の筋書き通りです。というわけで、次回作(FINAL)のルシファーは、主人公くんですね。そんな終わり方ありなのか。そんな馬鹿な、きっと僕の理解が足りていないに違いない。

ゼウス

(何いきなりライバル感だしてきてるんだ、オイ!
(自信、雷、マジ、親父

ギリシャ支部の代表です。至高天に入るために必要な慈悲のカギを持っています。万魔会談では、これからコイツらをわからせにいくんでしょ?ということは後4マップぐらいあるのか、今作はすごいボリュームだな!とか思ったものですが、(関係なかった一人を除いて)みなさん何故かカギと共に台東区に集結してましたね。もはや何も言うまいが、探す手間が省けたぜ。彼の目的はナホビノに戻り、王座に就くことです。普通ですね。しかしながら、彼の知恵である人間は殺されてしまっています。妖精の集落で廃ビルに隠れていた彼に違いありません。オルトロスくんも天使にお怒りです。でも本人は、まあ別に人間がまた生まれてくるまで数百年待つだけだからいいけどねみたいなことを言っています。さすが神はスケールが違いますね。今回は王座を譲ってもリベンジする自信があるということでしょうか。なお、ハーベストのサブクエを進行させていると、ラストダンジョンで再戦することになります。どうやら主人公の魂は彼にも適応できるようです。バアルの時も思ったけど、アオガミくんはなんかコメントしようよ。そして、今度は本気でいくぜのパターンで、結構な強敵です。他のナホビノたちより強いんじゃないでしょうか。倒せば、合体が解禁されます。ちなみに、彼の専用スキルのケラウノスは破格の性能です。泣け!叫べ!そして死ね!さらには仲魔にしているとDLCでも登場してくるなど、意外と出番は多かったですね。はい、次!

オーディン

(オーディン先生の次回作にご期待ください

北欧支部の代表です。至高天に入るために必要な均衡のカギを持っています。万魔会談では、これからコイツらをわからせにいくんでしょ?ということはどの派閥につくかでも最低でも4分岐あるのか、今作はすごいボリュームだな!とか思ったものですが、(サブクエストで消化された一人を除いて)みなさん何故かカギの番人になってましたね。もはや何も言うまいが、悩む手間が省けたぜ。彼の目的はナホビノに戻り、王座に就くことです。普通ですね。しかしながら、彼の知恵である人間はまだ見つかっていません。なお、どちらかというとナホビノの力に関心がある様子です。ただ、未だに創造主の禁に疑念を抱いているようで、秘密を暴くという名目でナホビノくんに戦いを挑んできます。だが、所詮は冥界破ぶっぱの舐めプ野郎です。倒せば、合体が解禁されます。ちなみに、彼の専用スキルのグングニルは破格の性能です。投げてますよね。魔界村か。はい、次!

ヴァスキ

(国へ帰るんだな。お前にも家族がいるだろう…

インド支部の代表代行です。至高天に入るために必要な峻厳のカギを持っています。万魔会談では、これからコイツらをわからせにいくんでしょ?ということはみんなナホビノになるのか?人間キャラ足りなくね?今作はすごいボリュームだな!とか思ったものですが、(なんか太陽神になりはじめた一人を除いて)みなさん残念ながら出落ち感が半端なかったですね。まあ、でも君には期待していなかったから大丈夫だぜ。彼の目的はシヴァ様が苦行を終え、世界を破壊することです。普通ですね。あえて言うなら、それって、オレにもできますか?ルドラのことかね?ああ、それ、やりたいんだ!というルートが欲しかったところです。ちなみに、アオガミくんはシヴァ様の討伐を提案してきますが、スカウターがオーバーフローしたのか怖気づいています。シヴァについては後述しますが、倒さなくても世界が破壊される描写はありませんでした。彼に話を戻すと、カギをエサにナホビノホイホイからの殺戮を目論んでいたんでしょうか。退屈しのぎという名目でナホビノくんに戦いを挑んできます。だが、所詮は…行動回数多いな!倒せば、合体が解禁され、シヴァの元へ続く道が開きます。ちなみに、彼の専用スキルはありません。ちょっと可哀想ですね。はい、次!

コンス

(オブラートに包む
(そして破る!
(ナゼ オマエ カタコト

エジプト支部の坊っちゃん。こいつだけカギを持っていません。万魔会談以降、サブクエストを進めないと出会うこともありません。なぜなら彼はナホビノになる気も王座を狙う気もないからです。では、彼の目的はというと、知恵であり半身であるミヤズちゃんを生かし続けること、ひいては彼女を神にして永遠の命を与えることです。元々はナホビノに戻り創世を行うため、王座を狙っていたのだと思いますが、発見した知恵を持つ彼女は瀕死の状態だった。そして、マガツヒを与え続け延命を図るうちに、情が移ってしまったということでしょうか。それが、いつからなのか、何故なのかは語られませんが、おそらく一目惚れ?つまり、彼はJKに恋する神様なのです。それでいいのかエジプト。クレオパトラを罷免しないほうがよかったんじゃないか。ミヤズの項でも少し書きましたが、彼は自分の命と引換えにファラオを誕生させようと画策しています。それ自体はいいのかもしれませんが、理由が彼の個人的な愛だというところが納得いきません。例のごとく、背景がふんわりしているので取ってつけたように感じてしまいます。そのうえ、イシスの長文からの強引な導入や、イベントシーンのやり取りも汎用ボイスで長々と描かれる様は、総じて説明くさく、とんだ茶番だと思ってしまいました。君の理想は、全ての人間に等しく幸せを与える世界を創ることではなかったのですか?はい、次!

アマノザコ

(アオガミくんとの三角関係始まったな!
(悪魔ヒロインの座は渡さないんだから!アンタの次のセリフは…
(だろ?二周目だけど

悪魔ヒロイン枠。本当によく喋ります。序盤からクエストナビとして度々強制的に同行します。彼女が悪魔に襲われているところをナホビノくんが助けるボーイミーツガールからの、アタシは運命の相手、失われた半身を探しているという設定です。「ああ、僕ね」と思ったプレイヤーも多いでしょう。君、正解です。いやあ、でも僕にはアオガミくんがいるし…と思いきや、そこまでは干渉してこないので安心、いや残念です。ともあれ、メインシナリオにもちょくちょく絡んでくるし、創世とかに関わる何か重要な役割を担うことになるのかと思っていましたが、そんなことはなかったぜ。顛末は最終盤でのサブクエストで語られます。謎の悪魔だった彼女は神造魔人の亡骸から尸解の秘術で作り出された大天狗でした。だとしたら、種族は幻魔だけど、おそらく彼女も神造魔人。だから、ロックマンみたいな髪型だったんですね。中盤で国津神からナホビノくんがスサノオ呼ばわりされることや、彼女の解説テキストからもなんとなくそんな気はしてました。しかしながら、結局はアオガミくんとの関連性は明言されません。例によって経緯はよくわかりませんが、ベースがアオガミ型だとしたら、術はなんかいろいろしくじっている気がします。見た目もぜんぜん違うし、満月時に暴走するよくわからないバグも新たに発生してるし、言語中枢にも異常が認められます。もしくは、ザコ型とかがあったんでしょうか。あるいはキメラ?いずれにせよ詮無きことですが、釈然としません。ちなみにカギの説明を唐突にはじめるシーンはなんだったんでしょうね。神造魔人にはルシファーの息吹が宿っているということなんでしょうか。ところで、追手である天狗たちを蹴散らすと、アンタが半身だったんだねとこれみよがしに言い出します。あらためて気づく要素ありました?最初から気づいてたやろ!と誰もがツッコみたくなるでしょう。もしかして、合体して飛べるようになったりするのかな、そうしたらスゲーな!とか思っていましたが、もちろんそんなことはなかったぜ。そして、目的を果たした彼女の行動とは…?普通に仲魔になるだけです。ただの寂しがりやか。器用貧乏っぽかったので結局使いませんでした。残念だね?ね?ちなみに、あまり関係ないですが、サブクエスト扱いのはずのクラマテングもボイス付きでよく喋るのには違和感を覚えました。ついでに言っておくと、その彼のシバの発音がシヴァにしか聞こえませんでした。どうでもいいですね!ね!

フィン

(サムズアップペロペロ!
(やれやれだぜ
(エストマで大活躍だぜ!

悪魔イケメン枠。タオちゃんと橋を歩いていると、こんにちは、死ね!してくる謎の男。何故か学園を襲撃した悪魔に攫われた生徒を助けています。ミヤズが彼の知恵なのかと思ったけど、そんなことはなかったぜ。それどころか、彼の知恵はサーモンの親指。ペロペロすることでしばらくの間、ナホビノと同じ力が得られるらしいぞ。それって具体的にどんな力?とか思ったけど、彼は登場シーン以降、メインシナリオには絡んでこないのでよくわからないのであった。多分、俺は強いぞ!って言いたかっただけだと思いますが、ナホビノとか紛らわしい表現はやめていただきたいです。ちなみに全力の彼を倒せば、王よ!とか言って仲魔になってくれます。いや、まだ王になってないから。本当に早とちりだな君は。なお、初出の一人称は俺様なのに、いつの間にか俺になっています。まあ、表記ゆれみたいのは他のキャラにもあるのですが、俺様系のインパクトが大きかった彼が一番気になりました。

ハヤタロウ

(大事なことなので2回言いました
(それはご苦労である。なお、これ以上は進めないワン
(それが彼の最後の言葉なのであった…。なお、カギが掛かっていて進めないワン

悪魔ワンワン枠。ユヅルくんの新しい仲魔として登場します。どことなく、神造魔人を連想させるデザインです。もしかして、神造犬みたいな設定もあったのでしょうか。ちなみに、長官の仮の姿かと予想していましたが、さすがに勘ぐりすぎでしたね。くんかくんか。ハヤオとハヤタロウ…。なお、最終盤で「東京を救うため創世」ルートを選ぶと仲魔になってくれますが、時点でレベル40です。これは戦力外通告だワン。専用スキルを3つも持っているのに勿体ないですね。ユヅルくんお留守番の魔王軍との戦いあたりで仲魔になってくれれば、かなり活躍できたはずなのに。どうしてこうなった。そんな目で某を見るな。

シナリオ

ところどころモヤモヤしながら終わってしまいました。大雑把に言うと、分かりやすいようでよく分かりませんでした。何が起きたのかは説明できるけど、何故起きたのかは説明できない感じです。詳しい人には分かるのかもしれませんが、理由付けまでしようとすると答えが出ません。差し当たり、気になったところを列挙していきます。

選択肢による展開の変化があると見せかけてほとんどない

(某DRPGならスタッフロールが流れると思う

取り立てて言うまでもないことですが、物語の随所でプレイヤーに選択肢が提示され、選んだケースによってその後の内容が変化するというシステムはRPGのお約束の一つです。とりわけ、本作ではカットシーン中にも選択肢が挿入され、臨場感があって良い演出だと思いました。それ故に、初見は限られた情報から多様な分岐を予想して真剣に選んでいました。しかしながら、序盤を過ぎた辺りから選択に応じた展開になんとなく違和感を覚えるようになります。具体的にはサホリとラフムが対峙するシーンです。プレイヤーは、彼女を助けるか、ラフムを倒すかの選択を迫られるわけですが、倒す!倒す!(僕のナホビノくんはタオちゃんがあまり好きではなかった)と選んでいるはずなのに、了解とか言いつつ全く行動しないナホビノくん。クッ…また俺の中のオッサンが…とか思っているさなか、タオちゃんを庇って死んでしまう主人公。選んでない!選んでないよ!画面暗転の演出も相まってバッドエンド直行かと思いましたが、謎のワンナップにより物語は続行します。ああ、聖女も死んだしトゥルーエンドフラグは折れたかな…じゃあとことん混沌ルート目指してロールプレイしてやるぜ!からの、寮の屋上でメガテンしちゃいました!の急展開にはガッデムですよ。ちなみに、周回では逆の選択をしてみたのですが、たぶんなにも変化がなくてやっぱりな、となりました。さて、僕の感想はともかく、選択肢による影響は直後の台詞が少し変わるくらいで、基本は一本道のシナリオです。ルート分岐があるのは、覚えている限りではコンス関連のサブクエストとエンディングに関わる最後の選択肢ぐらいでしょうか。一応、プレイヤーの選択によって属性値は計算されているようで、最後の分岐後に評価され、気持ちご褒美が貰えたり若干のペナルティがあったりしますが、言ってしまえばそれだけの要素です。

ときに、僕は全くの素人ですが、ストーリーテリングにおいて映像作品と比較したときのゲームの強みは、プレイヤーの決断による展開の変化、いわばインタラクティブ性にあると思っています。本作を含め、マルチエンディングを採用したゲームは少なからず存在することから、需要がないわけではなさそうです。端的に言うと、僕は彼らのストーリーに対してもっと干渉したかったのです。そしてその結果を観測したかった。具体的には、回帰的ではなく木構造のようなシナリオをプレイしたかった。なお、ゲームはやり直しがききますが、時間というリソースを割いていますし、プレイ体験という概念自体は現実です。ともすれば、プレイヤーは自身の価値観を投影してロールプレイをしたほうがゲームに対して真摯になれるはずです。たとえそれが、プレイヤーの意図した結果にならなくても、複数の展開が用意されていれば、この物語ではそうなんだという納得感が生まれると思うのです。そうした追体験が自分の世界を広げ、ひいては人生を生きる上での知恵となる。メガテンは僕にとってそれぐらいの影響力を見込むほどのタイトルだったのです。 あるいはゲーム的な観点から言うと、大筋が同じでも、道中の分岐や過去の選択の参照による展開の変化があるとすれば、それは周回プレイの楽しみにもつながると思います。本作では、結構な数のある選択肢があまり意味のないものになっているように感じました。言うは易しで、制作が大変になるのは容易に想像がつきます。しかしながら、他の要素が周回前提のデザインになっているように見えることから、やろうとしている感じはあったように思えてしまいます。さもなければ、僕が勝手に期待しただけかもしれませんが、いずれにせよ少し残念な気持ちになりましたね。

(違う意味で苦渋の決断感がある

ツギハギ感

キャプチャを整理していてあらためて思ったのですが、各シーンだけ切り取るとかなり面白そうなんですよね。羊頭狗肉は、それ言い過ぎだと思いますが、初周をプレイした感想としては狐につままれた気分でした。完成版でいいんですよね?なんというか、ただただ惜しいなという感想です。琴線に触れそうで触れない。ゴールに届きそうで届かない10-FEET。その要因は、シナリオ同士の接続の不自然さ、加えて、補足情報のミスマッチにあるような気がします。当然、詳しい分析はできないのですが、ひとまず、いちプレイヤーとして気になった箇所をメモしておきます。まず、メインシナリオは一話完結型のような感じで進行します。

  • プロローグ(下校中にトンネル崩落事故に巻き込まれたら魔界にいた!)
  • 謎のオッサンと合体したら神になった!ここは一体どこなんだ!太宰を見つけて僕らの暮らす東京へ帰る方法を探そう!の巻
  • 学園が悪魔に襲撃された!さらわれた生徒とサホリを助けろ!悪魔が狙う知恵とは一体…の巻
  • 混沌の軍勢との決戦の時だ!トウキョウ駅を根城にする大魔王を倒せ!の巻
  • 万魔会談だ!僕らの暮らす東京が消えてしまう!創世を行うため、カギを集めて至高天への道を開け!の巻
  • 王座の奪い合いが始まった!僕の選択した未来とは一体…の巻(4分岐)
  • エピローグ(結局こんな世界になりましたナレーション)

そんだけ?だいぶあっさりしてるな!でもあながち冗談ではなく、大体あっている気がします。しかしながら、今回言いたいのはそこではありません。本編は章立てしてあるわけではなく、次から次へと新しい事件が起こるようなストーリー展開です。しかしながら、そこにはシームレス感がないというか、因果関係がよくわからないというか、繋げ方(というか僕が勝手に分けただけですが)に少々無理があるように思えます。そもそも、なんでトンネル崩落したら魔界にいるのかよくわかりませんし、なんでいきなり東京の結界が破壊されたのかよくわかりませんし、魔王を倒すのはまだ分かるとしても、なんでいきなり東京が消えだすのかもよくわかりませんし、なんでいきなり女神転生してるのかもよくわかりませんし、なんでなんでなんで星人になってしまったのもなんでだろう。とにかく、トータルで見たときにシナリオ間のギャップが目につくのです。いわば、フィールドマップやカットシーンありきで、後から追加のイベントシーンやテキストを付け足して辻褄を合わせたような感覚を抱いてしまいます。もし仮にそうだったとしても、その手法自体は何も問題ないと思います。が、プレイヤー視点でそう見えてしまうことが厄介なのです。もしかすると、本来はもっと間にいろいろあったのに削られてしまったのではないかと怪訝に感じてしまいました。

次に、NPCの会話が全体的に説明くさく、没入感に欠けます。なんというか説明文から台詞を作っているように感じます。また、なんでもないようなモブが結構核心に迫るようなことを言っていたりして、全部会話を聞かなきゃいけないんじゃないかと悶々としてしまいます。なお、一通りの会話はチェックしたつもりなのですが、それでもまだ答えがでない疑問もあり余計に混乱しています。パズルのピースは集めたものの、足りなくて結局完成しないみたいな感じです。特に見下ろしマップのNPCは、往々にして恣意的ともとれる突拍子もない情報をプラスしてくるので、ちゃんと本筋との整合性が考慮されているのかは疑問でした。

全体的に異論は認めます。テキストの見落としや、理解不足もあるでしょう。でも、僕は上記のように感じてしまいました。総じてうまく言語化出来ていませんが、そこにはなんとも言えない違和感があったのです。

(強引に繋いできたな!
(君ら会議室と屋上大好きだな!

知恵

(これが今作の東京受胎?
(ファイアウォールが燃えている
(白々しいのう
(誰の知恵かは本人にしかわからないんじゃなかったの?長官に騙されてる?
(お前はもう死んでいる
(一対一というわけではないようです

おそらくメインテーマであり、悪魔と人間の関係を表すキーワードです。オープニングで語られるとおり、王座についた創造主によって神々は知恵を奪われ、悪魔に貶められます。奪われた知恵はエデンで管理されていましたが、ヒトたちはその知恵の実を食べてしまいます。結果、ヒトの魂は知恵の実と融合し、ヒトは人間となり、創造主の怒りに触れた人間はエデンから追放されました。悪魔は知恵を取り戻し、神に戻るため、人間の魂を狙っています。とてもわかりやすいですね。神々を悪魔として扱うメガテンの世界観にピッタリフィットな設定です。しかしながら、それをベースにしたシナリオを進める中で、ハテナが幾つか浮かんだのでメモしておきます。

まずは人間を取り巻く環境についてです。作中では東京や日本や世界というワードが出てくるので、人間界は我々の暮らす世界と同じような世界だと考えて差し支えないでしょう。さらに「バズる」とか「テレワーク」とか「20年前の噂」などのワードが出てきたり、スマホ、タブレットの普及具合から、現代(2021年発売)を表していると考えられます。そして、舞台となる東京は18年前に一度滅びており、神の奇跡(シャカイナグローリー)により再現され成り立っています。滅びた側の東京もパラレルワールド的に存在し、悪魔の蔓延る魔界と化しています。というよりは、正は滅びた側の東京で、奇跡の消滅とともに再現された存在(建物や都民などなど)も消えて無くなるという設定です。主人公たち(おそらく天使も)は、ターミナルを使用して双方の東京を行き来することができます。また、人間の暮らす東京は霊的な結界により、魔界からの悪魔の侵入を妨げているようです。これは、人間の知恵を悪魔から守るためにベテル(創造主サイド)のとっている対策と考えていいでしょう。ただ、脆弱性があるのか、結界の範囲が限定的なのかよくわかりませんが、人間の暮らす側の東京にもたびたび悪魔は出没し、殺人を犯すなど怪事件として話題になっている様子です。ティラミスかき氷おいしいホー。ちなみに、神に戻る、つまりナホビノになれることを知っている悪魔と、知らない悪魔が存在するようです。また、人間は現世(うつしよ)、悪魔は幽世(かくりよ)の存在としても語られることもあります。

さて、次に知恵である人間についてですが、長官の言葉が正しければヒトの魂と結びついた知恵は、子々孫々受け継がれていくらしいです。ということは、人間であれば何らかの悪魔と対になる知恵を持っているということでいいでしょう。そして、主人公の通う縄印学園は全国から学生をスカウトしているようです。さらにアホのイチロウも推薦で入学していることから、基準や方法は不明ですが、知恵持ちを結界内に集めて保護していると考えるのが妥当でしょう。ということは、奇跡で復元された都民は知恵を持っていないと言えそうです。つまり、悪魔の干渉できる東京で知恵を持っているのは18歳以下とも言えるでしょう。悪魔の東京襲撃時に襲われるのも学園のみです。では、わざわざ東京に知恵を集める目的はなんでしょうか。想像でしかありませんが、おそらく創世のためだと思われます。そして、ステークホルダーを考えると、陰で糸を引いているのはツクヨミな気がします。総理就任とか学園が出来たのが最近などの設定があったかは忘れてしまいましたが、たぶんそんな感じなんじゃないでしょうか。それから、学園襲撃で攫われた生徒は、魔界である妖精の集落で匿われ、学園は閉鎖されることになります。妖精の集落は絶対襲撃されるなと思いましたが、そんなことはなかったぜ。しかし、ユヅルくんがベテルに連絡しても、生徒を東京に返さないことや、天使が知恵持ちである生徒を殺していることから、これは創造主サイドの謀略ですね。彼らが守っていたのは創造主の与えた秩序であり、人間ではなかったのです。いわば、生徒たちは人質です。汚いなさすが天使きたない。イチロウが無事に搬送されたのもアブディエル様の知恵だからとかそんな感じですかね。きさま!見えているなッ!それはそうと、本当に個人用メモみたいになってしまいました。

最後に、今作一番の謎シーンに言及しておきたいと思います。それは、アオガミくんの18年前の記憶で、ルシファーが「未来に芽吹く種を撒こう」と言い残して散っていくシーンです。実は、僕はこれが知恵なんだと思っていました。もっとも同じように考えたプレイヤーもいるのではないでしょうか。主人公たちの年齢を考えても18年前は妥当だし、種は人間のメタファーなんだろうなという理由付けです。しかしながら、最後までプレイしても答えは作中では明示されなかったように思います。とすると、いろいろ筋が通らない気もしてきます。そもそも、悪魔であるルシファーが人間の魂である知恵を持っているのはなんか妙だし、遠景から察するに、舞台は人間の暮らす東京ではなく魔界です。じゃあなんだったんだと足りない頭をひねった結果、後述の神造魔人、ひいてはアブディエル含む、あの場にいた悪魔たちになんらかの細工をしたのではないかという結論に至りました。なぜなら、ルシファーがテレパシーみたいので語りかける描写が見られるのが、あの場にいた者たちだと思われるからです。いやあ、弱いですね。名探偵がいらっしゃったらぜひ解決をお願いしたいです。

(手前ェ何殺してんだ、オイ!

神造魔人

(これはルシファー?
(これもルシファー?

作中で神造魔人として明示されるのは、アオガミ型だけですね。次に可能性があるとすれば、アマノザコとツクヨミかなと思っています。日本は古来から度々、英雄となる神造魔人を造ってきたらしいです。18年前の終の決戦後にも日本支部はアオガミ型を造っていたようですね。そしてたぶん全部死んでるのか(ヒント:写せ身)。零式が最高傑作だったんでしょうね。ちなみに、ターミナルでの会話にある数十年前に…発言はおそらくたぶんきっと言い間違えただけです。なお、主人公の半身であるアオガミくんは終の決戦に参加している記憶があることから、それ以前から存在していたということになります。また、アオガミくんはツクヨミを元に造られたということから、ツクヨミ自体はさらに前から存在していたと解釈していいでしょう。なお、アオガミくんの真の名はスサノオだということが、サラッと明かされますが、他のアオガミ型もスサノオだとは明言されません。もしかするとオリジナルみたいな概念があるのかもしれませんね。いずれにせよ、作中ではツクヨミから兄弟、あるいは弟と言われるぐらいでアオガミくん出生の謎は明かされませんでした。まあ、自分でベテルに創られたと言っていますし、もとよりそんな大層な理由はないのかしれません。それよりも、「あとから与えられたとされる使命感のようなもの」が気になりますね。憶測ですが、与えたのはルシファーなのではないかと思います。また、アオガミくんが東京タワーでの決戦時に謎の機能停止をしていることから、各地を巡り、彼の記憶データを回復させていくことで、ルシファーと神造魔神の関係が明らかになっていく展開かと思いましたが、そんなことはなかったぜ。それにしても、アオガミくんがメンテナンスというか解析されているシーンもなんだったんでしょうね。絶対、利用されてるよと思いましたが、これまたそんなことはなかったぜ。

創造主の禁

創造主の禁=ナホビノの禁についてです。まず、ナホビノの禁が解かれたのは18年前に創造主が死んだ時点なのでしょうか。それとも、主人公とアオガミくんが合一する時点なのでしょうか。ミマンの発言から、おそらく前者だと思われます。じゃあなんで18年間だれもナホビノにならなかったの?となりますが、シャカイナグローリーで再生された都民は魂を持っていないからとか、知恵持ちは結界で守られていたからとか、禁が解かれた確証がなくてリスクがあったからなどのこじつけをするしかなさそうですね。なお、ナホビノの禁が有効な場合に合一するとミマンになってしまうということなんでしょう。そうするとミマンは18年より前に生まれたことになります。東京が突如魔界化したのは18年前なので、それ以前ということは、また別の魔界のお話ですということなんでしょうか。それにしては東京に詳しいのはなんでなんだぜとか新たな疑問も湧いてきますが、材料がなさすぎるので考えるのをやめます。

次に、創造主の禁が有効な限り、ナホビノには戻れず、ナホビノにならなければ創造主のいる王座がある至高天には入れないという、為す術なしとも思える法則を、ルシファーは如何にして打破したのかという件についてです。もっとも、私が倒したとか直接的な表現は口にしませんし、何か間接的な方法を使ってルール無用でぶっ殺したのかもしれませんが、その術が明かされることはありません。よって、順当に考えていくと、そもそも至高天に入るには3つのカギが必要なんじゃないのという話になりそうです。しかし、ナホビノくんがカギを使って至高天への道を開いた場所は万古の神殿です。東京が魔界化していなければ神殿もないような気がします。つまり、至高天へ至るルートは複数あって、別の経路から入ったからカギなんていらなかったぜということでしょうか。そもそもカギのシステムを作ったのは事象となったルシファー自身かもしれませんし、ベテルかもしれませんが、情報がなさすぎるので考えるのをやめます。続いて、ナホビノじゃないと至高天に入れない問題ですが、これは正しくは、ナホビノじゃないとカギが使えなくて至高天への道を開けない、なのだと思います。なぜなら本編でも、主人公以外の人間や、悪魔も至高天内部にゾロゾロ入ってきているからです。もっと言えば、門番らしき中ボスもいたりして、別ルートがある説が濃厚です。以上の仮説が成り立てば、閣下は普通に至高天に入って普通に創造主を実力でぶっ殺したとも考えられます。なんというか、あまり深く考えることではなかったような気もしますね。

東京の魔界化とシャカイナグローリー

前述のとおり、主人公たちの暮らす東京はシャカイナグローリーという神の奇跡によって18年前に復元され、終盤では奇跡が消えかけていくことにより東京は滅びの危機を迎えるという展開です。まず、疑問なのが、創造主が討たれてからシャカイナグローリー消滅まで18年の歳月が流れているということです。また、異変が起きているという表現をされることから、じわじわとではなく、ある時点から急速に効力を失い始めているように察せられます。そして、その時期は悪魔の東京への侵攻開始(ゲーム開始時点)と符合するような気がします。すなわち、シャカイナグローリーの目的は、東京の消滅及び、魔界の顕現による世界の混乱を回避するという意味ももちろんあると思いますが、復元された都民や生活環境は、以降に東京へ招集された知恵である人間にモラトリアムを与えることのようにも思えます。以上のことから考えると、奇跡が消滅するタイミングは偶然とは思えません。いわば、何者かによって意図的にスイッチングされているようにすら思えます。そう考えると、神の奇跡と呼ばれるシャカイナグローリーは、本当にすでに存在しない創造主がもたらしたものなのかも疑わしく思えてきます。そもそも、18年前に起こった出来事を時系列で整理すると、次のようになるはずです。

・東京が魔界化する->(創造主が)奇跡を起こして東京を復元する->ルシファーが創造主を倒す

しかしながら、事象となったルシファーの言葉を信じれば、魔界化(ダアトの出現)は、新たなナホビノを生み出し、王座を循環させるためのシステムの一部。つまり、新たなダアトの出現は、新たな王の誕生がトリガーとなっている(ルシファーは座に就きませんでしたが)とも推理できなくもないです。そう考えると、次のような時系列もあり得る気がします。

・ルシファーが創造主を倒す->東京が魔界化する->(何者かが)奇跡を起こして東京を復元する

いよいよ胡散臭いですが、気にせず続けます。上記のマンダラの法則のシステムに則って行動する何者かが存在すると仮定すれば、目的は創世を促すことだということに帰結します。すなわち、シャカイナグローリーは創造主が起こした奇跡だという情報は、何者かの放ったミスリードである可能性があります。そもそも、創造主サイドの天使たちは創造主の作った世界を維持するのが目的で、東京の魔界化については運命だとして見放しています。これは、シャカイナグローリーが彼らの従う神の奇跡でないということを暗示しているようにも思えます。以上のことから、シャカイナグローリーをコントロールしていた何者か、あるいは何者かたちは、主人公を創世へ導く、女神(元タオ)、悟劫(アミターバ)あたりが怪しいと思います。トンデモ理論になってしまった気もしますが、僕の解釈としては以上です。

創世

(そもそも東京なのか、日本なのか、世界なのかよくわからない

創世、すなわち王となったものは、望むとおりに世界を作り変えることができるとか、世界の法則を定める力を得るとか、抽象的で釈然としませんね。結局、王が世界を作り変えた結果は、ナレーションでしか語られないので、いまいちピンときません。パラダイムシフトが起こるということなんでしょうか。それとも望むとおり本当になんでもありということなんでしょうか。過去に王だった者の歴史が残っていることから、時間軸は変わらないような気がしますが、人の世ルートでは散っていったはずのお友達が復活していたりしてループもののようにも感じられます。まあ、お友達の再現も主人公が望んだからということでいいんですかね。なんだか、わだかまりが残りますが、あまり考える材料もなかったように思えるので仕方ないでしょう。

太宰の豹変

(戦闘力…たったの5か…ゴミめ…
(瞬間移動しはじめる(伝われ)
(様をつけろよデコ助野郎ォ!

あ…ありのまま、今、起こった事を話すぜ!おれが厩橋に差し掛かったとき、イチロウがビルの上に立っていた。ここに来て投身か?と眺めていたら、いつの間にかキレていた。な…何を言っているのか、わからねーと思うが、おれも、何が起きたのか、わからなかった…。というわけなのですが、豹変(超人化?)自体は歓迎すべきことで、求め続けてきた「力」と「自信」を獲得するという、彼のクライマックスでもあるのですが、いかんせん静かすぎて何が起きたのかさっぱりです。アオガミくんの言っていた、悪魔召喚プログラムを使いすぎたためなのかも知れませんが、同じカットシーンの中で急激に変わりすぎて理解の範疇を超えています。このシーンだけは何度見ても、なぜなにどうしてが止まりません。そして、作中では彼の変化に誰もツッコまない。と思ったら、アフロが気づいていました。さすが。

過去作とのつながり

(もう難しすぎて何を言っているのかわかりません!

本作には上であげた以外にも、所々に過去作(ナンバリングや派生作品)をほのめかすシーンや台詞が登場します。とはいうものの、ほとんどはオマージュというか、ファンサービスみたいなもので、知ってるプレイヤーはニヤニヤできる程度のものなのでスルーしても問題ありません。よくわからないフレーズが出てきたら、大体はこの類だと思います。歴史のあるシリーズなので、古参プレイヤーも大事にしているよという開発側からのメッセージなのでしょう。しかしながら、長官の東京受胎発言だけは看過できません。メインシナリオでボイス付きでぶっ込まれるうえ、以後なんの解説もないのです。東京受胎といえばメガテン3のキーワードです。偶然かもしれませんが、18年前は同作の発売日とも一致します。さらに、DLCとはいえ人修羅を登場させたり、ターミナルがそのまんまだったり、もうね色々あります。正直もうよく憶えていないし、やり直すこともないと思うので、考察は差し控えますが、世界観の繋がりを持たせるのであれば、合理的な説明が欲しかったところです。総理は失言改変の神意を習得することを推奨。

以上です。長かったですね。未プレイの方にはわけわかめだったと思いますが、4周プレイした僕も実はよくわかっていません。とはいえ、思っていたことは大体吐き出した気がするので溜飲が下がりました。読んでくれた方、ありがとうございました。

(細けえことはいいんだよ!

エンドコンテンツ

シヴァを倒す

(神がッ 倒れるまで 挑むのをやめないッ!

終盤のサブクエストで戦いを挑めるようになります。その時点ではまず勝てず、そればかりかレベルカンストしても相応の準備がなければ、なすすべもなくやられてしまうほどの強さです。さすが宇宙ごと世界を破壊しようとしているだけのことはあります。倒さずともゲームクリアは可能で、そもそもラスボスより強いです。とはいえ、弱点を突いたり無効以上の防御相性をつけて行動差を稼ぐ、バフデバフを維持する、などセオリー通りの対策がとれれば、ガチ編成でなくとも突破は可能です。見事倒すことができれば、ようやくシヴァの合体が解禁されます。シリーズ経験者ならシヴァは特殊合体が常識だと思うので、アサクサ辺りでバロンランダしてみたのではないでしょうか。今作では裏ボス的な扱いになっており、ストーリー上でも各支部の代表より格が高い存在として語られます。専用BGMもついてかなりの厚遇ですね。いずれにせよ、DLCなしだと最強の相手と言えます。

(勝ったッ!メガテン5完!

人修羅を倒す(DLC)

(悪魔が恐れる男がいた

DLCを導入している場合、おなじみの骸骨魔人を撃破していくことで、メガテン3の主人公である人修羅くんに挑むことが出来ます。それにしても、ハーパン運動靴の全身タトゥー野郎が腕をクロスさせてるだけで格好良く見えてしまうとは、潜在記憶とは恐ろしいものです。戦闘BGMは魔人戦はいつもの、人修羅は3から通常戦闘のアレンジですね。これまた懐かしいです。さて、先制ジャベリンレインの洗礼は受けたものの、こちらもレベルカンストの悪魔を揃えています。何回かチャレンジすればいけるはず。彼を倒せばメガテン5もいよいよ終わりですね!

(簡単にクリアされたら悔しいじゃないですか

あいにくですが、シヴァを倒したぐらいでは全く歯が立ちません。防御相性は全て耐性、確定クリティカル、DPSチェック、全体即死攻撃&プレス破壊、半分削ったところで全回復、などなど今作では断トツの強敵です。もはやパズルゲーム感が極まっており、専用のパーティ構成を余儀なくされます。解法はいくつかあるみたいですが、僕の場合は真正面から攻略してしまったので、準備も含めて相当な時間を費やしました。戦闘自体も1時間ぐらいかかっていたと思います。がんばって用意した悪魔を総動員しての死闘はエンドコンテンツとして相応しい体験でした。もっとも、経典(スキル適正)は必要だけど、香(パラメータ)はなくても勝てた程度の調整に製作者の慈悲を感じます。本当はもっと強くしたかったんだろうなとは思いました。やりこみ勢には少し物足りないかもしれませんね。

(きさまこのゲームやり込んでいるなッ!

さらなる強敵に挑めるアップデートは…

たぶんないでしょうね。もっとも、人修羅くんでお腹いっぱいです。目標を見いだせるプレイヤーは縛りやRTAに挑戦するのもアリかもしれません。

悪魔全書を埋める

合体機能が便利なので未登録の悪魔を作っていくだけなら簡単です。ただし、エンディングに関わる各ルートごとに解禁される悪魔が異なるので、悪魔全書を100%にするには最低でも3周が必要です。

4種類のエンディングを見る

クリアデータをセーブすると、4種類のアイコンが表示されエンディングが4つあることがわかります。見るだけなら、分岐直前のセーブデータが残っていればロードしてやり直すのが一番はやいです。アオガミくんが最後の警告をしてくれるので賢明なプレイヤーならセーブスロットを分けていることでしょう。しかしながら、周回なしでは4つのアイコン全てを点灯させることができません。果たしてそこに何の意味があるのか、そんな気はしていましたが多分なにもありませんでしたね。なお、おそらく「人のみの世界を創世する」がトゥルーエンドなんでしょう。アイコン光ってるし、ラスボスはちょっと強くなるし、アオガミくんも喋ってくれます。また、他エンディングが対比(というか前座)になっていることから、2周目以降に見てほしいという制作側の意思を感じます。分岐条件もあるみたいですしね。ただ、物語の流れからして、主人公(ならびにプレイヤー)が、上記の選択をする必然性が見いだせませんでした。そのうえ、エンドロールの後に追加されるカットシーンは続編への布石としか思えません。諸行無常の響きありからのV FINAL作る気満々ですか?どうか盛者必衰の理をあらわしませんよう、大宇宙の意思アトラスさん頼みますよ!

総括

おそらく今までで一番遊びやすいメガテンです。全ての要素が合一していれば、それこそ神ゲーでしたが、細かい部分が気になってしまいましたね。とはいえ、作品としての完成度は高く、骨太のJRPGを遊びたい方にはオススメです。今後ともよろしく……。

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